日本放送協会 理事会議事録  (平成22年 8月31日開催分)
平成22年 9月24日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成22年 8月31日(火) 午前9時00分〜9時35分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、永井技師長、金田専務理事、日向専務理事、
 溝口理事、八幡理事、大西理事、今井理事、黒木理事、塚田理事、
 吉国理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)平成22年度後半期の国内放送番組の編成について
(2)平成22年度後半期の国際放送番組の編成について

2 報告事項
(1)考査報告


議事経過

1 審議事項
(1)平成22年度後半期の国内放送番組の編成について
(編成局)
 平成22年度後半期の国内放送番組の編成について、審議をお願いします。改定のポイントは次のとおりです。
 まず、総合テレビの夜間の新番組について説明します。
 月曜日夜10時台は、10月18日から「プロフェッショナル 仕事の流儀」を放送します。さまざまな分野で活躍する一流のプロフェッショナルの仕事を徹底的に掘り下げるところが見どころのこの番組ですが、今年3月の放送をもっていったん休止してから半年間の充電を経て、あらためて放送を再開します。過去に放送してきた4年間の成果を踏まえ、ヒューマンドキュメンタリーとして、より一層充実した内容になるよう演出の変更を検討しています。この番組に続き午後10時55分からは、新番組「ドラクロワ」(10月4日から)を放送します。この番組の主人公は人生の折り返し点を迎えた40歳前後の一般の女性たちです。“見れば元気になる”を合言葉に、懸命に生きる“アラフォー”世代の女性たちを応援する新感覚の情報番組です。“ドラクロワ”とは、“ドラマチックな苦労話”から取った造語です。
 木曜日夜10時台は、10月7日から「ブラタモリ」が戻ってきます。街歩きの達人・タモリさんのユニークな目線と深い教養を軽妙な会話に乗せて、街の隠れた素顔を紹介します。この番組に続き午後10時55分からは、「サラリーマンNEO」の後続番組として「祝女」(9月30日から)を放送します。女性の本音をテーマにしたショートコメディー集で、恋愛観や結婚観はもちろん、“みえ”や“しっと”、微妙な人間関係など、表もあれば裏もある、女性たちの日常をユーモアたっぷりに描きます。
 金曜日夜8時台の関東甲信越地方向け地域放送番組については、「イキだね!わたしの東京時間」の後続番組として、10月1日から「キッチンが走る!」を放送します。キッチンを備えた車に、気鋭の料理人が乗り込み、関東甲信越の地産地消の食材を道々で探しながら、地元の人々に料理をふるまう旅とグルメの番組です。
 次に、ドラマの新シリーズについて説明します。
 9月27日から連続テレビ小説「てっぱん」を、「ゲゲゲの女房」の後続番組として放送します。大阪放送局の制作で、広島県の尾道から大阪を舞台に、お好み焼き屋を開業することになったヒロイン・あかりの奮闘を笑いと涙でつづる繁盛記です。
 大河ドラマは、来年の1月9日から「江〜姫たちの戦国〜」を、「龍馬伝」の後続番組として放送します。織田信長の妹であるお市の方を母とし、“日本史上最も有名な三姉妹”と言われる浅井三姉妹の三女に生まれた江(ごう)は、徳川第二代将軍・秀忠の正室となります。そして、娘は天皇家に嫁ぎ、息子は第三代将軍となります。そんな江の波乱と苦難の生涯を描きます。主演は上野樹里さんです。
 また、12月5日から26日までの日曜日午後7時30分〜9時は、スペシャルドラマ「坂の上の雲」を放送します。このドラマは、司馬遼太郎の原作をもとに、日露戦争とその時代を生きた明治の青春群像を、日本そして日本人のあり方を探りながら描きます。全13回を3年にわたって放送していますが、今年度は第2部として、第6回から第9回を放送します。第6回は「日英同盟」、第7回は「子規、逝く」、第8回は「日露開戦」、第9回は「広瀬、死す」です。
