日本放送協会 理事会議事録  (平成23年 2月21日開催分)
平成23年 3月18日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成23年 2月21日(月) 午前10時00分〜10時50分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、永井技師長、金田専務理事、日向専務理事、
 溝口理事、八幡理事、大西理事、今井理事、黒木理事、塚田理事、
 吉国理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1137回経営委員会付議事項の変更について
(2)協会のラジオ放送が聴取しにくい状況の改善に資するため、その放送
   番組を放送と同時にインターネットを通じて一般に提供する業務の実
   施について (3)退任役員の退職金について (4)平成23年度組織改正について 2 報告事項 (1)放送受信料免除における更新手続きに関する意見募集結果について (2)契約・収納活動の状況(平成23年1月末) (3)財政の現況(平成23年1月末) (4)「平成23年度収支予算、事業計画及び資金計画」に付する総務大臣
   の意見について (5)地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について

議事経過

1 審議事項
(1)第1137回経営委員会付議事項の変更について
(経営企画局)
 あす2月22日開催の第1137回経営委員会に付議する事項の変更について、審議をお願いします。
 2月15日の理事会で審議、決定された事項に加え、議決事項として「退任役員の退職金について」を追加します。
 また、議決事項の「補完的措置としてラジオ3波の放送番組を放送と同時にインターネットを通じて一般に提供する業務の実施について」は、「協会のラジオ放送が聴取しにくい状況の改善に資するため、その放送番組を放送と同時にインターネットを通じて一般に提供する業務の実施について」に、報告事項のうち、「『放送受信料免除における更新手続き』の考え方への意見募集の結果について」は、「放送受信料免除における更新手続きに関する意見募集結果について」に、それぞれ議題名を変更します。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)協会のラジオ放送が聴取しにくい状況の改善に資するため、その放送
   番組を放送と同時にインターネットを通じて一般に提供する業務の実
   施について
(放送総局)
 NHKのラジオ放送については、夜間の外国電波混信、マンション等鉄筋コンクリート住宅の全国的な普及、家電製品等の各種機器から発生する不要電波等混信要因の増加などにより、聴取しにくい地域・場所が拡大してきています。こうしたラジオ放送が聴取しにくい状況の改善に資するための補完的な措置として、NHKのラジオ第1、ラジオ第2、FM放送(以下、それぞれ「R1」、「R2」、「FM」)の放送番組を、放送と同時にインターネットを通じて一般に提供する業務を、試行的に実施したいと考えます。本業務は、放送法第9条第2項第8号に規定する「放送及びその受信の進歩発達に特に必要な業務」として実施しますので、同法第9条第10項の規定により総務大臣の認可が必要となることから、認可申請に向けて審議をお願いします。
 インターネットを通じて提供する番組は、R1は東京から送信する関東広域向け放送、R2は東京から送信する全国放送、FMは東京から送信する東京都域向け放送です。ただし、全国放送番組の放送時に、R1において関東向けに、または、FMにおいて東京都向けに、全国放送とは別の地域放送番組を編成している時には、インターネットには全国放送番組を配信提供することとします。なお、インターネットでの配信提供は放送より遅延することや、権利上の理由等により、提供できない番組があります。
 インターネットを通じて受信できるエリアは国内に限定し、NHKホームページから受信していただきます。パソコンに限らず、インターネットにアクセス可能な携帯端末等でも利用可能とします。R1とR2はモノラル音声で、FMはステレオ音声で提供します。
 実施経費については、平成23年度は、業務開始時の初期設備整備費と6か月分の運用経費を合わせて1.4億円程度、24年度以降は、年間運用経費が0.8億円程度と見込んでいます。
 業務の実施時期については、平成23年10月ごろをめどに開始し、25年度末まで実施することとします。ラジオ放送が聴取しにくい状況の改善に資するための補完的措置として実施しますので、その目的に向けた有効性等について、アンケート等により検証・確認を行い、必要があれば、実施内容の変更・延長等のための認可申請を、あらためて行うこととします。
 以上の内容が了承されれば、あす2月22日開催の第1137回経営委員会に議決事項として提出し、経営委員会の議決が得られれば、総務大臣に認可を申請します。

