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◆小規模テレビ共同受信設備向け光システムを開発
〜施設の安定運用と効率的なデジタル化に向け〜
(平成17年4月5日)


○ NHKは、テレビ共同受信の設備を光ネットワークで構成する「小規模光共同受信システム*1」を開発しました。

○ これまで、テレビ放送の難視解消のため設置しているNHK共同受信施設*2などの小規模なテレビ共同受信設備の多くは、同軸ケーブル(銅線)を使用した狭帯域伝送システムでした。このため、雷などの障害を受けやすく、またUHF帯を用いる地上デジタル放送をそのまま伝送できないという課題がありました。

○ 今回、開発した小規模光共同受信システムは、テレビ電波を受信するアンテナから各家庭までの伝送路に光ケーブル(光ファイバー)を使用します。光ケーブル化することにより、雷による障害を受けにくく、また同軸ケーブルシステムに比較して構成機器が大幅に減少するため、故障発生率も低くなり、設備の安定運用と保守経費の低減が期待できます。

○ 光ケーブルを使用することで、伝送帯域が広帯域化でき、アナログ放送のほかに、デジタル放送など受信した放送をそのまま伝送することも可能です。

○ NHKでは、この小規模光共同受信システムを、全国で運用中のNHK共同受信施設の老朽更新に合わせて導入し、保守経費の低減など今後の維持管理の効率化と安定運用につなげていきます。なお、光共同受信システムの導入に時間がかかる施設については、地上デジタル放送に対応するため、当面、既設の同軸ケーブル設備への周波数変換方式*3の導入を検討しています。

○小規模光共同受信システムの構築にあたっては、国や地方自治体・民間が全国的に整備を進めている光ネットワークインフラとともに、地域への光技術の普及に貢献していきます。


※1  平成17年3月30日答申された情報通信審議会諮問第2017号の技術的条件に合致したシステム
※2  NHKでは、中継放送所の建設が困難など、テレビの難視地区の解消のため、地元の施設組合と共同で、全国に約9,000施設(加入約67万世帯)のNHK共同受信施設を運用している
※3  地上デジタル放送波をMID帯(VHF帯の3chと4chの間にある周波数帯)に変換して伝送する方式


[図1] 従来のNHK共同受信施設



[図2] 今回開発した小規模光共同受信システム


[各システムの伝送可能周波数]
 
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