 さらに、日曜日夜11時台は、9月26日からドラマ「蒼穹の昴」を放送します。このドラマは、平成21年度後半期から今年度前半期にかけて衛星ハイビジョンで放送しましたが、今回、あらためて総合テレビで放送します。浅田次郎さんの原作をもとに清朝末期の中国の最高権力者であった西太后と運命的にかかわることになった2人の若者を中心に人間愛を描く歴史エンターテインメント・ドラマです。
 続いて、現在放送している番組の放送時間や内容の変更について説明します。
 土曜日午後10時〜10時45分に放送している「追跡!A to Z」は、放送時間を午後9時50分〜10時20分に変更し、コンパクトでより充実した内容とします。演出もスタジオからの解説ではなく、鎌田靖キャスターが追跡者という立場で現場を追いかけていく、切れ味のよいスピード感あふれるVTR構成に一新します。
 また、土曜日夜9時台の「土曜ドラマ」の枠は、特集編成の枠とします。ドラマシリーズはもちろんのこと、1話限りの特集ドラマ、「日本の、これから」、「NHKスペシャル」などのドキュメンタリーも含め、幅広い内容の番組を柔軟に編成する予定です。
 教育テレビについて説明します。
 10月3日から日曜日夕方6時台に「Eテレアカデミー」の放送枠を設けます。今年4月から6月にかけて放送した「ハーバード白熱教室」のマイケル・サンデル教授が今年8月に来日し、東京大学の本郷キャンパスで特別講義を行いました。この講義の模様を数回に分けて放送するほか、日本の大学教授が行っている個性的な授業を紹介する、日本版の“白熱教室”などを放送する予定です。
 また、土曜日午後11時45分からは、若者向けの趣味実用番組として、これまで音楽をテーマに「スコラ 坂本龍一 音楽の学校」や「佐野元春のザ・ソングライターズ」を放送してきましたが、10月から12月は個性あふれる美術館の楽しみ方を紹介する「ミューズの微笑み」を、1月から3月は誰もが抱く哲学的な問いに賢者が答えていくトーク番組「Q〜わたしの思考探究〜」を放送します。
 そのほか、海外連続ドラマの新シリーズとして、火曜日午後7時25分から「アイ・カーリー」(11月16日から)、土曜日午後11時から「カイルXY」(10月2日から)を放送します。また、アニメは、土曜日夕方6時台に「バクマン。」(10月2日から)と「GIANT KILLING」(9月11日から)を、同朝9時台に「メジャー6」(10月9日から)を放送します。
 衛星放送について説明します。衛星放送は来年度、放送波を現行の3波から新たなハイビジョン2波に大きく改編しますので、今回の改定は小規模にとどめました。
 衛星ハイビジョンでは、金曜日夜9時台に「私が初めて創(つく)ったドラマ」(10月1日から)を放送します。ドラマの演出経験のないディレクターからオリジナル脚本を募り、その中から15本を厳選し、執筆者自らに演出させます。また、土曜日夜9時台は「男前列伝」を放送します。俳優など現代の“男前”たちに、歴史上の魅力あふれる“男前”の生きざまを探ってもらいます。同時に2人の男前を見ることができるぜいたくな番組です。なお、この2つの番組は衛星第2テレビでも放送します。
 衛星第1テレビでは、プロ野球のシーズンオフや欧米の冬時間に伴い、年間を通しての定時性も確保しつつ、一部編成の見直しを行います。月曜日から土曜日の「おはよう世界」の放送時間を朝8時台まで拡大し、海外情報の拡充を図ります。また、テレビ国際放送の「China Wow!」を衛星第1の月曜日午後4時台に放送するとともに、日曜日午後5時台に放送している「Journeys in Japan」を水曜日午後4時台に移設して、国際放送番組ゾーンの拡充を図ります。さらに、現在は衛星ハイビジョンと衛星第2テレビで放送している「地球ドキュメント ミッション」の放送波を変更して日曜日午後6時台に移設し、国際性を強めます。そのほか、ワンセグ独自番組として放送した「思い出の鉄路」を放送するなど、各チャンネルとの連携も行います。