(会 長)  原案どおり了承し、次回の経営委員会に諮ります。

(3)退任役員の退職金について
(総務局)
 平成23年1月24日付で退任した福地茂雄前会長と、1月29日付で退任した今井義典前副会長に対し、「会長、副会長および理事の退職金支給基準」に基づき、退職金を支給することとしたいと思います。
 本件が了承されれば、あす2月22日開催の第1137回経営委員会に議決事項として提出します。

(会 長)  原案どおり了承し、次回の経営委員会に諮ります。

(4)平成23年度組織改正について
(総務局)
 平成23年度の組織改正について、審議をお願いします。
 23年度は、テレビ放送の完全デジタル化という最大の経営課題を迎える年度であり、組織改正については最小限にとどめ、2つの事項について行うこととします。
 第1に、報道局に「スポーツセンター」を設置します。
 スポーツ報道業務の指揮系統や責任体制をより明確にするため、複数組織に混在している体制を見直し、新たに設置する「スポーツセンター」のもとに、一元的に再編します。「スポーツセンター」には、「スポーツニュース部」、「スポーツ番組部」、「スポーツ業務管理部」を設置し、現行の「報道局報道番組センタースポーツ部」のスポーツ取材やニュース業務を「スポーツニュース部」に、同じくスポーツ番組と中継業務を「スポーツ番組部」に移行します。また、「スポーツ業務管理部」については、「報道局スポーツ業務監理室」の業務を移行し、長期戦略の立案や放送権交渉・契約、オリンピックなど大型イベントへの対応を行うほか、「スポーツセンター」全体の庶務管理業務も担当し、引き続き、スポーツ報道全体を管理監督する体制を維持します。
 第2に、臨時職制として、「新放送センター建設検討事務局」を設置します。
 これは、東京・渋谷の放送センターの建て替えに向けて、必要な調査および調整等を行うため臨時に設置するもので、単独の局組織とします。「新放送センター建設検討事務局」には、事務局長を置くほか、「技術局建築施設部」から会館建設に関する業務の一部を移行するとともに、経理や放送についても必要な体制を整えます。部局総務機能は、経営企画局が担当します。設置期間は、当面、2年間を目途とします。
 以上の組織改正の実施時期については、23年度の管理職異動に併せて実施したいと考えます。

