日本放送協会 理事会議事録  (平成23年10月18日開催分)
平成23年11月 4日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成23年10月18日(火) 午前9時00分〜9時30分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、永井技師長、金田専務理事、大西理事、
 今井理事、塚田理事、吉国理事、冷水理事、新山理事、石田理事、
 木田理事
 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1153回経営委員会付議事項について
(2)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(3)視聴者対応報告(平成23年9月)について

2 報告事項
(1)「放送局のちから」活動報告(平成23年9月)
(2)「NHK情報公開」の実施状況(平成23年度上半期)
(3)地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について

議事経過

1 審議事項
(1)第1153回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 10月25日に開催される第1153回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「次期経営計画について」、「『放送法第20条第2項第2号の業務の基準』の見直しについて」、および「中央放送番組審議会委員の委嘱について」です。また、報告事項として「地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について」、「視聴者対応報告(平成23年9月)について」、「『NHK情報公開』の実施状況(平成23年度上半期)」、「契約・収納活動の状況(平成23年9月末)」、および「平成23年度第2四半期業務報告」です。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(木田理事)
 中央放送番組審議会委員の委嘱について、審議をお願いします。
 青柳正規氏(国立西洋美術館館長)に、平成23年11月1日付で新規委嘱したいと思います。
 なお、家本賢太郎委員(株式会社クララオンライン代表取締役社長)は、任期満了により10月31日付で退任されます。
 本件が了承されれば、10月25日開催の第1153回経営委員会に諮ります。

(会 長)  原案どおり了承し、次回の経営委員会に諮ります。

(3)視聴者対応報告(平成23年9月)について
(視聴者事業局)
 放送法第27条に定める視聴者対応の状況について、平成23年9月分を以下のとおり取りまとめました。ついては、放送法第39条第3項の規定に基づき、10月25日開催の第1153回経営委員会に報告したいと思います。
 はじめに、台風15号関連の報道による大相撲中継の変更に関する反響を報告します。
 9月20日から21日にかけて、日本に接近・上陸した台風15号の情報を伝えるため、大相撲秋場所の中継をEテレのマルチ編成やBS1で放送する対応をとりましたが、これに対し、視聴者から多くの問い合わせや反響が寄せられました。まず、9月20日の大相撲中継については、午後5時から午後5時30分まで、Eテレのサブチャンネル(Eテレ3)に移設したところ、視聴者から「Eテレのサブチャンネルで大相撲を放送すると聞いたが、操作方法がわからない。NHKに問い合わせの電話をしても全然つながらない。もっと丁寧にわかりやすくリモコンの操作方法を説明すべきである」などの声が寄せられました。翌21日の大相撲中継では、前日の視聴者からの声を踏まえて、午後3時20分から午後5時まではBS1で、午後5時から午後6時まではEテレのメインチャンネルで放送したところ、今度は、「衛星放送が見られないので、地上波で放送してほしい」、「“Eテレ”がどのチャンネルなのかわからない」といった声が寄せられました。
 また、今回のように、台風などの災害報道により番組編成が大幅に変わるときは、EPG(電子番組表)に対する問い合わせも増える傾向があります。視聴者からは、台風により時々刻々と変わる放送予定に対して、「EPGの情報を早く正確に更新してほしい」などの要望が寄せられました。
 次に、連続テレビ小説「おひさま」に関する反響です。
 連続テレビ小説「おひさま」は、好評のうちに終了し、視聴者からの意見や問い合わせも合計1万1,000件を超え、60・70代の方を中心に多くの好評意見が寄せられました。ただし、「男性の髪型がおかしい」など時代考証に関する指摘をはじめとして、厳しい意見もありました。
 視聴者からの指摘や要望への対応について報告します。
 データ放送では、台風情報の予想進路などを放送していますが、視聴者から「台風の進路を示す予報円の線が太くて見づらい」、「台風の進路が分かりにくい」という意見が寄せられました。このため、予報円を細くなめらかに描くなどデザインを変更し、日付や時間の文字も予報円に重ならないように工夫しました。
 9月10日に放送したハーバード白熱教室 マイケル・サンデル 究極の選択 第2回「震災復興・誰が金を払うのか」では、英語の音声を日本語に吹き替えて放送したところ、視聴者から、「英語の音声も聞きたかった」、「2か国語で放送すべきだ」という意見が寄せられました。番組では、こうした要望を受け、来年の放送からは2か国語で放送することを検討しています。
 また、視覚障害者の方からの指摘・要望も寄せられています。パソコンの音声読み上げソフトを使用してNHKふれあいセンターにEメールを送ろうとしたところ、記入欄にパソコンのカーソルを移動させても「文字入力」としか読み上げられず、何を書き込めばよいのか分からないとの指摘がありました。そこで、記入欄にカーソルを移動させると、「名前の文字入力」、「メールアドレスの文字入力」など、具体的に記入する内容を読み上げるようにシステムを改修しました。
 NHKに寄せられた視聴者の声(意見・要望、問い合わせ)の総数について報告します。
 9月の視聴者の声(意見・要望、問い合わせ)の総数は、35万4,209件でした。分野別で見ると、9月は前月に比べて、放送番組に関する件数が約1万件増加した一方、受信料に関する件数が約3万件減少しています。
 9月は誤記・誤読などに対する指摘が72件(8月は55件)寄せられました。いただいた指摘については、番組担当者に連絡するとともに、再発防止に向けて、放送関係の部署で構成する放送倫理連絡会で周知し、放送現場へ注意を喚起しました。

