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技術情報

  ◆放送センタードラマスタジオをハイビジョン化 
〜大河ドラマのハイビジョン制作に対応〜(平成11年1月14日)


○現在NHKではBSデジタル放送の開始に向けて、ハイビジョン番組制作設備の充実を進めていますが、このたび大河ドラマや朝の連続テレビ小説など、主要ドラマ番組を制作しているCT−105スタジオを全面 更新し、ハイビジョン制作の行えるドラマ収録スタジオとしてオープンしました。

○今回の整備にあたっては、ドラマ制作の基本がカット撮りであることから、設備の機能を素材収録に限定しシンプルにするなどして、整備のコストを最小限に抑えました。

○主な特長は以下の通りです。

[映像]
カメラ、スィッチャーをハイビジョン化しました。カメラにはドラマ収録に配慮して静音対策を施しています。

[音声]
ドラマの芝居のひそひそ声からがなり声まで歪みなく収音可能なダイナミックレンジの広い音声卓を整備しました。

[照明]
これまで34年間運用してきたものを更新し、NHKとメーカーで開発した調光装置と昇降装置を一体化した一点吊り照明システムを導入しました。大掛かりなセットの隙間をぬ って、今まで以上にきめ細やかな照明が可能です。

○新しいCT−105スタジオは、ハイビジョンドラマのほか、もちろん現行方式での制作も可能で、演出・制作形態が多様化するなか、効率的なスタジオ運用が行えます。本スタジオでは1月15日より次期朝の連続テレビ小説「すずらん」や大河ドラマ「元禄繚乱」の収録を開始します。

○また2月末からは、CT−106ドラマスタジオのハイビジョン化更新工事を予定しており、この2つのドラマスタジオで、2000年1月から放送予定のハイビジョン大河ドラマ「徳川三代〜葵〜」も制作し、ハイビジョン番組の充実を図る予定です。



[CT−105スタジオ設備構成]
設備    機 器     型 名  数量     備 考 
映像 HV映像スイッチャー DTS-1000(NEC) 1式 素材10、内部素材2
2効果列、1DSK*1
DVE機能なし
ハイビジョンVTR
HD-−D5VTR AJ-HD2000(松下) 2台
現行方式VTR
D3−VTR AJ-D351(松下) 2台 既設使用、シリアル化改修
HVカメラ HDC-750(ソニー) 4台 静音化対策
ノンリニア収録装置 MC4000(アビッド) 1台 既設使用(オフライン編集用)
音声 音声卓 OQM1265(バップ) 1式 16入力、メイン出力2、
グループ出力4
マイク入力S/N60dB以上
ピークマージン30dB以上
DAW*2 MFX-MINI(フェアライト) 1台
吊りマイク装置 (森平舞台) 22台
照明 一点吊りマシン AP-BOYU(森平) 107台 うち調光器実装105台
バトン昇降装置 UH、Bバトン(森平) 20本 既設使用
調光装置 (東芝ライテック) 1式 360kVA、計206回路
(参考)*1:Down Stream Keyer *2:Digital Audio Workstation











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