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技術情報

  ◆自動音声認識による生字幕制作システムを開発
(平成15年9月5日)


○ NHKは、松下電器産業(株)と共同で、スポーツなどの生放送番組へ字幕付与を可能とする「自動音声認識・生字幕制作システム」を新たに開発しました。このシステムは、番組中の音声を要約する字幕キャスターの音声をリアルタイムで音声認識して、字幕データとして送出するものです。 ○ スポーツ番組や歌謡番組などでは、アナウンサーや解説者、出演者など複数の話者の会話が輻輳し、また、演出上、発話速度が速いなど、そのまま字幕化したのでは、読みにくいなどの難点があります。そこで、番組の内容を分かりやすく要約して発声し、その声を音声認識する手法を確立し、より正確でわかりやすい字幕付与を実現しました。

○ 音声認識処理部はNHK放送技術研究所が開発したものをベースに、コンパクトなパソコンでも動作できるよう、新たに開発しました。また、簡単な操作で音声認識辞書を作成できる 「音声認識辞書メンテナンスツール」 も開発し、新たなジャンルの番組にも容易に対応可能となっています。

○ その他、音声認識する際に誤字脱字が生じたことを想定し、音声認識した結果をリアルタイムで修正可能な 「誤字削除修正機能」や、字幕化した際にできるだけ読みやすくするため、ルビの付加、話者ごとの色設定、「?」や「!」など特殊文字の挿入機能を装備しています。

○ これまで生字幕放送は、大相撲やプロ野球などのスポーツ番組、歌謡コンサートなどの音楽番組で実施してきました。今回、一般情報番組での初めての試みとして、9月20日(土)に総合テレビ及びBSハイビジョンで放送予定の「南極・北極同時オーロラ生中継」で、このシステムを用いた生字幕放送を行います。

○ デジタル放送対応受信機では、文字多重チューナーがなくても字幕放送を楽しむことができます。今後も、放送のデジタル化とともに、人に優しい放送の充実につながる研究・開発に取り組んでいきます。



図 1 システム構成図
図 1 システム構成図

図 2 生字幕放送の例
図 2 生字幕放送の例











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