(会 長)  原案どおり決定し、次回の経営委員会に報告します。

2 報告事項
(1)「放送局のちから」活動報告(平成23年9月)
(視聴者事業局)
 受信料支払率向上と接触者率向上の経営2目標の達成に向けた「放送局のちから」活動について、平成23年9月分を報告します。
 はじめに、平成23年度上期の視聴者満足(CS)向上活動の状況についてです。
 上半期の「放送局のちから」活動報告件数は1,011件(9月は119件)で、各放送局ともに「地域・社会貢献」、「視聴者層拡大」の取り組みに力を注いでいます。“ふれあいミーティング”については、上半期に全国で585回開催し、1万7,291人の方が参加しました(9月は131回、4,020人)。回数の増加とともに、内容の向上についても重点を置いており、各放送局では、40代以下の比較的若い視聴者とふれあう機会を増やす取り組みを行っています。また、“改善”に関する取り組みについては、上半期に428件(9月は72件)の報告がありました。今年度は“視聴者の声を受けた改善”に力を注いでおり、“改善”全体の取り組みのうち“視聴者の声を受けた改善”の割合は、24.3%となり、前年度より上昇しています。
 次に、各放送局の「放送局のちから」活動について紹介します。
 仙台放送局では、東日本大震災から半年が経過した9月に、仙台放送会館の見学コースの案内業務と、宮城県内の小学校5年生を対象とした放送体験「ようこそNHK」の収録を再開し、3週間で730人の方が見学コースを訪れました。また、ふれあいミーティングについては、仙台市内の仮設住宅で行われた公開生放送「ここはふるさと旅するラジオ」にあわせて行ったのをはじめ、5回開催し、延べ109人の方が参加されました。
 長野放送局では、連続テレビ小説「おひさま」と連動し、地元信州のPRを通じて地域の観光振興を図ろうと、イベントや長野放送局のホームページを利用したさまざまな活動を展開しました。「おひさま」のファンを“おひさまにあ”と命名し、寄せられたメールやお便りを、地域番組やホームページで紹介したほか、ホームページで募集した信州の魅力ある写真をドラマの最後で放送したことにより、ホームページへの月間アクセス件数は、それまでの倍の5万件になりました。また、長野県を訪れる観光客が大幅に増加し、ドラマの舞台である安曇野市に訪れる観光客数は、前年度比120%にのぼりました。こうした取り組みが評価され、長野県から長野放送局へ感謝状が贈られました。
 名古屋放送局では、放送開始から50年目の節目を迎えたドラマ「中学生日記」を、より多くの中学生に“自分たちの番組”として感じてもらおうと、4月から番組のホームページで“台本のタネ”を募集しました。これまでに、700件を超える投稿が寄せられ、このうちの約100件が番組中で紹介されました。また、番組の主役を全国から募集する“転校生シリーズ”を実施するなど、双方向型の番組制作に取り組んでいます。
 水戸放送局では、衛星放送の一層の普及を推進する活動、「キラッとBS☆一番星」を展開しています。9月は、茨城県鹿島市にゆかりのある剣豪の若き日をドラマ化したBS時代劇「塚原卜伝」の放送開始にあわせて、ドラマ出演者によるトークショーを地元鹿島市で開催しました。当日は、来場者に対して、デジタル放送の活用術をコント仕立てで紹介するなど、衛星放送の普及に取り組んでいます。