 衛星第2テレビでは、海外連続ドラマの新シリーズを始めます。火曜日夜11時台は「グッド・ワイフ」(10月5日から)を放送します。 このドラマは、州検事の夫が逮捕されたことをきっかけに、10数年ぶりに現場に復帰した“アラフォー”女性弁護士の活躍を描いたドラマです。また、水曜日夜11時台は、個性的なキャラクターたちが恋や仕事に全力投球する人気のコメディー「アグリー・ベティ4」(10月6日から)を、木曜日夜11時台は、緊急救命室を舞台に医師やスタッフの奮闘ぶりを描く人気ドラマ「ER XV 緊急救命室」(10月7日から)を放送します。ともに今回がいよいよ最後のシーズンとなります。「ER」では、出演者たちが15年を振り返る特集番組もあわせて放送します。
 ラジオ第1放送では、木曜日・金曜日に中継していたプロ野球ナイトゲームの終了に伴い、月曜日から金曜日を通して「私も一言!夕方ニュース」、「列島リレーニュース」、「地域のニュース・天気予報」等を放送するほか、木曜日夜8時台は「わが人生に乾杯」、金曜日夜8時台には「いとしのオールディーズ」を放送します。
 以上の報告内容が決定されれば、9月14日の第1125回経営委員会に報告事項として提出します。

(会 長)   「Eテレアカデミー」という放送枠名だけでは、少しイン
       パクトに欠けるかもしれません。新聞のテレビ番組欄などで
       は、視聴者の関心をひきつけられるよう、個別の番組タイト
       ルを工夫してください。
        また、日本にもすばらしい授業をされる大学の先生がたく
       さんいらっしゃると思います。ぜひいい方を選んで、視聴者
       に紹介してください。
(編成局)   人選については、鋭意リサーチ中です。
(会 長)   原案どおり決定します。


(2)平成22年度後半期の国際放送番組の編成について
(国際放送局)
 平成22年度後半期の国際放送番組の編成について、審議をお願いします。
 外国人向けテレビ国際放送(NHKワールドTV)では、2つの番組を新設します。ひとつは、週末の情報番組の強化として、「ASIAN VOICES PLUS」を日本時間の土曜日午前11時台に放送します。この番組では、アジア各国の著名人へのインタビューや異なる意見を持つ出演者の対論、ディベートなど多彩な形式で日本やアジアの声を世界に発信します。現在放送中の「ASIAN VOICES」に加えて、情報番組のさらなる充実を目指します。もうひとつは、総合テレビの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を英語版で放送します。さまざまな分野で活躍する一流のプロフェッショナルに密着するドキュメンタリー番組として、12月から土曜日午前9時台に放送します。
 邦人向けテレビ国際放送(NHKワールド・プレミアム)では、「大人ドリル」を総合テレビと同時にノンスクランブルで放送し、サービスの充実をはかります。NHK解説委員が、知っているようで知らない世の中の疑問を、クイズを交えながらわかりやすく解説するバラエティー番組です。
 ラジオ国際放送(邦人向け)の木曜日・金曜日の夜間は、プロ野球ナイトゲームの終了に伴うラジオ第1放送の後半期の番組を、同時放送します。
 そのほか、外国人向けラジオ国際放送では、ロシア語とアラビア語の放送時間を一部変更します。
 以上の報告内容が決定されれば、9月14日の第1125回経営委員会に報告事項として提出します。

(会 長)   原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)考査報告
(考査室)
 平成22年7月22日から8月24日にかけての期間に、ニュースと番組について考査した内容を報告します。期間中に、ニュースは19項目、番組は事前考査として29本、放送考査として22本の計51本を考査しました。その結果、これらの一連の報道や番組は、放送法や国内番組基準等の観点から「妥当」であったと判断します。この期間の大きな項目として、原爆の日、終戦の日に関連したニュースや番組が多数ありましたが、全体として視聴者から高い評価を受けました。モニターからも多くの好評な意見が寄せられています。
 まず、ニュースの考査結果について報告します。
