日本放送協会 理事会議事録  (平成19年12月18日開催分)
平成20年1月11日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成19年12月18日(火) 午前9時35分〜11時5分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田専務理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、石村理事、西山理事、日向理事、溝口理事、八幡理事

 古閑監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項
1 審議事項
(1)第1058回経営委員会付議事項について
(2)平成20年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集
   の基本計画について
(3)平成20年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編成
   計画について

2 報告事項
(1)特別展「源氏物語の1000年−あこがれの王朝ロマン−」の実
   施について
(2)契約・収納活動の状況(平成19年11月末)
(3)財政の現況(平成19年11月末)
(4)平成19年11月全国個人視聴率調査の結果について
(5)2007年11月全国接触者率調査の結果について
(6)2007年12月放送評価調査の結果について
  

議事経過
1 審議事項
(1)第1058回経営委員会付議事項について
(秘書室)
 12月25日(火)に開催される第1058回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、審議事項として「平成20年度収支予算案の一部修正について」、「平成20年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集の基本計画について」、そして「『放送受信契約の締結拒否者に対する民事訴訟の実施に関する基本方針』について」、また、報告事項として「契約・収納活動状況(平成19年11月末)」と「財政の現況(平成19年11月末)」です。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)平成20年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集
   の基本計画について
(国際放送局)
 平成20年度の国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集の基本計画について審議をお願いします。
 平成20年度の国際放送番組の編集にあたり、放送法改正に鑑み、外国人向け国際放送と邦人向け国際放送を明確に位置づけ、特に外国人向けのテレビ国際放送を大幅に強化します。
 外国人向けのテレビ国際放送であるワールドテレビは、英語化率100%を達成するとともに、国際放送局独自制作のニュースや番組を拡充し、放送時間を大幅に増やします。英語ニュースについては、24時間毎正時に編成します。また、“アジア情報はNHK”という国際的なブランド力獲得を目指し、アジア各地に広がる総支局にリポーターを配置するなど取材ネットワークを強化し、中国、インドなど激動するアジアの情報をくまなく伝えます。
 英語番組では、政治や経済、伝統文化、世界の若者が注目する日本の最新ファッションやアニメ情報など、幅広いジャンルを網羅し、外国人向けの英語チャンネルとしての魅力を高めます。
 邦人向けのテレビ国際放送では、年度後半期からワールドプレミアムチャンネルを活用し、国内の主なニュースを伝えます。また、大津波などの時には、的確で迅速な情報提供に努めます。
 外国人向けラジオ国際放送では、17言語による放送サービスを維持しつつ、中波・FMによる再送信や衛星ラジオなど、地域の特性に応じたメディアを展開し、新たな聴取者層の開拓を図ります。
 邦人向けラジオ国際放送では、内容の充実・強化に努め、在外邦人の要望に応えます。
 世界の放送局が力を入れているインターネットについても、ニュース番組の動画配信や多言語での情報提供を充実させます。

(会 長)

 放送法改正が審議されている中、NHKとして、国際放送の編集の基本計画について、これまでとどう違うのか明確に分かるようにしなければなりません。説明にあった中で、例えば、テレビ国際放送の外国人向け放送と邦人向け放送の位置づけがはっきりしていない点など、さらに検討してもらいたい点がありますので、「平成20年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集の基本計画について」は、再度、審議することにします。


(3)平成20年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編成
   計画について
(国際放送局)
 平成20年度国際放送の放送番組編成計画については、平成20年度国際放送の放送番組編集の基本計画に基づき、各波の編成計画の要点を定め、部門別定時放送時間および比率などをまとめるものです。先ほど、「平成20年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集の基本計画について」、会長から再検討するように指示がありましたので、それに合わせて審議事項として改めて諮りたいと思います。