(会 長)  「連続テレビ小説」など、地域を舞台としたドラマを活用して地域の観光振興につなげる取り組みは、とてもよいと思います。

(2)「NHK情報公開」の実施状況(平成23年度上半期)
(視聴者事業局)
 平成23年度上半期の「NHK情報公開」の実施状況について、報告します。
 23年度上半期は、本部と全国の放送局で、来局と郵送を合わせて93件の情報公開の求めがありました。前年度同期と比べて40件増えています。このうち、「開示の求め」として受け付けたものが、13人の視聴者から62件ありました。これは、前年度同期より人数で2人、件数で40件増えています。一方、窓口対応や郵送により情報提供したものは31件で、前年度同期と同数です。「開示の求め」として受け付けた62件の分野別の内訳をみると、経営一般関係が24件、営業関係が23件と大半を占めています。「開示の求め」は、この1、2年増えていますが、不祥事により「開示の求め」が集中的に寄せられた平成16〜18年度に比べると、全体として減少傾向にあることは変わっていません。
 「開示の求め」に対しては、今年度の62件のうち、54件について上半期中に検討を終えました。その結果、情報を開示したものが33件、不開示としたものが19件、開示の求めの対象外が2件でした。対象外の2件については、情報提供を行いました。不開示とした19件のうち16件は、開示の求めに合致する文書が存在しなかったものです。
 23年度上半期の開示率は63%で、前年度同期の85%と比べると下がっています。13年7月にNHKの情報公開を開始してから23年度上半期までの累計の開示率は、69%となっています。引き続き、開示率の向上をめざしていきます。
(NHK情報公開・個人情報保護審議委員会事務局)
 続いて、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会(以下、「委員会」)の審議状況です。この委員会は、NHKが行った一部開示または不開示の判断に対して、視聴者から「再検討の求め」が出された場合に、中立的・客観的な立場からNHKの判断をチェックする第三者機関です。委員は5人で、会長が経営委員会の同意を得て、部外の有識者に委嘱します。任期は2年で、再任可能です。
 23年度上半期に「再検討の求め」の受け付けは17件あり、このうち3件は諮問せずに開示しました。委員会は、23年度上半期に6回開催され、前年度からの継続案件を含めて17件を審議し、このうち10件については、NHKの判断を妥当とする答申がありました。また、残り7件が審議中です。
 以上の内容については、10月25日開催の第1153回経営委員会にも報告します。

(会 長)  「開示の求め」の傾向について、どのように分析していますか。
(視聴者事業局)  全体の傾向としては、不祥事があった平成16年度に、200件を超える「開示の求め」が集中的に寄せられましたが、それ以降は、情報公開の制度が定着したことや、NHKに対する理解が向上したことなどにより、「開示の求め」の件数が、減少傾向にあると見ています。
(副会長)  もともとNHKに存在しないような文書に対して、「開示の求め」があった場合、結果として、不開示として取り扱うことになります。それによって開示率が下がってしまうことについては、違和感を持っています。
(視聴者事業局)  文書が存在しないものに対して、「開示の求め」があった場合、制度上、“文書不存在により不開示”として取り扱うことになっていますので、開示率が下がることに疑問はありますが、現状としてはいたしかたありません。ただ、該当する文書がなくて不開示とした案件についても、可能な限り、請求の趣旨に沿って丁寧に応える形で、情報提供するよう努めています。

(3)地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について
(木田理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について報告します。
 近畿地方で金山勉氏(立命館大学産業社会学部教授)に、中国地方で山田節子氏(児童書を楽しむ会つくしんぼ代表)に、平成23年11月1日付で新規委嘱します。また、関東甲信越地方で山崎嘉正氏(株式会社亀屋代表取締役社長)に、四国地方で植田貴世子氏(株式会社クラッシー代表取締役)に、同日付で再委嘱します。
 中国地方の柴田英杞委員(財団法人鳥取県文化振興財団文化芸術デザイナー)は、本人の申し出により、任期途中の10月31日付で退任されます。
 なお、関東甲信越地方の玉木正之委員(スポーツ&音楽ライター)と、近畿地方の立本成文委員(総合地球環境学研究所所長)は、任期満了により10月31日付で退任されます。
 本件は、10月25日開催の第1153回経営委員会に報告します。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成23年11月 1日
                     会 長  松 本 正 之

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