日本放送協会 理事会議事録  (平成19年7月31日開催分)
平成19年9月7日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成19年7月31日(火) 午前9時00分〜10時30分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田専務理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、石村理事、西山理事、日向理事、溝口理事、八幡理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。


付議事項
1 審議事項
(1)「平成19年度 放送番組補完インターネット利用計画」の一部追加
   について

2 報告事項
(1)監査結果報告
(2)19年6月のCS(お客さま満足)向上活動報告
(3)日本放送協会健康保険組合 平成18年度収入支出決算について
(4)放送番組審議会議事録(資料)

議事経過
1 審議事項
(1)「平成19年度 放送番組補完インターネット利用計画」の一部追加
   について
(編成局)
 「平成19年度放送番組補完インターネット利用計画」の一部追加について審議をお願いします。
 平成19年度の利用計画は今年2月に公表していますが、視聴者の意向、要望等を踏まえ、特集番組の新設等にあわせ、放送番組の二次利用や関連情報を提供する番組を充実させるため、この計画に11番組を追加したいと考えています。
 追加する番組は次の11番組です。

  • 報道局「海外ネットワーク」
  • 制作局「デジタルスタジアム」、「デジスタ・プチ劇場」
  • 制作局「サラリーマンNEO Season2」
  • ラジオセンター「土曜あさいちばん『著者に聞きたい本のツボ』」
  • ラジオセンター「きらり10代 あこがれ仕事百科」
  • ラジオセンター「きらり10代 悩み相談」
  • ラジオセンター「地球ラジオ」
  • 神戸放送局“いのちを守る放送局”キャンペーン
  • 和歌山放送局「わかやまNEWウエーブ『わかやま防災ファイルNET』」
  • 和歌山放送局「FMパワーステーション『和歌山の民謡』」
  • 室蘭放送局「いぶりDAYひだか 放送体験クラブ」

 なお、「地球ラジオ」は、すでに番組の二次利用を計画に盛り込んでいますが、今回、新たに番組関連情報の提供を追加するものです。
 番組を追加することで新たに必要となる経費は500万円程度と見込んでいます。

