日本放送協会 理事会議事録  (平成24年12月11日開催分)
平成25年 1月11日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成24年12月11日(火) 午前9時00分〜9時45分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、塚田専務理事、吉国専務理事、冷水理事、
 石田理事、木田理事、新山理事、久保田技師長、板野理事、上滝理事、
 福井理事

<場     所>
 放送センター 役員会議室

<議     事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1180回経営委員会付議事項について
(2)公益財団法人放送番組センターへの出捐について
(3)新熊本放送会館の整備概要について
(4)平成25年度国内放送番組編成計画について
(5)平成25年度国際放送番組編成計画について

2 報告事項
(1)2012年11月全国個人視聴率調査の結果について

議事経過

1 審議事項
(1)第1180回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 12月18日に開催される第1180回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「公益財団法人放送番組センターへの出捐について」、審議事項として「平成25年度予算編成について」です。また、報告事項として「新熊本放送会館の整備概要について」、「契約・収納活動の状況(平成24年11月末)」、「予算の執行状況(平成24年11月末)」、および「地方放送番組審議会委員の委嘱について」です。さらに、その他の事項として「平成24年秋季交渉の結果について」です。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)公益財団法人放送番組センターへの出捐について
(関連事業局)
 公益財団法人放送番組センターへの出捐(しゅつえん)について、審議をお願いします。
 放送番組センターは、昭和43年に、地方民放の支援を目的として、NHKと民放の出捐により設立されました。おもな事業としては、放送番組センターが制作した番組や、NHKや民放から調達した番組を、地方民放に供給するものでしたが、民放の系列化が進むなどの事業環境の変化に伴い、段階的に縮小され、平成20年度末に廃止となりました。一方、放送番組を収集・保管して来館者等に視聴してもらう「放送番組ライブラリー事業」は、平成元年の放送法改正により放送番組センターに関する制度が定められたことを受けて、NHK、民放、横浜市から拠出された基金の運用益を財源に、3年度から事業を継続しています。
 しかし、低金利の中で財団の基金運用益だけでは事業運営が困難になっていることから、NHKは、民放とともに歩調を合わせて、放送番組センターの要請に応じて出捐してきました。放送番組センターでは、ライブラリー事業の事業規模の上限を3億6,500万円とし、NHKと民放を合わせた出捐額の上限を2億3,100万円としています。NHKと民放との負担比率は、過去の出捐額および放送番組の保存割合を踏まえ、NHK35%、民放65%となっています。
 以上の経緯を踏まえて、24年度についても、NHKから8,085万円を出捐したいと思います。出捐の時期は25年1月を予定しています。
 なお、放送番組センターは、24年4月1日に内閣府の認定を受けて、これまでの財団法人から公益財団法人に移行しました。これを機に、現在の経済・社会状況等を踏まえ、今後の事業や財政のあり方を検討し、今後5年間の事業方針を決めました。25年度以降の出捐要請額については、24年度に比べて、25・26年度は10%の削減、27年度は30%の削減と、段階的な削減計画を決定しています。
 出捐にあたっては、放送法第20条第10項の規定に基づき総務大臣の認可が必要ですので、本議案が了承されれば、12月18日開催の第1180回経営委員会に諮り、議決が得られれば、総務大臣に認可を申請します。

(石田理事)  25年度以降の出捐額については、民放も、NHKと同じ割合で削減していく予定ですか。
(関連事業局)  民放各社も、NHKと同じ割合で削減していく予定です。
(会 長)  原案どおり了承し、次回の経営委員会に諮ります。

