日本放送協会 理事会議事録  (平成25年 8月27日開催分)
平成25年 9月20日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成25年 8月27日(火) 午前9時00分〜9時50分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、塚田専務理事、吉国専務理事、石田専務理事、
 木田理事、久保田技師長、板野理事、上滝理事、福井理事、下川理事、
 森永理事
 井原監査委員、上田監査委員

<場     所>
 放送センター 役員会議室

<議     事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1196回経営委員会付議事項について
(2)平成25年度後半期の国内放送番組の編成について
(3)平成25年度後半期の国際放送番組の編成について

2 報告事項
(1)予算の執行状況(平成25年7月末)
(2)契約・収納活動の状況(平成25年7月末)

1 審議事項
(1)第1196回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 9月10日に開催される第1196回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「新放送会館の用地取得について」、報告事項として「平成25年度後半期の国内放送番組の編成について」と「平成25年度後半期の国際放送番組の編成について」です。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)平成25年度後半期の国内放送番組の編成について
(編成局)
 平成25年度後半期の国内放送番組の編成について、審議をお願いします。
 後半期においても、25年度番組改定で定めた各放送波の大きな方針を堅持し、定時番組のさらなる定着と認知度の向上を目指します。そのため、後半期に大きな改定は行いません。
 後半期の変更点として2点あります。
 ひとつは、毎年恒例のプロ野球のシーズンオフや欧米の夏時間の終了に伴う改定です。もうひとつは、「大河ドラマ」、「連続テレビ小説」の新シリーズなど、定期的に入れ替えている番組の変更です。後半期に開始する番組については、昨年度放送して好評を博したものをブラッシュアップするなどして、さらに魅力的な番組を編成します。
 後半期の改定は、各波とも9月30日から実施しますが、BS1は、プロ野球のシーズンオフや欧米の夏時間の終了に伴う改定のため、11月4日から実施します。
 各波の主なポイントを説明します。
 まず、総合テレビです。総合テレビは、「生活に欠かせないチャンネル」として、引き続き、正確な情報を伝え、日本、そして世界の課題を考えるニュースや番組に取り組みます。後半期については、夜間帯の番組の充実・強化をポイントとします。木曜日の午後10時は、「仕事ハッケン伝」に代えて「地球イチバン」を、金曜日の午後10時は、「総合診療医 ドクターG」に代えて「ファミリーヒストリー」を放送します。いずれも24年度に放送し視聴者から評価の高かった番組です。土曜日の午後11時30分は、「タイムスクープハンター」に代えて「妄想ニホン料理」を放送します。これまで特集番組として数回放送し好評だった番組です。日本料理を見たこともない外国人の料理人が、「おやこどん」、「たぬきそば」といったメニューの「語感」をもとに独創的で奇想天外な料理を作っていく、新感覚の料理・紀行番組です。
 ドラマについてです。9月30日から始まる89作目の「連続テレビ小説」は、大阪放送局制作の「ごちそうさん」です。大阪を舞台に、東京から大阪へ嫁いだヒロインが激動の大正、昭和をたくましく生きる姿を描きます。火曜日午後10時は、9月3日から「ドラマ10」の新シリーズ「ガラスの家」(全9回)を放送します。
 木曜日午後8時の「時代劇」は、放送枠のタイトルを「木曜時代劇」とあらためます。この時間帯は、これまでBSプレミアムで好評だった時代劇を放送してきましたが、今回のシリーズから新作を総合テレビで放送します。新シリーズ第1弾は、八百屋お七の悲恋物語を題材にした「あさきゆめみし」です。ジェームス三木さんの脚本で、元AKB48の前田敦子さんが時代劇のヒロインに初めて挑戦します。
 53作目となる「大河ドラマ」は、26年1月から「軍師官兵衛」を放送します。豊臣秀吉の軍師として知られる戦国時代末期の武将、黒田官兵衛の生涯を描くもので、黒田官兵衛役を岡田准一さんが演じます。
 次に、Eテレです。Eテレは青少年・子どもの育成、文化・芸術の継承・発展など「教育放送」に求められる役割を、後半期も果たしていきます。週末のアニメ番組では、新シリーズを始めます。土曜日午後5時30分は「アニメ ログ・ホライズン」(全25回)を、日曜日午後5時30分は「アニメ ファイ・ブレイン」の第3シリーズ(全25回)を放送します。金曜日午後6時55分は、「Eダンスアカデミー」の後継として昨年度に放送し、好評だった「スクールライブショー」を放送します。バンド、ダンス、吹奏楽などを中高生が競う番組です。
 語学番組の新シリーズでは、月曜日から木曜日の午後10時50分に、社会人がビジネスで使える英語表現を学ぶ「しごとの基礎英語」を放送します。現在放送中の「おとなの基礎英語」は、好評のため、後半期も平日の午前10時15分などでアンコール放送します。音楽教養番組の新シリーズとしては、木曜日午後11時25分に、音楽プロデューサーの亀田誠治さんが、日本人の心をとらえるヒット曲の秘密に迫る番組「亀田音楽専門学校」(全12回)を放送します。
 BS1は、「スポーツ」、「国際報道」、「ドキュメンタリー」を引き続き柱としていきます。午後11時台に放送している「ワールドスポーツMLB」は、MLB(アメリカ大リーグ)のシーズン終了に伴い、内容と放送時間を一部見直し、番組タイトルも「ワールドスポーツ11(イレブン)」に変更します。月曜日と火曜日は欧州サッカーを中心に45分間で、水曜日と木曜日はウインタースポーツを中心に20分間で伝えます。金曜日の午後11時には、「古田敦也のプロ野球ベストゲーム」を新設します。日本プロ野球史に刻まれた名勝負・名場面を、資料映像と証言、古田敦也さんの視点を織り込んで紹介します。
 プロ野球シーズンの終了に伴い、「エキサイティングスポーツ」は、午後7時から9時の編成に変更し、プレミアリーグなど欧州サッカーを中心に放送します。
 新設番組としては、月曜日の午後5時から、アジアを舞台に奮闘する日本人駐在員の日々を追い好評の「エキサイト・アジア」を定時化します。
 欧米の夏時間の終了にともない、日曜日の早朝の編成を一部変更します。午前7時台に放送している「ワールドWave」を午前8時台の放送とします。また、「PGAゴルフ」は、1時間遅らせ、午前6、7時台とします。
 BSプレミアムは、「本物志向の教養・娯楽チャンネル」として、夜間帯を中心にさらなる視聴の定着を目指します。
 水曜日午後9時は、「ザ・プロファイラー 〜夢と野望の人生〜」です。24年度後半期も好評だった番組を世界史中心の内容から日本史にも広げ、ブラッシュアップして放送します。司会を務めるのは、「軍師官兵衛」の主演・岡田准一さんです。木曜日午後11時15分の海外連続ドラマは、「ワンス・アポン・ア・タイム」(全22回)を放送します。「白雪姫」、「ピノキオ」、「赤ずきん」などのおとぎ話をモチーフにした大人のためのファンタジードラマです。土曜日午後11時30分は、AKB48が出演する「AKB48SHOW」を新設します。
 ラジオ第1は、「安心ラジオ」としての機能を引き続き強化していきます。日本のプロ野球のシーズンオフにともなう改定として、「わたしも一言!夕方ニュース」などを拡大するとともに、木曜日午後8時05分は「かれんスタイル」を、金曜日午後8時05分は「ぼくらの青春 J−POP 平成ミュージック・グラフィティ」を放送します。
 ラジオ第2は、「生涯学習波」として、引き続き多様な知的欲求に応えていきます。後半期は、語学講座の新番組として、土曜日の午後6時30分から、「ポルトガル語ステップアップ」を放送します。
 FM放送とワンセグ独自放送については、変更はありません。
 以上の報告内容が決定されれば、9月10日開催の第1196回経営委員会に報告します。