 はじめに、原爆の日に関するニュースについての報告です。今年は広島の平和記念式典に、アメリカのルース駐日大使やパン・ギムン国連事務総長らが初めて出席しました。また、長崎の平和祈念式典には核保有国のイギリスとフランスの代表が広島に続いてはじめて出席しました。これを受けてニュースでは、核兵器廃絶の機運が国際的に高まってきていることに重点をおき、わかりやすく伝えていました。「核兵器のない世界による真の平和が世界のリーダーたちの責任だ」と述べた国連事務総長へのインタビューの放送もありました。さらに、被爆体験を継承する市民の活動を紹介するなど、被爆地のさまざまな動きについても多角的に伝えていました。
 次に、「韓国併合100年」という節目の年にあたって発表された菅総理大臣の談話についてです。8月9日の午後6時の「ニュース」では、菅内閣が翌日に首相談話を閣議決定する方針で最終調整に入ったとの独自情報を、ほかのマスコミ各社に先駆けて伝えていました。このニュースの中では、植民地時代に日本に渡った「朝鮮王朝儀軌」(朝鮮王朝時代の国家行事を記録した図書)の返還を盛り込む方向であることも伝えていました。しかし、翌日の首相談話の発表を受けての「ニュースウオッチ9」では、首相談話に“植民地支配が韓国の人々の意に反して行われた”という文言が盛り込まれたことを、ニュースの本記で伝えず、朝鮮半島問題に詳しい小此木政夫慶応大学教授のインタビューとして紹介していました。この“韓国の人々の意に反して”という文言が盛り込まれた、という部分が、今回の首相談話のポイントのひとつだったことを考えると、インタビューだけでなくニュースの本記でも伝えてほしかったと考えます。
 続いて、「終戦の日」に関するニュースについて報告します。終戦から65年目を迎えた8月15日、日本各地で戦没者慰霊の式典が行われました。ニュースでは、人間魚雷「回天」の訓練基地のあった山口県周南市で行われた追悼式や、強制疎開した人々がマラリアで亡くなった沖縄県の西表島で行われた慰霊の会、戦時中に流れ着いた機雷が爆発して、住民が犠牲になった惨事を紙芝居で語り継いでいる北海道北見市の市民グループなど、各地の活動を丹念に紹介していました。また、閣僚の靖国参拝について、菅首相と17人の閣僚がひとりも靖国神社に参拝しなかったことを反応とともに伝え、終戦の日に閣僚がひとりも参拝しないのは、政府が把握している昭和60年以降、初めてのことだと説明していました。
 そのほか、この期間に放送した3つのニュースについて報告します。
 各地で100歳以上の高齢者の所在不明が相次いでいる問題では、現状を伝えるとともに、住民登録が実情にあわなくなるケースについても、さまざまな具体例を交えて紹介していました。この問題については、その後も驚くようなケースが次々に明らかになっています。今後は、何が背景にあるのかの多角的な分析も含めて、継続して伝えてほしいと思います。
 また、記録的な猛暑となった今年の夏ですが、各地の猛烈な暑さの状況と熱中症の被害を連日伝え、対策についてもきめ細かく紹介していました。「この暑さはもはや災害と考えた方がいい。注意というよりも警戒が必要だ」という、「ニュースウオッチ9」のキャスターの言葉が印象に残りました。
 ニュースの項目の最後に、大韓航空機爆破事件の実行犯キム・ヒョンヒ元死刑囚が来日し、拉致被害者の家族と面会したニュースについての報告です。来日から面会までの一連の動きを、中継を交え詳しく伝えており、被害者家族の心情をよく理解できたと評価します。しかし、被害者の消息につながる新たな情報はありませんでした。政府がどのような判断でキム元死刑囚を来日させたのか、今回の面会にはどのような意味があったのか、結果をどう総括すべきなのか、もっと明確に伝えてほしかったと考えます。
 続いて、いくつかの番組の考査結果について報告します。
 NHKスペシャル「玉砕 隠された真実」(8月12日放送)は、昭和18年5月のアリューシャン列島アッツ島の玉砕の真実と、部隊を切り捨てた大本営の責任を、資料と証言から明らかにした番組でした。戦場での絶望と、そのあと生き延びたこの65年間の心のかっとうを語る兵士たちの証言は、短いながらもとても重く、あらためて戦争の不条理が伝わってきました。新たな証言を発掘し、アッツ島の戦いの真実を伝えた点でも大変意義深い番組だと評価します。この番組は、全体として戦争の指導者たちの責任を問うという内容でしたが、一方で、一億総玉砕の熱気に沸いた当時の国民の側のエネルギーをどう振り返るべきなのか、また、生還した元兵士の1人が今も「生きて還(かえ)ったことに苦しんでいる」と語っていましたが、彼らの心のかっとうを癒やすことのできなかった戦後日本社会の65年とは何だったのかなど、いろいろなことを考えさせられる内容でした。