(3)新熊本放送会館の整備概要について

(経理局)
 新熊本放送会館の整備については、平成24年6月12日の理事会、および6月21日の第1169回経営委員会での、用地取得および整備方針の決定を受けて、熊本市中央区花畑の用地を取得し、建設に向けての検討を重ねてきました。このたび、整備概要がまとまりましたので、審議をお願いします。
 新放送会館の整備概要については、「『にぎわい』を創出する地域文化の交流拠点」、「安全・安心を守る迅速・的確な情報の提供と地域に密着した放送・サービスの充実に向けた万全の体制整備」、「災害に強く環境にやさしい会館」、および「放送、技術、企画総務をワンフロア化し、放送局マネジメント機能の強化につながる体制の整備」、以上の4点を基本コンセプトとします。
 新放送会館は、敷地面積は2,648.12m2、延床面積は5,546m2で、地上4階地下1階程度の規模を予定しています。現会館と比べて、敷地面積、延床面積ともに小さくなりますが、現会館の大きさは、かつて放送以外の拠点局機能を有していたためのもので、新放送会館は、地域放送局の標準的な面積となります。建設費は建物が26億円程度、放送設備が20億円程度を見込んでいます。
 新放送会館の主な機能としては、建物は免震構造を採用し、浸水被害を回避するために電源設備を上階に設置します。放送と技術の各機能を同一のフロアに置き、災害時などにも迅速・的確な緊急報道に対応できる体制を整えます。また、熊本市街地の中心部という立地条件を生かし、お客様向けのハートプラザを1階に設置し、大画面モニターテレビやNHKオンデマンド体験コーナー、ギャラリーを設けるとともに、番組上映会など多様な視聴者サービスを展開し、地域の人々が気軽に訪れて楽しめる放送会館とします。さらに、太陽光発電など自然エネルギーの活用や電力消費の少ないシステムを導入するなど、環境にやさしい会館を目指します。
 今後のスケジュールについては、25年度に基本設計に入り、26年度に建物の建設に着工し、28年度に建物と放送設備を完成させて運用を開始する予定です。
 本件が決定されれば、12月18日開催の第1180回経営委員会に報告します。

(板野理事)  附置義務駐車場は、どういう用途で、どれくらいの台数分を確保する予定ですか。
(経理局)  業務用の駐車場として、10台分程度を確保する見込みです。
(会 長)  新放送会館の建設予定地は、海抜はどれぐらいですか。
(経理局)  海抜13メートルです。
(会 長)  近くの白川は、ことし夏の豪雨で氾濫した箇所もあったと記憶しています。浸水などの懸念はありませんか。
(経理局)  治水工事が進み、問題ないものと判断していますが、さらなる安全のために、会館の浸水対策も計画に盛り込んでいます。
(会 長)  セキュリティ対策は、万全となっていますか。
(経理局)  今後、具体的な設計の中で検討していくこととなりますが、万全となるようにします。
(上滝理事)  現放送会館の土地は売却予定ということですが、現段階では目途はついていますか。
(経理局)  売却については、現段階では未定です。
(会 長)  原案どおり決定します。