(会 長)  原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)放送受信料免除における更新手続きに関する意見募集結果について
(営業局)
 公的扶助受給者の方や市町村民税非課税の障害者の方等を対象に実施している放送受信料の免除制度をよりいっそう適正に運用するため、免除事由の継続について、自治体など免除事由の証明先への確認調査が実施できない場合に限り、あらためて免除申請書と理由の証明書等をNHKに提出していただく更新手続きの導入を検討しています。検討にあたって、1月25日の理事会決定に基づき、視聴者の皆さまからの意見募集を実施しました。その結果について報告します。なお、この意見募集は、視聴者の皆さまから有益なご意見をいただき、検討の参考にしようとするもので、個々の論点について賛否を問い、意見が多数の側に決定するものではありません。
 意見募集は、平成23年1月26日から2月8日までの2週間実施しました。期間中、NHKのホームページに募集のサイトを常時掲載したほか、放送や報道各社への発表を通じて周知した結果、57件の意見が電子メール(50件)やFAX(6件)、郵送(1件)を通じて寄せられました。
 おもな意見は、大きく5つに分類できます。それぞれに対してのNHKの考え方と併せて紹介します。
 1つ目は「NHKの案に賛成」という意見です。これについては、NHKの考え方を支持するものとして承ります。2つ目は「手続き漏れがないよう、運用面で工夫すべきである」という意見です。これについては、更新手続きの周知徹底や、十分な手続き期間の設定等、運用方法の工夫に努めていくことにしています。3つ目は「確認調査の実施に際しては、個人情報の取り扱いに留意すべきである」という意見です。確認調査の実施については、免除申請時に個人情報利用の同意を得るとともに、必要に応じて別途同意書を取得するなど、個人情報の取り扱いには十分に留意していきます。4つ目は「確認調査は証明先の負担が大きいことなどから、すべて更新手続きにすべきである」という意見です。これに対してNHKでは、証明先における確認調査は、免除を継続しようとする方の負担等を軽減できる方法であり、引き続き可能な証明先には調査を依頼していきたいと考えます。最後は、「更新手続きが困難な場合もあるので、現行のままにすべきである」という意見です。これに対してNHKでは、免除制度をよりいっそう適正に運用するために、更新手続きの導入は必要であると考えます。ただし、できるだけ免除を継続しようとする方の負担等を軽減するため、証明先における確認調査を依頼していくとともに、特段の事情がある場合については、別途対応等を検討していくことにしています。
 以上のように、意見募集の結果としては、NHKの考え方を支持する意見がある一方で、現行どおりの運用を求める声が一部あるとともに、証明先における確認調査に対する意見も寄せられていますが、NHKの考え方を十分に説明でき、また、運用において対応できる範囲のものと考えます。こうした理由などから、実施内容の骨格を変更する必要はないと判断します。個別の指摘については、今後の運用の中で、その趣旨を踏まえながら反映に努めていきます。
 この結果は、あす2月22日開催の第1137回経営委員会に報告した後、翌23日にNHKのホームページに掲載して公表します。公表にあたっては、募集の趣旨に沿って寄せられた意見は、要約したうえですべて掲載するとともに、分類が共通する意見に対し一括して、NHKの考え方を説明します。さらに、個人情報に関する部分は抹消したうえで、すべての意見をお客様窓口の「NHKハートプラザ」に備え置いて、閲覧できるようにします。


(2)契約・収納活動の状況(平成23年1月末)
(営業局)
 平成23年1月末の契約・収納活動の状況について、報告します。
 まず、放送受信契約総数の増加状況です。第5期(12月・1月)は、地域スタッフ(受信料の契約収納業務を委託している個人委託事業者)の新しい体制の定着に向け、契約・支払い再開活動へのパワーシフトに引き続き取り組みました。その結果、第5期の契約総数増加は、前年度同期を7.4万件上回る9.0万件、年度累計では、前年度同時期を19.6万件上回る
43.4万件(年間計画に対する進捗率124.0%)となりました。一方、障害者免除や公的扶助受給世帯などの増加による有料契約から全額免除への変更は、前年度同期を0.4万件下回り、年度累計では、前年度同時期とほぼ同数となっています。
 衛星契約増加については、年末商戦や完全デジタル化への準備などによる普及拡大に連動し、移動世帯の衛星放送受信の確認や地上契約から衛星契約への契約変更対策に取り組みました。その結果、第5期の増加は、前年度同期を5.1万件上回る16.9万件となり、年度累計では、前年度同時期を18.0万件上回る75.3万件(年間計画に対する進捗率115.8%)となっています。
 当年度の収納額については、第5期は1,102億円で、前年度同期より30.0億円の増収となりました。また、年度累計の収納額は5,398億円で、前年度同時期より125.5億円の増収となり、年間の増収計画107億円を上回りました。
 前年度受信料の回収額実績は、第5期で5.7億円、年度累計では62.3億円となり、前年度年間実績の62.0億円を上回りました。また、前々年度以前受信料の回収額実績は、第5期で8.5億円、年度累計では37.7億円となり、前年度同時期を大幅に上回りました。
 第5期末の支払い拒否・保留数は、22.9万件となり、最も多かった時期から105.1万件削減しています。また、未収数は、第5期に新たな発生が12万件あったのに対して支払い再開などにより18万件減少し、差し引き6万件削減しました。年度累計では21万件を削減し、現在数は210万件となりました。
 最後に、口座・クレジットカード支払いの増加数については、第5期は14.3万件、年度累計では62.7万件となり、前年度同時期を12.2万件上回りました。
 この内容は、あす2月22日開催の第1137回経営委員会に報告します。