 この夏、この番組も含め、証言と資料を掘り起こし、戦争を多角的に検証する番組を多く放送していました。戦後65年を経過して、戦争を体験した人々が高齢になり、証言を得ることが難しくなってきています。そのような状況の中、当事者が初めて口を開き、その証言によってこれまであまり一般に知られることがなかった事実を明らかにするという意欲的な番組は、いずれもモニターから高い評価を受けています。
 次に、将来の定時放送化の可能性を探る開発番組「終電。midnightPicNic」(8月20日放送)についてです。終電後の東京駅を出発して、周辺を散歩しながら深夜の大都会の表情を描き、その映像を眺めながら、男女2人がツイッター感覚の短い会話を交わすという趣向の番組でした。この番組の特徴は、女性モニターからの好評な意見が多く寄せられている点です。「会話に豊かな感性を感じた」、「東京以外の都会の夜も紹介してほしい」、「夜明けを見て新しい一日が始まる気分になった」などの感想が、女性モニターから寄せられました。都会の寂しい風景にツイッター感覚の取り繕わない会話が共鳴して不思議な世界をつくり出し、孤独感を癒やす新感覚の番組として可能性を感じさせられました。しかし演出のポイントがまだ絞られていないと感じさせる部分もあり、番組の定着に向けて、こうした課題を解消する必要があると思います。
 続いて、NHKスペシャル「日本と朝鮮半島」の5回シリーズの最終回「日韓関係はこうして築かれた」(8月1日放送)では、昭和40年の日韓基本条約締結に至る過程にあった、岸信介元首相とパク・チョンヒ元大統領による交渉の舞台裏を探りながら、条約成立の背景を多角的な取材と証言によって整理し、わかりやすく伝えていました。この条約では被害補償の問題や韓国併合の問題、竹島の領有権の問題が先送りされ、今も両国間の課題となっていることがよく理解できました。5回のシリーズを通して、歴史認識をめぐってさまざまな考え方が対立する問題を正面から取り上げ、日韓のバランスにも配慮しながら冷静に伝えていたと評価します。
 最後に、番組ホームページについてのモニタリング結果を報告します。考査室では、今年5月から、番組ホームページについて専門モニターによるモニタリングの試行を行ってきました。3か月の試行を経て、今回から毎月報告をまとめることとします。
 現在、NHKの公開ホームページに設けられている定時番組のホームページは242サイトありますが、今回は主に「NHKニュース おはよう日本」、「あさイチ」、「Bizスポ・ワイド」、「イキだね!わたしの東京時間」、「特報首都圏」、「首都圏ネットワーク」などの情報番組について重点的にモニターしました。全体の総括としては、「どのホームページも視聴者へのサービスを心がけ、親切で役立つ情報を掲載している。また、きちんと更新もされている。特に大きく注意を要するホームページはなかった」という報告です。ただ、公平さや、特定の企業や商品の宣伝になっていないよう配慮しているかという観点から見ると、いくつかのホームページ間で、紹介のしかたにばらつきがあり、商品や施設については、どの程度まで詳細な情報をホームページに載せることが妥当なのか、番組内容とホームページとの情報のすみ分けをどのように行うのかなど、その判断材料となる一定のガイドラインが必要だと思われるとの指摘がありました。これについては、今後、考査室としても関係部局と連携をとり検討を進めたいと考えます。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成22年 9月21日
                     会 長  福 地 茂 雄

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