(4)平成25年度国内放送番組編成計画について
(編成局)
 平成25年度国内放送番組編成計画について、審議をお願いします。
 平成25年度国内放送番組編成計画は、平成25年度国内放送番組編集の基本計画に基づき、編成計画の要点や新設番組の概要、部門ごとの放送時間および比率と地域放送時間などをまとめたものです。
 各波の編成計画の要点については、次のとおりです。
 総合テレビジョンは、“生活に欠かせないチャンネル”として、「安全・安心」情報とともに、内外の政治・経済が混迷を深める中で必要な情報を提供し、たたかわせるべき論点を提起します。一方で将来を見越した安定的な公共放送への支持確保のため、デジタル化により大画面テレビの家族視聴が増えている実態を踏まえ、週末夜間を家族そろって楽しめる時間帯として刷新します。
 教育テレビジョン(Eテレ)は、青少年・子どもの健全な育成に資する番組、人々の知的関心に応える番組、文化・芸術の継承・発展に寄与する番組などを充実させて、教育放送に求められる役割の強化を図ります。土日夜間は、本格的な教養番組や文化・芸術の魅力をたっぷりと紹介する番組などを新設して、見応えのある編成を追求します。加えて、幼児・子ども向け番組やティーンズ向け番組、趣味・実用番組やシニア向け番組まで、各番組ゾーンの内容を充実させて、幅広い視聴者の期待に応えていきます。
 BS1は、「生放送にこだわったスポーツ」、「世界の今を伝える国際情報」、「報道の背景を深く掘り下げる番組」を中心とした編成で、さらなる視聴者層の拡大をめざします。特にスポーツソフトの充実に力を入れ、40・50代の視聴者層獲得をめざす新たなスポーツ情報番組を平日夜間に編成するほか、幅広い世代に支持されるスポーツ中継・番組の開発を進めます。また、国際的な展開を視野に入れたドキュメンタリーの開発、“放送と通信の連携”をさらに推し進めた番組、活字メディアとの連動を図る番組などを通じて、BS1の存在感を高めます。
 BSプレミアムは、“本物志向の教養・娯楽チャンネル”として、BSプレミアムならではの個性や魅力を追求し、競争力あるコンテンツをこれまで以上に充実し、幅広い層の視聴者の獲得を目指します。定時番組のさらなる充実を図り、圧倒的な訴求力と話題性をもった大型特集でBSプレミアムの存在感を高めます。先進的な演出方法やテーマにも挑戦し、新たなテレビ文化の創造に貢献します。
 ラジオ第1放送は、“安心ラジオ”としての機能を一層強化します。ニュースを拡充するとともに、平日の日中をはじめとして生放送の時間をさらに増やし、災害などの緊急時には、生命や暮らしを守る情報を迅速に伝えます。音声の基幹波として、幅広い世代から信頼と共感が得られるように、夜間を中心に生活情報や教養、娯楽番組など多彩で個性的な番組を編成します。また、ネットラジオ「らじる★らじる」をリスナー確保のための重要なサービスと位置づけます。インターネット上のサービスと連携した番組開発を進め、利用者の満足度を高めることでさらなる普及を目指します。
 ラジオ第2放送は、“生涯学習波”として、語学学習番組や教養番組などで、利用者の多様な知的関心に応えていきます。著名な作家の作品を題材にした新しい番組の開発により、教育・教養の分野の強化を図りながら、メディアの存在感の向上を図ります。24年度にリニューアルした語学学習番組は、内容の充実を図り、一層の定着と新しいリスナーの獲得を目指します。高校講座については、学習指導要領の改訂に合わせて計画的に内容の刷新を図っていきます。福祉番組や在日外国人向け番組などにも取り組みます。
 FM放送は、“総合音楽波”として多彩なジャンルの音楽番組を編成するとともに、聴きごたえのあるオーディオドラマを提供し、文化的で豊かな時間を過ごすためのパートナーを目指します。25年度は、個性的なパーソナリティーのトークと音楽観を楽しんでもらう深夜帯の番組ゾーンを刷新します。また、女性リスナーの心に寄り添う番組を新設するなど、土日の編成をさらに強化して、リスナーの満足感を高めます。災害など緊急時には、ラジオ第1放送と連携して機動的な編成を行い、地域情報波としてきめ細かなライフライン情報を提供します。
 本件が決定されれば、平成25年度国内放送番組編集の基本計画の議決にあわせて、平成25年1月15日開催の第1181回経営委員会に報告します。

(会 長)  検討段階では、BSプレミアムのクラシック番組についていろいろと意見があったようですが、編成計画ではどのようになりましたか。
(編成局)  BSプレミアムのクラシック番組には根強いファンも多いため、25年度も番組枠を減らすことのないよう配慮しました。BSプレミアムで月曜日(日曜日深夜)午前0時から放送の「プレミアムシアター」は、現在、毎月第1週には演劇を、それ以外の週にはクラシック音楽を放送していますが、25年度も同様に編成し、さらに第1週には、時刻表を見た際にわかりやすいタイトルを付けることとします。また、NHK交響楽団の海外公演や、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートなどの特集番組も、これまでと同様に編成します。
(上滝理事)  総合テレビの編集のポイントに「現代を深く掘り下げ、見ごたえのある番組を展開」とありますが、その一つ「NHKスペシャル」の大型シリーズについては、視聴者から大きな反響がありました。中でも、「シリーズ未解決事件」の「file.01グリコ森永事件」、「file.02オウム真理教」は、マスコミ各社からも高い評価を受けましたが、第3弾以降の制作は予定していますか。
(編成局)  今後も放送を計画しており、現在、題材についての取材を行っています。
(会 長)  原案どおり決定します。