(吉国理事)  未収の新たな発生は減ってきたようですが、口座振替率の低下も改善されてきているのでしょうか。
(営業局)  口座振替率については、前年度同時期と比べると、いまだ若干低下しています。未収数の削減が進んでいる要因は、新規の取り次ぎ時に口座振替支払いを申し込んでいただく契約の取次率が飛躍的に向上していることや、契約・収納体制の変更の効果が上がっていることなどにより、新たな未収の発生が減っていることにあります。以前からの未収が解決する件数で言えば、状況は変わっていません。
(吉国理事)  ということは、今期は有料契約から受信料全額免除への変更件数が減っていますが、まだ経済危機の影響が薄れてきたとは言えない状況ですか。
(営業局)  支払総数や契約取次数の増加状況を見ると、景気が若干よくなってきたということがあるかもしれません。しかし、全額免除への変更の発生件数は、いまだ高い水準にとどまっています。前年度は約18万件発生しましたが、今年度もほぼ同程度の件数に上ると見込まれます。ただ、生活保護の受給世帯は、昨年10月までは毎月9千件を超える増加があったのですが、11月は、発生数がいわゆるリーマンショック以前の規模に急減しています。まだ1か月だけの傾向ですが、今後どういう影響が出てくるのか、注視したいと思います。
(会 長)  活動全体を評価すると、第5期までは順調に進んでいると考えていいですね。第6期(2月・3月)の見通しはどうですか。
(営業局)  今年度上半期には相当厳しい状況もありましたが、地域スタッフや外部委託事業者の体制整備の効果などにより、下半期は当初見通しをかなり上回る業績を確保しており、そういう意味では極めて順調と言えます。第6期については、年度替わりにあたって世帯の移動が激しくなるため、例年、転居に伴う解約により契約総数がいったん減る傾向があります。その分、転居先で新たに契約してもらうことで、例年、新年度第1期(4月・5月)に契約総数が増えるのですが、今年度第6期については、単期でも契約総数を減らさないように、全力で取り組みたいと考えています。