(上滝理事)  総合テレビの金曜夜間に編成する「ファミリーヒストリー」は、24年度後半期に放送した際に、ゲストの家族の歴史を見ながら自分の家族の歴史に思いをはせることができる番組として、大変好評でした。後半期から定時番組として復活するということで、視聴者の皆さまにも喜んでいただけると思います。放送が終了した番組を復活させることについて、どのような基準で判断していますか。
(編成局)  放送が終了した番組を再び放送するかどうかは、視聴者からの質的・量的な評価を中心として判断しています。
(副会長)  BS1の「エキサイト・アジア」は定時に放送するということですが、以前はどういう頻度で放送していたのですか。
(編成局)  特集番組として25年度前半期に8本放送しています。
(会 長)  今年度の前半は「あまちゃん」に注目が集まり視聴率も好調ですが、後期改定のポイントとなる番組は何ですか。
(編成局)  連続テレビ小説「ごちそうさん」と大河ドラマ「軍師官兵衛」はもちろんですが、そのほかにも、総合テレビの午後10時台の視聴の定着をさらに図るため、「地球イチバン」と「ファミリーヒストリー」に期待しています。また、これまで総合テレビの木曜日午後8時台には、BSで放送した時代劇を編成していましたが、後半期は新作の「あさきゆめみし」を放送し、さらに多くの人々に見ていただきたいと思っています。
 BSプレミアムでは、「ザ・プロファイラー 〜夢と野望の人生〜」をさらに多くの支持や関心が集まるような番組にしたいと考えています。また、子ども番組ゾーンを充実・強化するほか、午後11時台では、女性にとどまらず幅広い視聴者を獲得したいと考えています。
(会 長)  「25年度国内放送番組編集の基本計画」で定めた前半期の方針を堅持しつつ、各波は、視聴者の意向も踏まえたうえで充実、強化の視点で番組の入れ替えなどの改定を加え、後半期の編成計画としていると理解してよいですか。
(編成局)  そのとおりです。25年度の番組編成については、質的にも視聴率的にも評価を得ているととらえています。後半期は、25年度改定で定めた大きな方針を堅持しつつ、定時番組のさらなる定着と認知度の向上を目指したいと思っています。
(会 長)  原案どおり決定します。