(5)平成25年度国際放送番組編成計画
(国際放送局)
 平成25年度国際放送番組編成計画について、審議をお願いします。
 平成25年度国際放送番組編成計画は、平成25年度国際放送の放送番組編集の基本計画に基づき、放送番組の編成に関する具体的計画事項、放送番組時刻表、各放送番組の企画趣旨、部門別分類と放送時間および編成比率、使用言語別放送時間などの必要事項をまとめたものです。
 テレビジョン国際放送の英語による外国人向け放送(NHKワールドTV)については、日本時間午前2時台から7時台までの毎正時から15分間だった平日のニュースを、他の時間帯と同じ30分間に拡大・強化し、24時間いつでも最新の情報を伝えるとともに、北京発の中国情報の充実を図るのを はじめとして、海外の拠点からの発信を一層強化します。
 また、24年度に多様化した番組ジャンルのさらなる充実を図るとともに、視聴者の意向も踏まえながら各番組の改善を図ります。日本が強みを持つ産業技術の現場や、近年、日本人が世界的に活躍しているデザイン・建築分野を紹介する番組を新設し、ラインナップをより充実させます。さらに、東日本大震災からの復興と再生に向けた地域の取り組みや産業の動向、新しい生き方や社会のあり方を探る人々の姿を、ニュースや番組で海外に発信していきます。
 テレビジョン国際放送の日本語による在外邦人向けサービス(NHKワールド・プレミアム)については、1日およそ5時間、ニュースや情報番組を放送して、国内外の最新の情報を伝え、海外で暮らす日本人や旅行者の重要なライフラインとしての役割を果たします。震災からの復興と再生への取り組みを伝える番組のほか、海外の動きを伝えるニュース番組や地域発のドキュメンタリー番組を新設します。
 ラジオ国際放送(NHKワールド・ラジオ日本)の多言語による外国人向けサービスについては、地域の実情に合わせ、インドネシア語ではより聴きやすい時間帯に放送枠を移設するほか、ウルドゥー語で中波・FM波によるサービスを充実させます。衛星ラジオの直接受信が可能な地域に向け、英語、中国語、朝鮮語、ロシア語、タイ語、ベトナム語、ビルマ語、ベンガル語、ヒンディー語、ウルドゥー語の衛星ラジオサービスを実施します。また、災害などの緊急時には機動的な編成に努め、最新のニュースを的確・迅速に伝えます。番組では幅広い情報を多角的に伝えるなど、一層の充実を図ります。
 ラジオ国際放送の日本語による在外邦人向けサービスについては、独自に制作する日本語ニュースや海外安全情報に加え、国内の主要ニュース、時事番組、大相撲やプロ野球などのスポーツ中継、クラシックや歌謡曲などの音楽番組、ラジオドラマなどを国内と同時に放送し、日本の多彩な情報を伝えます。
 NHKホームページ上の「NHKワールド」のサイト、NHKワールド・オンラインについては、ニュースページを中心に改善を進めます。より情報性を高め、アクセス数増を目指します。また、番組情報をより充実させて、おすすめの番組をわかりやすく提示するなど、番組の視聴につながる取り組みを強化します。また、モバイル端末向けアプリやスマートTV向けアプリの開発・改善を積極的に進め、インターネットを通じて世界中で簡単に「NHKワールド」に接してもらえるよう最新のIT技術を活用します。
 本件が決定されれば、平成25年度国際放送番組編集の基本計画の議決にあわせて、平成25年1月15日開催の第1181回経営委員会に報告します。