(3)財政の現況(平成23年1月末)
(経理局)
 平成23年1月末の財政の現況について報告します。
 まず、予算の執行状況です。
 事業収入の実績額は5,680億円で、進捗率は83.7%と、1月末時点の標準進捗率83.3%(10か月/12か月)を上回り順調です。事業支出は5,426億円で、進捗率は標準進捗率を下回る79.2%と、堅調に推移しています。その結果、事業収支差金は、今年度予算ではマイナス61億円としていますが、1月末現在で254億円の黒字となっています。
 事業収入、事業支出それぞれのポイントについて説明します。
 事業収入については、受信料は、体制変更した地域スタッフ(受信料の契約収納業務を委託している個人委託事業者)や外部委託事業者等による契約・収納活動のいっそうの強化や、デジタル受信機の急速な普及に合わせた衛星契約勧奨活動の徹底などにより、契約総数増加と衛星契約増加のいずれも前年同月の実績を上回り、順調に推移しています。副次収入は、今後、コンテンツの二次使用料やイベント等の収入が見込まれるものの、映像商品の売り上げの減や出版不況等の影響などにより、進捗率がやや低くなっています。雑収入は、前々年度以前受信料の回収額の増加により予算額を大幅に上回っています。
 事業支出については、国内放送費は、「2010FIFAワールドカップ南アフリカ」と「2010広州アジア大会」の放送や、参議院議員選挙の報道など、今年度に予定されていた大規模な項目を終了し、全体として堅調に推移しています。契約収納費は、地域スタッフの体制を契約・未収対策にパワーシフトした成果が出て業績が向上したことに伴う手数料の増加のほか、法人委託の拡大や、未収者への文書対策の追加実施などにより、やや高い進捗率となっています。受信対策費は、デジタル化に伴う共同受信施設改修等に対する経費助成の決定に一定の期間を要することや、助成対象施設の減などにより、支出額が少なくなっています。今後は、ビル陰共聴施設等の受信環境インフラのデジタル化支援等に支出が見込まれます。人件費は、基準外賃金の減少により、やや低い進捗率となっています。
 次に、損益計算書による前年同月末との比較です。
 経常事業収支差金は、前年同月比で12億円増加し298億円の黒字、経常収支差金は、27億円増加し263億円の黒字、事業収支差金は、6億円減少したものの254億円の黒字となっています。
 経常事業収支差金の増加については、経常事業収入が受信料の増等により114億円増加したのに対して、経常事業支出は、「2010FIFAワールドカップ南アフリカ」や「2010広州アジア大会」の放送、参議院議員選挙の報道、緊急報道体制など取材体制の強化等による国内放送費の増や、新たな難視等への対応、デジタル化に伴う共同受信施設等への経費助成などによる受信対策費の増があったものの、経常事業収入の増加を下回る102億円の増加にとどまった結果です。
 経常収支差金の増加は、前々年度以前受信料の回収額等の増により雑収入が増加したことで、経常事業外収支差金が15億円増となった結果です。
 事業収支差金の減少は、固定資産売却益等の減により、特別収入が減少したことによります。
 続いて、貸借対照表による21年度決算との比較です。
 資産合計は8,587億円で、21年度決算から53億円の増となっています。これは、長期保有有価証券が、受信料前受金の増加、事業収支差金の発生などにより増加していることによります。一方で、有形・無形固定資産は、減価償却額が取得額を上回ったため減少しています。
 負債合計は2,702億円で、21年度決算から201億円の減となっています。これは、放送受信契約の契約総数・衛星契約の増加等により受信料前受金が増加している一方で、設備整備費関係の未払金が決算時点で大きくなる傾向があるため、その他の流動負債が減少していることなどの結果です。
 純資産合計では、1月末の事業収支差金の発生に伴い、21年度決算から254億円増加しています。自己資本比率は、21年度決算比で2.5ポイント増加して68.5%となり、引き続き健全な財務状況を維持しています。
 続いて、受信料の状況です。全体として順調に推移しています。
 契約総数増加は43.4万件、衛星契約増加は75.3万件となり、ともに前年度同時期の実績や年間計画に対する進捗率を上回っています。
 放送受信契約に基づき収納すべき債権額である、損益計算書上の受信料収入は5,553億円で、前年同月比で116億円増加しています。この額から欠損償却額を控除した、事業収支に計上する受信料収入は5,485億円で、前年同月比で118億円増加しています。1月末までに収納に至った受信料収納額は5,398億円で、前年同月比で125億円の増、今後の回収予定額は86億円で、前年同月比で7億円の減となっています。
 また、前年度受信料の回収額は、1月末で62.3億円となり、21年度決算実績の62.0億円を上回りました。前々年度以前受信料の回収額も、1月末で37.7億円となり、順調に回収が進んでいます。
 最後に、番組アーカイブ業務勘定の状況です。
 1月末の実績額は、事業収入が4.9億円、事業支出が17.2億円となっています。1月は、見逃し見放題契約が堅調に伸びるとともに、12月から開始した特選見放題契約が引き続き好調であったことから、売り上げは12月をさらに上回り過去最高となりましたが、事業収入の進捗率は40.4%にとどまり、事業収支差金はマイナス12.3億円となっています。
 この内容は、あす2月22日開催の第1137回経営委員会に報告します。