(会 長)  改めて、審議することにします。



2 報告事項
(1)特別展「源氏物語の1000年−あこがれの王朝ロマン−」の実
   施について
(視聴者サービス局)
 特別展「源氏物語の1000年−あこがれの王朝ロマン−」の実施について報告します。
 『源氏物語』は、作者本人の『紫式部日記』により、寛弘5年(1008年)には宮中で読まれていたことが分っています。2008年はそれから1000年の節目にあたり、この機会に特別展を実施します。源氏物語は、平安期から絵に描かれ、源氏絵と呼ばれる物語絵や障屏画等も生まれました。近世に入ると、王朝人の生活や文化へのあこがれが強まるとともに印刷技術の飛躍的な発展もあり、注釈書や翻案本なども盛んに刊行され、幅広い階層の人々に受容されていきました。
 この展覧会では、平安期から現代にいたるまで、源氏絵や『源氏物語』、紫式部にまつわる図像の系譜について、近世、近代の展開に主眼をおいて辿り、1000年の長きにわたり人々を惹きつけてきた『源氏物語』の魅力に迫ります。
 会期は2008年8月30日(土)から11月3日(月)までの57日間で、会場は横浜美術館です。展示作品は、国宝・紫式部日記絵巻(五島美術館蔵)ほか約200点を予定しています。この展覧会に関連して、首都圏において自治体との共催による講演会、また、子ども等を対象としたワークショップを実施する予定です。
 なお、この展覧会の模様は、「新日曜美術館」等で放送する予定です。


(2)契約・収納活動の状況(平成19年11月末)
(営業局)
 19年11月末の営業業績について報告します。
 まず、放送受信契約の総数についてです。第4期(10月・11月)は、4.1万件の増加で、年度累計では23.6万件の増加となり、19年度目標を上回りました。
 また、衛星契約は、8.5万件増加し、年度累計では33.0万件の増加となりました。
 次に、第4期における支払い拒否・保留数は、新たな発生数が2千件、一方、支払い再開数は訪問活動の徹底や文書対策を実施した結果、2.0万件で、増減数としてはマイナス2.9万件、累計では71.2万件となりました。
 当年度収納額は第4期1,044億円で、前年度同期より24.5億円の増収となりました。また、年度累計では4,133億円となり、前年度同期より127.9億円の増収となりました。


(3)財政の現況(平成19年11月末)
(経理局)
 19年11月末の財政の現況について報告します。
 収支の施行状況について、事業収入は4,339億円で施行予定額を106億円上回っています。また、昨年同月比では、受信料収入と受取利息等により114億円の増加となっています。事業収入の大半を占める受信料収入は4,163億円で、契約総数・衛星契約の増加等により、施行予定額を76億円上回り、昨年同月末と比べて127億円の増加となっています。
 一方、事業支出は4,089億円で、施行予定額を115億円下回っています。また、昨年同月比では、人件費・契約収納費等は減少し、国内放送費が増えて、全体では45億円の増加となっています。
 主な設備契約(2億円以上)の今回の報告は、10月、11月は3件で、そのうちの1件は随意契約です。随意契約である理由は、放送機更新に伴う局舎増築工事のため、技術的な面と施工管理能力などで対応できる業者が他にないためです。