(会 長)  25年度の編成計画は、今年度に比べて、より充実した内容となっていますか。
(国際放送局)  番組数を増やすだけでなく、産業技術の分野とデザイン・建築の分野を紹介する番組を新設するなど、番組ジャンルの充実を図ります。また、毎正時のニュースの時間を拡大して体制も整備するなど、24時間いつでも最新の情報を伝えていくようにします。
(会 長)  編成計画を公表する際には、そうした改善点についてわかりやすく説明するようにしてください。
 原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)2012年11月全国個人視聴率調査の結果について
(放送文化研究所)
 2012(平成24)年11月に実施した、全国個人視聴率調査の結果について報告します。これまであわせて報告していた全国接触者率調査は、メディアへの接触状況をより的確に把握するために調査内容の変更を検討しているため、今回は、全国個人視聴率調査についてのみの報告となります。
 この調査は、11月12日月曜日から18日日曜日までの1週間、全国の7歳以上の男女3,600人を対象に、配付回収法による24時間時刻目盛り日記式(個人単位)で実施しました。有効数は2,470人、有効率は68.6%でした。今回の調査週の状況としては、期間中の11月14日に、野田首相が党首討論で衆議院の解散を明言し、16日に衆議院が解散しました。
 総合テレビでよく見られた番組は、「NHKニュース7」と連続テレビ小説「純と愛」です。大河ドラマは、例年、上位にランクされますが、「平清盛」の視聴率は8.2%で、20位にとどまりました。また、衆議院解散関連のニュースの見られ方としては、14日は、午後の党首討論中継・記者解説から、枠を拡大した「NHKニュース7」、その後の「ニュースウオッチ9」まで、前年に比べ視聴率は高めに推移しました。16日も、衆議院解散中継から、大相撲中継を挟んで「ニュースウオッチ9」まで全般的によく見られ、前年に比べ視聴率は高めに推移しました。
 総合テレビの週間接触者率は61.5%で、過去最低だった2010(平成22)年より増加し、3年ぶりに60%台に回復しました。男女年層別に見ると、男60代・70歳以上では増加傾向にあるものの、接触の拡大に努めている男女40代の増加にはつながらず、視聴者層の広がりとしては、依然として厳しい状態が続いています。
 総合テレビの視聴状況は、午前については、平日(月〜金曜日)の平均・土曜日・日曜日ともに、男60代・70歳以上の高年齢層の接触者率が、前年より増加しています。特に平日の「NHKニュースおはよう日本」の6時台の視聴率が前年より増加しています。夜間(午後6時〜深夜0時)については、平日は「NHKニュース7」などのニュースや、「クローズアップ現代」、ドラマ「薄桜記」が、男女の60代・70歳以上によく見られました。また、土曜日の夜間については、午後7時台の「検索deゴー!世界遺産」や午後9時台の「土曜ドラマ 実験刑事トトリ」で男性を中心に視聴の広がりが見られ、男70歳以上に加えて男30代、男7〜12歳の若年層でも前年より接触者率が増加しました。しかし、土曜日の夜間は、民放でも親子で楽しめる番組を編成する局が多く、親子視聴をめぐる激戦地帯となっています。総合テレビでも親子を中心に幅広い視聴者に見ていただくために、息の長い取り組みが望まれると思います。
 Eテレの週間接触者率は、29.0%で前年より増加し、漸減傾向だった接触者率が少し回復を見せています。特に、男70歳以上では、「名医にQスペシャル」(土曜日)、「NHK杯囲碁トーナメント」(日曜日)、「NHK杯将棋トーナメント」(日曜日)、「テレビ体操」(月〜日曜日)などがよく見られ、この層の接触者率は39%と、前年の接触者率27%から伸びています。日曜日は、午後の接触者率が前年より増加し、特に森光子さんの追悼番組「放浪記」がよく見られました。女7〜12歳と13〜19歳には、ティーンズ層を対象とした午後6・7時台の「Rの法則」がよく見られています。この番組は、24年度に放送回数を週1回から月〜木曜日の週4回に増やしたもので、対象の層に定着を見せています。
 衛星放送は、自宅で見ることができると答えた人の割合は47.3%です。週間接触者率は、BS1が10.5%、BSプレミアムが12.2%で、いずれも前年から横ばいとなっています。BS1では、ワールドカップサッカーの予選中継が2%程度とよく見られました。BSプレミアムでは、連続テレビ小説「純と愛」や韓国ドラマ「王女の男」が2%を超えるなど、ドラマがよく見られています。特に週間接触者率が30%に達した女60代では、高位10番組のうちドラマが6番組を占めています。
 ラジオ各波の週間接触者率は、横ばいとなっています。ラジオ第1では、朝のニュースやラジオ体操などが、安定してよく聴かれています。

(副会長)  民放も含め、土曜日夜間の親子視聴に力を入れているという中で、その時間帯のNHKと民放を合わせた全局視聴率は、前年に比べて約3%下がっているようですが、過去の傾向についてはわかりますか。
(放送文化研究所)  個人全体の数字ですが、2007(平成20)年頃までは30%前後を維持していたのが、2008(平成21)年頃から30%を切るようになっており、若干、低下の傾向にあります。
(会 長)  BSの視聴率が好調と聞いていましたが、NHKの衛星計の数字を見ると、ここ数年は横ばいかわずかに減少しているように見えます。この数字はどのように見たらよいのですか。
(放送文化研究所)  これらの数字に有意差はありません。6月の調査では有意の増加もありましたが、全体の傾向としては、これまで安定的に伸びてきたものが、少し足踏みをしているという印象です。
(会 長)  前年の比較データは、同時期の調査のものですか。
(放送文化研究所)  季節的な要因で調査結果に若干の差が発生しますので、年ごとの推移を示す表では、各年同時期の数字を表記しています。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成25年 1月 8日
                     会 長  松 本 正 之

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