(3)平成25年度後半期の国際放送番組の編成について
(国際放送局)
 平成25年度後半期の国際放送番組の編成について、審議をお願いします。
 今年度は、4月の番組改定で外国人向けテレビ国際放送(NHKワールドTV)を中心に大幅な改定を行ったため、後半期はその定着を図ることとし、改定は最小限にとどめました。
 まず、NHKワールドTVについては、BS1で11月から放送する29分版の「島耕作のアジア立志伝」を英語化し、12月から定時番組として新設します。
 ラジオ国際放送(ラジオ日本)の外国人向けサービスについては、ロシア語放送において、極東ロシア向け短波放送の一部を欧州向けの中波放送に切り替えます。放送時間も変更し、より多くの方に聴いていただけるようになります。アラビア語の放送については、夏時間から冬時間に変わることに伴う時間変更を行います。在外邦人向けサービスの日本語放送では、ラジオ第1の改定に伴う番組変更を行います。
 以上の報告内容が決定されれば、9月10日開催の第1196回経営委員会に報告します。

(会 長)  今年度4月にNHKワールドTVで新設した番組の定着状況はどうですか。
(国際放送局)  今年度は34番組のうち、11番組を新設するという大幅な改定を行いました。特に日本の得意分野である建築・デザインと“ものづくり”をテーマにした番組に力を入れてきましたが、これらの番組はモニター報告でも好評価で、手ごたえを感じています。
(会 長)  今回の改定で、さらにNHK国際放送の定着を図るものですね。
 原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)予算の執行状況(平成25年7月末)
(経理局)
 平成25年7月末の予算の執行状況について報告します。最初に、一般勘定の事業収支の全体概況を説明します。7月末の標準進捗率は、33.3%(4か月/12か月)です。
 事業収入は2,202億円で、進捗率は34.0%です。受信料、財務収入等が標準進捗率を上回っており、全体としては堅調に推移しています。事業支出は2,092億円で、進捗率は32.3%です。受信対策費、退職手当・厚生費が標準進捗率を上回っていますが、全体として堅調な状況となっています。この結果、事業収支差金は110億円の黒字となっています。
 事業収入、事業支出それぞれのポイントについて説明します。
 まず、事業収入についてです。
 受信料は、受信契約について効率的な業務体制の構築に取り組んだことなどにより、契約総数や衛星契約数が増加し、標準進捗率をやや上回っています。交付金収入は、7月の参議院選挙の政見・経歴放送実施に伴う選挙放送関係交付金の収入により、標準進捗率を上回っています。雑収入は、前々年度以前受信料の回収額が増加し、標準進捗率を上回っています。特別収入は、大阪・寝屋川運動場跡地(6月)と旧甲府放送会館(7月)の売却益により、標準進捗率を上回っています。
 続いて、事業支出についてです。
 国内放送費は、7月に参議院選挙放送の実施による支出があったものの、全体としては標準進捗率を下回り、堅調な支出状況となっています。契約収納費は、地域スタッフ体制の見直しなど効率的な業務体制の構築を進めて経費の抑制に努めていることから、標準進捗率をやや下回っています。受信対策費は、東京スカイツリーへの送信所移転対策件数の増等により、標準進捗率を上回っています。退職手当・厚生費は、期待運用収益率や割引率を見直したことなどにより、退職給付費が増加し、進捗率はやや高くなっています。
 一般勘定の事業収支を前年同月と比較すると、事業収入は24年10月からの受信料値下げによる減収が通年で影響し、69億円減の2,202億円となりました。事業支出は、給与や減価償却費等が減となっている一方で、国内放送費や受信対策費等の増により、15億円増の2,092億円となっています。
 受信料については、受信料値下げの影響で、前年同月に比べ88億円の減収となっています。受信契約の状況については、効率的な業務体制の構築に向けた取り組みを進めており、契約総数・衛星契約数ともに堅調に増加しています。
 最後に、番組アーカイブ業務勘定の状況です。
 事業収入は、前年同月比1.3億円増の5.4億円となっています。7月は見逃し見放題、特選見放題、単品のいずれの契約も前月比で増加し、中でも単品の契約が増えています。これにより、単月の視聴料収入は過去最高を更新しました。事業収支差金は、視聴料収入の増等により前年同月と比べて1.9億円の改善をしています。