(4)平成19年11月全国個人視聴率調査の結果について
(放送文化研究所)
 11月の全国個人視聴率調査の結果について報告します。
 調査は11月12日(月)から18日(日)までの1週間、全国7歳以上の5,400人を対象に、配付回収法による24時間時刻目盛り日記式(個人単位)で実施し、有効数は3,645人、有効率は67.5%でした。なお、この調査による1%あたりの視聴者数は118万人です。
 この調査期間のうち、15日(木)には、国会で午前には山田洋行社長の参考人質疑、午後には守屋前防衛事務次官の証人喚問が行われました。
 まず、テレビ視聴の概況について説明します。
 NHKと民放を合わせた1日のテレビ視聴時間は、3時間53分でした。内訳は、NHK総計が1時間5分、民放総計が2時間48分となっています。視聴時間の傾向はこの10年間ほとんど変化していません。
 次に、1週間に少しでもそのチャンネルを見た人の割合である週間接触者率についてです。総合テレビの週間接触者率は60.4%で、前年の62.6%に比べて低くなりました。また、衛星全体では16.8%で、前年の16.5%とほぼ同様でしたが、長期的に見ると漸増しています。NHKのテレビ全体では69.6%、ラジオを入れたNHKの8波全体では72.2%でした。
 また、総合テレビの週間接触者率の長期推移を見ると、漸減傾向にあります。総合テレビの男女年層別の週間接触者率については、男性の40代が49%と前年の59%に比べて減少しています。
平日の総合テレビの30分ごとの平均視聴率を見ると、前年に比べて、「スタジオパークからこんにちは」の視聴率が高くなるなど、午後1時台から2時台で増加しました。
 総合テレビでよく見られている番組は、「NHKニュース7」、大河ドラマ「風林火山」、朝の連続テレビ小説「ちりとてちん」などとなっています。
 平日の「NHKニュースおはよう日本」は、6時台前半は5.6%、6時台後半は7.8%、7時台が9.4%です。男女年層別では、男性60代以上、女性70歳以上でよく見られています。また、6時台(前半・後半)は男性50代、7時台は女性60代にもよく見られています。
 「ちりとてちん」は、12.2%で、前年の「芋たこなんきん」とほとんど変わっていません。男女年層別では、男性70歳以上、女性60代以上によく見られています。
 夜の主なニュースについては、「ニュース7」が12.4%、「ニュースウオッチ9」が6.4%と前年とほぼ同様で、いずれも男性女性とも60代以上によく見られています。「ニュースウオッチ9」は男性50代にもよく見られています。午後の11時台の「スポーツ&ニュース」は昨年の同時間帯の視聴率と変わっていません。
 平日夜間の総合テレビでは、午後7時台から11時台の1時間ごとの平均にすると視聴率は前年とほとんど変わっていませんが、「木曜時代劇・風の果て」の6.4%、「プレミアム10・恋うた2007」の3.3%などが、前年同時間帯より増加しています。
 土曜・日曜の主な番組のなかで、「スペシャルドラマ・海峡」は6.2%で、前年同時間帯に比べ高くなり、男性70歳以上と女性50代以上によく見られました。「北京バイオリン」は1.6%で、前年の「宮廷女官チャングムの誓い」より減少しました。大河ドラマ「風林火山」は13.2%で、前年の「功名が辻」より減少しました。また、NHKスペシャル「吉永小百合」は7.3%で、前年同時間帯に比べ高くなり、男性60代以上、女性50代以上によく見られました。
 教育テレビでよく見られた番組は「アニメ忍たま乱太郎」、「アニメおじゃる丸」、「アニメメジャー」、「天才てれびくんMAX」などとなっています。
 衛星第1では「BS世界のドキュメンタリー 知られざるヒマラヤ」などが、衛星第2では「ちりとてちん」、「都の風」、「宮廷女官チャングムの誓い 完全版」、「BS日本のうた」が、また、衛星ハイビジョンでは「風林火山」などがよく見られました。
 ラジオ第1でよく聞かれた番組は、午前6、7時台のニュース・スポーツニュース、ラジオ体操などとなっています。


