NHK INFORMATION
技術情報

  ◆MPEG ストリームによる
全国 ロボットカメラ モニタリングシステムを開発
(平成16年3月25日)


○ NHKは、富士通(株)及びNTTコミュニケーションズ(株)と共同で、全国各地に設置しているロボットカメラのMPEGストリームによるモニタリングシステムを開発しました。 ○ このシステムは、全国422か所のロボットカメラ映像を常時接続のADSL回線や光回線を使用し、MPEGストリーミングデータとして収集するシステムです。リアルタイムモニターだけではなく、収集したストリーミング映像を12時間分蓄積しており、過去の映像も視聴することが可能です。

○ 従来のFPUを使用した接続方式では、受信基地局の制約から同一地域から複数のロボットカメラをモニターすることは出来ませんでした。また、全国に設置しているカメラを一斉にモニターする事も出来ませんでしたが、常時接続が特徴のADSL回線を活用し、閉域IP網 (*1) と組み合わせることで、常時モニター・重点監視を実現しました。

○ このシステムでは、気象庁の地震情報データを利用し、津波情報や地震発生時に対象地域のロボットカメラを自動的に抽出する機能を実現しており、放送担当者に迅速な情報提供が行われ、的確な緊急報道が可能になっています。

○ 今回開発した全国ロボットカメラモニタリングシステムの試作機は、すでに一部の放送局で活用されています。昨年5月の宮城県沖地震や9月の北海道十勝沖地震などの緊急報道のほか、6月の名古屋トラック炎上事故では蓄積された映像をもとに、詳細な現場状況を視聴者の皆さんにお届けできました。

○ NHKでは、緊急報道体制を引き続き強化し、視聴者・国民の皆さんの生命、財産を守るためのシステム開発をさらに進めていきます。

(*1) 閉域IP網
      : 通信事業者が保有する、加入が限定された閉じたIP網のこと。

全国ロボットカメラ モニタリングシステムの諸元
接続カメラ台数
全国の会館カメラ及び情報カメラ
 全国422式(平成16年2月末現在)
MPEGストリーム 高ビットレートと低ビットレートによるデュアルストリーム
アクセス回線 放送局:光ファイバー,ADSL回線
情報カメラ:ADSL回線
放送センター:IPネットワーク専用線
セキュリティ IP-SEC方式による閉域IPネットワーク
試写端末 全国で67台


【図1】 システム概念図

【図1】 システム概念図

【図2】 平成15年9月に発生した「十勝沖地震」のカメラ抽出画像

【図2】 平成15年9月に発生した「十勝沖地震」のカメラ抽出画像














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