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◆カメラ装着可能な小型エンコーダ「ライブダス」を開発
〜 公衆ネットワークを利用した生中継が手軽に 〜
(平成17年2月4日)


○ NHKと沖電気工業(株)は共同で、有線LANや携帯電話などさまざまな公衆インターネット回線を利用して高画質な映像と音声を伝送できて、取材用カメラに装着可能な小型伝送装置 「ライブダス*1(MPEG-4*2 Encoder RS-M)」を開発しました。

○ ライブダスは、圧縮方式にMPEG-4を採用しており、第3世代携帯電話パケットネットワークや公衆無線LANサービスなど伝送速度が低い回線を利用できます。このため、地下鉄や地下街、繁華街など、これまで映像伝送が困難だった場所からの生中継が可能となります。

○ ライブダスは取材用カメラの後部に装着し、一体化して使用できるように小型・軽量化しており、機動性が高く、カメラマン単独での取材・伝送が可能です。また、さまざまな種類のネットワークに対応しており、海外からの有線インターネット回線やインマル衛星電話、次世代衛星インターネットサービス(InmarsatBgan*3)などを利用した生中継も可能です。

○ NHKは緊急報道の取材体制の強化をはかるため、ライブダスを海外・国内問わず、さまざまな場所からの中継や取材に使用して、番組内容を充実していく予定です。

※1 ライブダス(LIVE DAS): LIVE broadcasting Demand Access System。NHKでの呼称。
※2 MPEG-4(Moving Picture Experts Group phase 4):ISOが策定した動画像符号化標準規格。主に第3世代携帯電話、インターネット映像配信に使われている。
※3 インマルサットが新規展開しているインターネット接続サービスで、最大144kbpsの伝送が可能。現在、欧州エリアで使用でき、将来的には1Mbps程度の伝送レートを予定している。


[諸 元]
ハードウェア仕様 Low Power Pentium III 933MHz メインメモリ512MB
7インチ液晶ディスプレイ
入力
 インターフェース
映像:SDアナログコンポジット
音声:2chアナログ(-20/+4dBm切替)
映像符号化方式 MPEG-4 Simple Profile  32kbps〜1Mbps
映像サイズ
 ・コマ数
QVGA*1320x240/QCIF*2176x144 5〜30フレーム/秒
音声モード・レート ステレオ/モノラル 
MP3*3  16〜128kbps
AMR*4  4.75〜23.85kbps
記録媒体 Micro Drive 2GB
消費電流 DC 12V 35W以下
寸法 本体 108mm(W)×62mm(H)×170mm(D)
重量 約 1.2Kg

※1 Quarter VGA:320×240ピクセルの解像度のこと。 PDAや携帯電話などで採用されている。
※2 QCIF:Quarter Common Intermediate Format。 ITU(国際電気通信連合)が定めた映像信号フォーマットの標準の一つで、176×144画素、毎秒30フレームの映像に対応している。携帯電話のビデオ撮影機能などに使われている。
※3 MP3:MPEG Audio Layer-3。 映像データ圧縮方式のMPEG-1で利用される音声圧縮方式の一つ。オーディオCD並の音質を保ったままデータ量を約1/11に圧縮することができる。
※4 AMR:Audio/MODEM Riser。 パソコンに拡張カードを追加するためのインターフェース規格。デスクトップパソコンのマザーボードにサウンド機能やモデム機能などのアナログ信号を扱うカードを追加するための仕様。


[ライブダスの外観]


[ライブダスとカメラの接続イメージ]

 
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