(5)2007年11月全国接触者率調査の結果について
(放送文化研究所)
 2007年11月全国接触者率調査の結果について報告します。
 この調査は、デジタル化の進展に伴い放送以外のさまざまな媒体による番組提供が進む中、従来の視聴率調査ではとらえられない、インターネットなど放送以外の媒体による番組への接触も含めたメディアへの接触状況を測ることを目的とし、放送以外の媒体を含めたNHK全体の1週間のリーチ(接触者率指標)を把握するものです。
 リーチは、一定期間(この場合は1週間)に特定の放送局やメディアに接触した人の割合を示す指標で、接触者率と同じ概念ですが、この調査では、全国個人視聴率調査による接触者率と区別するため、リーチという言葉を使います。
 この調査の留意点として、以下の3点が挙げられます。  
1  この「全国接触者率調査」と「全国個人視聴率調査」とは調査方法が異なるため、両調査の結果を直接比較することはできません。両調査とも各放送波の接触者率がでますが、1つの調査内の数値の大小を比較することはできても、両調査間で比べることはできません。
1  各放送波の接触者率の分析は、原則としてこれまでどおり「全国個人視聴率調査」に基づいて行い、NHK全体リーチ、放送外リーチについて「全国接触者率調査」で分析します。
1  今後調査を重ねることでリーチの変化を見ていくことができるようになりますが、今回は1回目の調査であり、改善のために調査項目などを変更することがあります。
 調査は、11月12日(月)から18日(日)までの1週間、住民基本台帳から層化2段無作為抽出した全国7歳以上の3,600人を対象に、配付回収法により、NHK、民放の各放送の視聴の有無、録画した番組やDVD・ビデオ・CDの視聴の有無、インターネットによるNHK番組などの利用の有無などについて、1日単位で5分以上視聴・利用したかどうかを記入していただくものです。有効数は2,531人、有効率は70.3%でした。
 調査結果の概要について報告します。
 NHK全体リーチ(放送、放送以外を問わず、NHKに接した人の割合)は75.6%でした。20代以上では、年齢が高くなるほどNHK全体リーチも高くなる傾向になっています。NHKの放送外リーチは19.2%、NHKの放送のリーチは74.6%でした。放送外では、録画再生が9.8%、NHKオンラインなどのNHKサイトが5.3%などとなっています。
 NHKの放送と放送外への接触という点からみた結果は、NHKの放送だけに接触し、放送以外では接触しなかった人の割合(放送のみ)が全体の56.4%、放送と放送外両方に接触した割合(放送と放送外両方)が18.2%、放送には接触しなかったが、放送外で接触した割合(放送外のみ)が1.0%で、NHKに全く接触しなかった割合(NHKの放送、放送外ともになし)が24.4%でした。放送外のみを年層別でみると、どの年層も5%に満たないものの、13〜19歳、20代、30代では比較的高くなっています。
 放送のオンエアー時にNHKを視聴しているのか録画して後から再生してNHKを視聴しているのかという点からみると、オンエアー時のみが65.2%、オンエアー時と録画再生両方が9.4%、録画再生のみが0.4%、いずれもなしが25.0%でした。オンエアー時と録画再生両方について年層別でみると40代以上で10%を超え、特に50代では13%と高くなっています。録画再生のみについては、どの年層でも1%以下と低くなっています。
 ワンセグが見られる携帯電話の所有者の割合は10.3%となっており、13〜19歳から40代までの所有率が高くなっています。ワンセグで地上波(NHKの総合テレビ・教育テレビおよび民放)を見た人の割合は1.4%でした。年層別では30、40代で高くなっています。ワンセグ所有者を分母とした場合のワンセグリーチは10%で、総合テレビ4%、教育テレビ1%、民放9%でした。


(6)2007年12月放送評価調査の結果について
(放送文化研究所)
 2007年12月放送評価調査の結果について報告します。
 放送評価調査は、NHKの放送に対する視聴者の評価を把握するためのもので、今回は先月30日(金)から12月2日(日)までの3日間、電話法(RDD追跡法)により、全国の20歳以上の男女1,819人を対象に実施し、1,159人(63.7%)から回答を得ました。
 調査項目は、全体評価としては「信頼(NHKの放送を信頼しているか)」、「満足(NHKの放送に満足しているか)」、「親しみ(NHKの放送に親しみを感じているか)」、「独自性(NHKの放送は民放にはない特色があると思うか)」、「社会貢献(NHKの放送は社会の役に立っていると思うか)」の5項目です。また、側面別評価として「正確・公平(事実を正しく、公平に伝えている)」、「生命・財産を守る(災害、大事件、大事故のニュースをいち早く伝えている)」、「娯楽性(楽しんだり、リラックスしたりする番組を放送している)」、「知識・教養(知識や考えを深める番組を放送している)」、「実用性(仕事や生活に役立つ番組を放送している)」、「地域への貢献(地域に役立つ番組を放送している)」、「文化の継承・発展(伝統文化の継承や、新しい文化の発展に役立つ番組を放送している)」、「福祉(お年寄りや障害を持つ人々のための番組を放送している)」、「教育(子どもや青少年のためになる番組を放送している)」、「国際理解(国際理解に役立つ番組を放送している)」の10項目を掲げています。
 調査結果は、全体評価では「信頼」と「社会貢献」が60%以上で評価されており、他の項目に比べて高くなっています。一方、「親しみ」は47%と低くなっています。また、側面別評価では「生命・財産を守る」が70%と最も高く、次いで「知識・教養」が66%となっています。一方、「地域への貢献」が40%、「娯楽性」が38%に留まっています。全体評価、側面別評価とも、年齢が上がるほど評価が高くなっています。「親しみ」については、20代では24%に留まっていますが、70歳以上で65%となっています。ただし、「生命・財産を守る」と「知識・教養」については、20代でも60%以上となっていて、全ての年層でおおむね安定した評価を得ています。「娯楽性」や「地域への貢献」については、70歳以上で50%を超えているものの20〜40代では20〜30%台に留まりました。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成20年 1月 8日
                     会 長  橋 本 元 一

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