(会 長)  原案どおり決定します。


2 報告事項
(1)監査結果報告
(監査室)
  東北地方の6放送局と四国地方の4放送局の監査結果の概要について報告します。監査は5月下旬から7月上旬にかけて実施しました。
 まず、仙台放送局は、全局プロジェクト「アクティブ青葉」を立ち上げ、大学生とのふれあい活動を定期的に実施したり、1つの地域で公開番組やイベントを集中的に開催するなど、視聴者のみなさんと交流を深めました。また、音楽番組「伊達者音楽闘技場」では、グランプリ決定にあたり、データ放送、インターネット、携帯電話などによる投票方法を活用するなど、若者層とのコミュニケーション向上にも効果をあげています。18年度を「地域放送ルネサンス」として金曜夜をその中核として位置づけて、新設した3つの東北ブロック番組(「こんぱす 東北の課題」、「なっトク!古今東北」、「ワンダフル東北」)は、19年度には昨年より12本多い37本の制作を予定しており、いっそうの地域放送の充実に努めています。
 次に、秋田放送局は、秋田県が抱えるさまざまな課題を見つめてきました。クローズアップ東北「つらさを共に見つめて」〜精神科医・稲村茂さんの日々(18年7月21日放送)では、自殺予防に取り組む医師の姿に迫りました。また、19年度は地域番組を大きく改編し、毎月第1金曜日午後7時30分からの「クローズアップあきた」を「あきた・よる金」と改め、73分サイズに拡大し、課題を掘り下げるなど、地域放送のよりいっそうの充実に努めています。20年3月に運用開始予定の新放送会館は、デジタル時代の「新しい放送サービスの拠点」と「開かれた放送局」を目指しています。
 山形放送局は、18年度に午後5時台を短縮して、午後6時台の「やまがたナビゲーション」と金曜夜の地域放送番組の充実を図りました。19年度には、午後6時台のタイトルを「やまがたニュースアイ」に変更し、キャスター、リポーターも一新するなど強化しています。特に6月以降は、ニュース性の高い中継や地域の課題に向き合うリポート企画など、コーナーの内容を充実させて番組全体の質を向上させました。また、オール山形弁の「今夜はなまらナイト」をラジオ第1で19年1月と5月に県域で生放送したり、若手職員の企画により、公開番組やイベントの参加者をデジカメで撮影し、30秒スポット「笑顔をつなぐNHK」で放送するとともに公開ホームページにも掲載するなど、新しい発想を生かした工夫もしています。
 盛岡放送局は、宮城県沖地震などで予想される津波に対する防災を最重要課題と位置づけ、午後6時台の「おばんですいわて」や「クローズアップ・東北」で積極的に取り上げています。18年9月に、クローズアップ東北「津波地震に迫る〜明治三陸津波から110年」を放送し、津波地震から身を守るためには何が必要か改めて考えました。また、連続テレビ小説「どんど晴れ」の放送に先立つ18年7月に全局体制の「どんど晴れプロジェクト」を立ち上げ、番組パネル展、地元紙と連携などを通じて地域おこしと地元に役立つNHKを実践しています。たとえば、県内の旅館のおかみさんが、番組や地域を応援する「30秒メッセージ」を、5月下旬から2週間、「どんど晴れ」放送直前のスポット枠で放送しました。
 福島放送局は、18年9月に明らかになった公共工事をめぐる談合事件に端を発した一連の事件報道、選挙報道を的確に実施しました。10月にはクローズアップ現代「福島談合・腐敗の構図」を全国放送しました。また、午後6時台の「はまなかあいづ Today」は、17年度後期以降視聴率が高くなっており、民放を含めて同時間帯でトップを維持しています。
 青森放送局は、18年3月から始まった六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の試運転を機に、「緊急取材パック」(携帯FAX、救急セットなど緊急報道時に持ち出す備品類)の整備や「緊急報道ハンドブック」の改訂を行い、安全かつ迅速な取材体制を整えています。また、青森県の課題である医師不足の現状について、継続的に取材し、「地域発金曜特集・崩壊する医療体制」で全国放送し、夜間救急患者の受け入れを拒む病院からの中継を交えて、地域が抱える問題の深刻さを伝えました。地上デジタル放送開始1周年を記念して、カーリングの「チーム青森」が出場した12月の日本代表決定戦、3月の世界女子カーリング選手権大会の模様を、地上デジタル放送のサブチャンネルを使ったマルチ編成で独自に生中継するとともに、青森市内の会場で受信公開を行うなど、地上デジタルの普及促進に努めました。
 松山放送局は、テレビ放送開始50周年を機に、地元とふれあう多彩なイベントを19年1月から展開しました。5月には県内すべての市町から中継を交えて7時間のテレソンも実施し、松山市商店街で「思い出に残るテレビ番組大アンケート」を実施したり、地元西条市出身のテノール歌手・秋川雅史さんのドキュメントを放送しました。このドキュメントは、全国とブロックで再放送しました。夕方の地域情報番組「いよかんワイド」の6時台では、視聴者に関心が高いテーマを掘り下げたシリーズ企画や丁寧な記者解説が好評でした。また、臓器売買事件や病気腎移植問題、伊方原発のプルサーマル受け入れやいじめ自殺など、相次いでスクープを全国発信しました。
 高知放送局は、18年度は、午後5時台から金曜夜に制作パワーをシフトし、午後7時30分から県域番組「とさ金」(25分)をスタートしました。「高知のあすが見えてくる」をキャッチフレーズに、73分のスペシャル版4本を含む31本を制作しました。19年度、地域の活性化に向けた“土佐を元気にキャンペーン”を展開し、過疎、高齢化、医師不足、若者の就職難など高知が抱える課題に取り組んでいます。県内3,000人の地区長にアンケートを行い、浮き彫りにされた地域の現状や課題を6月に1週間、「とさ金 ふるさとの叫び〜高知県全地区アンケートより」などで紹介しました。また、18年の大河ドラマ「功名が辻」の放送にあわせて、関連の番組・イベントを実施しました。
 徳島放送局は、“量から質へ”をキーワードに夕方の「ニュースとくしま610」と金曜夜8時台の地域番組に力を注いでいます。19年度からは月1回金曜夜8時台に「阿波スペシャル」を放送し、地域放送の充実に努めています。また、徳島県は、糖尿病による死亡率が13年連続で全国最悪になり、県が「糖尿病緊急事態宣言」を出したことを受けて、放送やホームページなどで糖尿病予防キャンペーンを展開しています。昨年10月には、新放送会館をオープンし、地上デジタル放送を開始以降、公開番組やロビー展などを積極的に行い、視聴者との交流を促進しました。
 高松放送局は、善通寺市など県内の小中学校の耐震強度不足問題を粘り強く取材・報道し、耐震性強化に消極的だった行政の方針転換を促すきっかけを作りました。また、地上デジタル放送の普及促進に向け、職員提案でイメージソング「地デジdeヨイショ」を制作し、18年11月から19年1月にかけて放送しました。視聴者のみなさんからは、「地上デジタル放送がどういうものかよく分かる」などとたいへん好評で、19年6月からは新たなバージョンを放送しています。
 最後に、コンプライアンス活動と適正経理の取り組みについてです。
 各局独自に「適正事務処理推進週間」を設けるなど、積極的に取り組んでいます。
 証ひょう類の調査では、宿泊料の領収書については、領収書の宛名に個人名も入れてもらう必要がありますが、宛名がただ単にNHKとなっていたものなどの事例が見られましたので、改善を求めました。


