NHK INFORMATION
技術情報

  ◆出演者を自動認識・追尾できる移動ロボットカメラ
〜 これまでにない多彩な映像の演出が可能に 〜
(平成16年5月12日)

○ NHKは、ロボットカメラを活用した効率的なスタジオ番組制作システムの研究を進めています。今回、出演者の位置を認識し、移動しながらでも出演者を追尾して撮影できるハイビジョンロボットカメラを、古河機械金属(株)と共同で開発しました。

○ ハイビジョンロボットカメラは、独立駆動の4輪式移動装置により、秒速1メートルの速度であらゆる方向へスムーズな移動が可能です。また、カメラの昇降にはリニアモーターを採用し、精度の向上を図りました。このロボットカメラはプログラム制御による自動走行や手動による遠隔操作が可能なほか、事前に手動操作を登録してカメラワークを再現する“ショットメモリー機能”を備えています。

○ 顔画像認識技術を用いた被写体検出システムにより出演者の位置情報を取得して、ロボットカメラが移動しても人物を自動的に追尾して撮影を行うことができ、移動感のあるダイナミックな映像を撮影することができます。

○ カメラのパン(左右)、チルト(上下)、ズーム、フォーカスの制御と、カメラそのものの前後、左右、上下の移動を同時に操作でき、これまでにない多彩なカメラワークの映像を撮影できます。また、ロボットカメラの安全性に配慮し、近接センサーによる自動停止、接触センサーによる緊急停止のほか、移動方向をLEDランプで表示します。

○ 今後は、実際の番組制作への適用に向けて、電子番組台本をもとにした複数のロボットカメラを操作・制御する手法の研究を進めていきます。今回開発した移動ロボットカメラは、5月27日から30日まで開催するNHK放送技術研究所の一般公開で展示します。


【図1】 試作した移動ロボットカメラ



【図2】 移動ロボットカメラによる追尾撮影



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