日本放送協会 理事会議事録 (平成25年 8月20日開催分)
平成25年 9月13日(金)公表
<会 議 の 名 称>
理 事 会
<会 議 日 時>
平成25年 8月20日(火) 午前9時05分〜9時20分
<出 席 者>
松本会長、小野副会長、塚田専務理事、吉国専務理事、石田専務理事、
木田理事、久保田技師長、板野理事、上滝理事、福井理事、下川理事、
森永理事
井原監査委員、上田監査委員
<場 所>
放送センター 役員会議室
<議 事>
松本会長が開会を宣言し、議事に入った。
付議事項
1 審議事項
(1)第1195回経営委員会付議事項について
(2)総務省「電波利用料の見直しに関する検討会報告書(案)」に対する
協会意見の提出について
1 審議事項
(1)第1195回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
8月27日に開催される第1195回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
付議事項は、報告事項として「契約・収納活動の状況(平成25年7月末)」と「予算の執行状況(平成25年7月末)」です。また、その他の事項として、「平成26年度予算編成の基本的な考え方・スケジュール」と「NHKワールドTV 受信環境整備の進捗について」です。
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(2) |
総務省「電波利用料の見直しに関する検討会報告書(案)」に対する協会意見の提出について |
(技術局)
総務省は、3年ごとに電波利用料の見直しを行っており、次期(平成26〜28年度)の電波利用料について、「電波利用料の見直しに関する検討会」を設置し、検討してきました。このたび、その「報告書(案)」が公表され、8月23日を期限として意見募集が実施されています。これに対し、NHKとして意見を提出したいので、審議をお願いします。
まず、「報告書(案)」の概要について、説明します。
第1に、次期の電波利用料の歳出規模について、実施する共益事務のさらなる効率化や必要性の検証を徹底することを前提として、その規模を検討することが必要としています。
第2に、周波数移行の過渡期における電波利用料額の在り方について、移行する無線システムにとって過度な負担が発生しないよう何らかの措置を講じることが適当としています。
第3に、電波の経済的価値に応じて負担する部分の料額算定において、「国民の生命・財産の保護に著しく寄与」に係る特性係数2分の1を携帯電話等にも適用すべきとする一方、「国民の電波利用の普及に係る責務」についての特性係数2分の1は、携帯電話に適用することは適当ではないとしています。また、これらを合わせて4分の1となっている放送への特性係数は、今後も維持すべきとしています。
第4に、料額が大幅に増加する無線局への配慮として、次期の料額が、現行の料額と比べて大幅に増額となる場合は、増額率を一定の水準におさめる措置を前回改定と同様に適用すべきとしています。
第5に、現在、無線局単位で課金している電波の監視業務などの負担部分を、広域専用電波を使用する携帯電話等については、周波数幅に応じて課金すべきとしています。
その他、携帯電話等を利用するスマートメーターやM2M(Machine to Machine)システムなどは、戦略的に電波利用料の負担を大幅に引き下げることが適当としています。
以上に対するNHKの意見の概要は、次のとおりです。
第1点の歳出規模の在り方についてです。歳出規模については、特性係数の見直し等に伴う負担調整によって放送事業者の負担が増えないよう、電波利用料の使途を無線局免許人全体の受益に真に必要な場合に限定するなど、その規模自体を見直すよう要望します。
第2点の周波数移行の過渡期における電波利用料額の在り方についてです。携帯電話に新たな周波数帯を割り当てるための700MHz帯FPUおよび特定ラジオマイクの周波数移行は、国の施策として実施するものであり、その過渡期において、移行する免許人に過度な負担が生じないよう措置を講じることは適切と考えます。
第3点の特性係数の在り方についてです。放送事業者は、地上テレビ放送のデジタル化や周波数再編に取り組み、周波数帯域の有効利用に貢献しています。電波の経済的価値の向上につながる事務の負担分の算定方法の見直しによって、NHKを含む放送事業者全体の負担が増えることのないよう、強く要望します。NHKは、あまねく全国に、豊かで良い放送番組を届け、また、災害時には必要な情報を迅速かつ的確に提供するなど、放送法で規定された公共放送としての使命があり、その責務を果たしています。国民共有の財産である電波の適正かつ有効な利用を確保する観点から、テレビ・ラジオの特性係数を維持することは適切と考えます。
この内容が決定されれば、NHKの意見を総務省に提出します。
(上滝理事) |
今の説明の中で、第3点の「特性係数」について、どういう措置なのか、わかりやすく説明をお願いします。 |
(技術局) |
電波利用料のうち、電波の経済的価値に応じて使用する帯域幅を基に負担配分が決まる部分がありますが、その分のテレビ・ラジオの電波利用料については、1つは、国民の生命・財産の保護に寄与するという目的が認められて、料額を本来の2分の1とする措置が取られています。さらに加えて、放送事業者は、その放送が対象地域内においてあまねく受信できるように義務づけられるなど、「国民の電波利用の普及に係る責務」が法律で課せられていますので、その義務を果たす分、料額を2分の1とする措置が取られています。つまり、放送の電波利用料は、合わせて本来の4分の1とする軽減措置が取られているということです。 |
(下川理事) |
今回、携帯電話事業者にこの特性係数2分の1という軽減措置が導入された場合は、その分放送事業者の負担が増えるわけですね。 |
(技術局) |
現在の電波利用料の歳出総額が減らなければ、携帯電話事業者の負担が軽減される分、他の事業者の負担が増えることになります。そのため、歳出総額は電波利用料の目的に真にかなった適切な規模とすべきという意見を提出したいと考えるものです。 |
(会 長) |
意見の提出にあたっては、同じ放送事業者として民放と足並みをそろえて主張していくことが重要だと思います。 |
(技術局) |
担当としても民放としっかり連携しながら対応していきたいと考えています。 |
(福井理事) |
地上デジタル放送への移行経費で、大規模な負債が残っているはずです。その点を考えると歳出規模を減らすことが本当に可能でしょうか。 |
(技術局) |
今後3年間、国庫債務負担行為による地デジ移行対策の歳出が、これまでと同規模程度見込まれますが、その他の使途について、適切な規模とすることを求めていきたいと思います。 |
(会 長) |
仮に歳出規模が変わらなかった場合、NHKの負担増はどの程度になると見込まれますか。 |
(技術局) |
「報告書(案)」の概要で述べたとおり、次期の料額が現行の料額と比べて大幅に増額となる場合は、増額率の上限を定める激変緩和措置を前回の料額改定と同様に適用すべきとされていますので、負担増の割合は、最大でこの措置による上限の率となると考えられます。前回の改定では、増額率の上限を2割とする措置が取られました。 |
(会 長) |
原案どおり決定します。 |
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以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
平成25年 9月10日
会 長 松 本 正 之
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