(4)「平成23年度収支予算、事業計画及び資金計画」に付する総務大臣
   の意見について
(経営企画局)
 NHKの「平成23度収支予算、事業計画及び資金計画」に付する総務大臣の意見が、2月8日の電波監理審議会への諮問・答申を経て取りまとめられ、この総務大臣の意見が付されたうえで、収支予算等が15日の閣議を経て国会に提出されました。この総務大臣の意見の内容について報告します。
 意見では、収支予算等について「受信料収入の増加と事業支出の伸びの抑制により3年ぶりの黒字予算を編成しており、また、テレビ放送の完全デジタル化への取組を徹底するものとなっているなど、妥当なものと認められる」としています。
 そのうえで、事業計画等の実施にあたって「特に配意すべき点」を、5項目にわたって挙げています。
 第1の「抜本的な経営改革」の項目では、「経営改革に組織を挙げて全力で取り組み、その成果を国民・視聴者に適切に還元すること」、「業務の合理化、効率化に努めること」、「協会(NHK)と子会社等との間の適切な業務委託や適正な人員配置などに留意し、全体として最適な経営の実現に努めること」、「職員一人一人の倫理意識の向上とコンプライアンス(法令等遵守)の確保のための取組について、実効性のあるものとなるよう、その徹底に更に努めること」などが挙げられています。子会社については、これまでも常に「配意すべき点」として挙げられていましたが、今回は「全体として最適な経営の実現」という表現となっています。
 第2の「放送番組の充実」の項目では、「災害その他の緊急事態の発生時における報道体制を充実・強化するとともに、災害時の放送確保に関する研究を推進すること」、「地方向けの放送番組の制作に当たっては、地方の自立に向けた取組に配慮すること」、「字幕放送や解説放送等の計画的かつ着実な充実を進めること」、「外部制作事業者の能力の積極活用に努めること」、「国際放送について(中略)、番組内容の充実や視聴地域・視聴者の拡大に努めること」などを挙げています。
 第3の「テレビ放送の完全デジタル化への取組」では、「本年7月のデジタルテレビ放送の完全移行に向けた取組に万全を期すとともに、アナログ停波後の対策にも積極的に取り組むこと」、「NHK共同受信施設のデジタル化、都市難視聴地域やいわゆる新たな難視地域における受信環境の整備において一層取組を強化すること」、「地上・BSアナログ放送終了に関する国民・視聴者へのきめ細かな周知・広報、受信者からの相談対応を徹底すること」、「地上デジタル放送日本方式(中略)の国際展開に取り組むこと」としています。アナログ停波後や、いわゆる都市難視、新たな難視など、具体的な課題への言及が今回の特徴と言えます。
 第4は「新しいメディア環境への対応」という項目です。この項目のくくりは、22年度にはなかったものです。この中では、「二次利用等コンテンツの積極的な流通促進への取組に努めること」、「NHKオンデマンドの利用者の利便性向上を図りつつ収支改善に一層努めることをはじめ、インターネットの活用についての検討・取組を促進すること」、「立体映像をはじめとする(中略)、新たな放送技術の研究開発に一層努めること」を挙げています。「インターネットの活用」や「立体映像」など、今日的なキーワードが盛り込まれています。
 最後の「受信料の公平負担の徹底等」では、「公平・公正で透明性の高い受信料の体系の在り方について、広く国民の意見を聞きながら幅広く検討すること」、「未契約者及び未払者対策を一層徹底すること」、「契約収納業務の経費削減に努めること」としています。
 この内容は、あす2月22日開催の第1137回経営委員会に報告します。

(会 長)  今までの意見と大きく変化した点はどこですか。
(経営企画局)  4番目に「新しいメディア環境への対応」という項目が立てられています。昨年までの意見では、放送番組の充実等に関する項目の中で、同じような内容に触れていたことはありましたが、今回、個別の項目として独立したことが新しい点です。その内容についても、「インターネットの活用についての検討・取組を促進すること」という文言が加わった点や、従来あった「新たな放送技術の研究開発に一層努めること」という文言の冒頭に、「立体映像をはじめとする」という具体的な言葉が付け加えられている点が、昨年までと変わっています。

(5)地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について
(日向専務理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について、報告します。
 四国地方で早川賢治氏(帯屋町筋商店街次世代委員会代表)に、平成23年3月1日付で再委嘱します。
 また、北海道地方の山本卓委員(北海道新聞社論説委員)は、本人の申し出により、任期途中の2月28日付で退任されます。
 本件は、あす2月22日開催の第1137回経営委員会に報告します。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成23年 3月15日
                     会 長  松 本 正 之

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