(会 長)  これまでの進捗状況をどう捉えていますか。
(経理局)  事業収入・事業支出は、共に全体として堅調に進捗しています。

(2)契約・収納活動の状況(平成25年7月末)
(営業局)
 平成25年7月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 まず、第2期(6月・7月)の収納額は1,038.4億円で、24年10月からの受信料の値下げの影響により、前年度同期を36.0億円下回りました。
 前年度分回収額実績は9.6億円と、前年度同期を1.1億円下回っています。一方、前々年度以前分回収額実績は7.0億円と、前年度同期を0.9億円上回りました。
 放送受信契約総数の増加状況について、第2期は、取次が47.2万件と前年度同期を2.0万件上回った一方、減少も39.9万件と前年度同期を1.0万件上回ったため、増加数は前年度同期を1.0万件上回る7.3万件となりました。
 第2期の衛星契約増加については、取次が前年度同期に比べ0.1万件上回ったものの、減少が前年度同期を0.8万件上回ったため、増加数は前年度同期を0.7万件下回る13.4万件となりました。
 第2期の未収者削減については、前年度同期を0.2万件下回る3.7万件の削減となりました。その結果、2期末の長期未収現在数は149.8万件となり、150万件を下回りました。
 最後に、第2期の口座・クレジットカード支払の増加数は、前年度同期を0.3万件下回る12.9万件となりました。
 以上の内容は、本日開催の第1195回経営委員会に報告します。

(上滝理事)  2期末の長期未収現在数が150万件を下回ったということですが、未収を着実に削減している要因をどのように分析していますか。
(営業局)  訪問集金を廃止し、契約の開発と、未収の削減・支払再開に訪問要員の業務を特化していることが、未収削減の一番の要因となっていると考えています。
(会 長)  営業活動の質的向上や営業改革が進められていますが、現在はどういう状況ですか。
(営業局)  新規契約のうち同時に衛星契約を取り次ぐ割合は、第2期は33.1%と前年度同期を3%上回っています。また、新規契約と同時に口座支払を取り次ぐ率は、84.5%と前年度同期を4%上回り、支払再開と同時に口座支払を取り次ぐ率も、57.9%と前年度同期を2.1%上回っています。営業活動の質が向上し、成果が出ていると言えます。
 住民票除票調査による住所変更手続きも、今年度7月末で8,900件の取次を確保するなど、順調に伸びています。また、BSデジタル放送の設置確認メッセージの消去受付電話で衛星契約の取次を行う取り組みは、2期末で5,800件と着実に伸びています。一方、郵便の転居届と一体になった住所変更届については、2期末の帳票の返送数が1万9,000件で前年度同期に比べて約4,000件下回っており、現在、対応の強化を図っているところです。
(上滝理事)  インターネットでの営業手続きについては、どういう状況ですか。
(営業局)  インターネットでの新規契約・住所変更届の取次は2期末で7万4,000件となり、前年度同期に比べ1万4,000件増えています。
(会 長)  営業改革は、おおむね順調に進んでいるということですね。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成25年 9月17日
                     会 長  松 本 正 之

戻る

Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。