(2)19年6月のCS(お客さま満足)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 19年6月のCS向上活動について報告します。
 まず、コールセンターで受け付けたご意見・お問い合わせは、95,119件でした。
 なお、7月16日に発生した新潟県中越沖地震の緊急報道に際しては、番組変更等に関するご意見・お問い合わせが5,983件ありました。昨年11月の北海道沿岸津波警報による緊急ニュースの際には、同様のご意見・お問合せは8,003件でしたので、比較すると約25%減少したことになります。これは視聴者の皆様の声を受け、番組の変更情報をより早く丁寧にスーパーするよう努めたことによるものと考えています。
 6月に特に好評な意見が集中した番組は、NHKスペシャル「30代の“うつ” 〜会社で何が起きているのか〜」(6月25日放送)、プレミアム10「ユーミンと歌いたい〜寺岡呼人 ゆず 桜井和寿〜」(6月22日放送)、クローズアップ現代「時代を励ました歌〜ZARD・坂井泉水さんが遺したもの〜」(6月18日放送)、ためしてガッテン「衝撃!骨粗しょう症の新事実」(6月13日放送)、生活ほっとモーニング 「“うつ”をのりこえた!〜ある家族の笑いと涙の闘病記」(6月19日放送)、日本の、これから「納得していますか?あなたの働き方」(6月23日放送)、BSまるごと大全集「生誕70年 昭和の歌姫・美空ひばり」(6月23日、24日放送)、SONGS「矢沢 永吉(1)」(6月27日放送)などでした。
 「ニューヨークまるごと72時間」(6月15〜17日放送)については、番組の企画や内容はおおむね好評だったのですが、一部の時間帯で衛星第1、衛星第2、衛星ハイビジョンで、2波、もしくは3波同一の内容を放送したところ、「2波、あるいは3波で放送する意味がわからない」、「選択肢がなくなるのは困る」といった厳しいご意見がありました。
 次に、ふれあいミーティングの実施状況です。
 6月は全国で196回開催し、参加者は5,366人でした。
 富山放送局では、「サイエンスZERO 不思議の海・富山湾」をテーマに富山大学の学生と実施しました。広島放送局では、「プロフェッショナル 仕事の流儀」〜心のままに荒野を行け 漫画家・浦沢直樹〜の上映会とあわせてトークセッションを行いました。デザインセンターでは、首都圏の芸術大学・美術大学で映像・音響デザインを専攻する学生を対象に「放送とデザイン」をテーマにした「NHKデザイン講座2007」を実施しました。セミナー、フィールドワーク、シンポジウムのそれぞれに現場第一線の職員を講師として参加させたところ、たいへん好評で、来年以降の継続を望む声が多く寄せられました。
続いて、視聴者のみなさまの声などを生かした改善の件数です。6月は、本部12件、各放送局56件、合計68件でした。
主な改善実施事例を報告します。
 公開番組の観覧募集は、通常、往復ハガキにより実施していますが、大阪放送局では、「ザ少年倶楽部」の観覧募集をWebによる申し込みにより実施しました。その結果、約1万6千通の応募数のうち70%近くが携帯サイトからの申し込みとなりました。本番当日に行ったアンケート調査でも92%の来場者がWebによる申し込みを「良いことだと思う」と回答しており、今後、NHK大阪ホールの若者向けの公開番組「大阪発疾走ステージ WEST WIND」での実施も検討しています。
 編成局では、生放送のNHK歌謡コンサートで字幕放送を実施していますが、アナウンサーやゲストが話した言葉が画面表示されるまでに10数秒かかってしまうことから、アナウンサーとゲストの掛け合いの場合など、文字表示が追いつかず、どちらが話した言葉かがわからなくなってしまうことがありました。聴覚障害者団体等からも「わかりやすくしてほしい」との要望が寄せられていたことからこれまで全て白字で表示していた司会とゲストトークの字幕を、司会者は黄色、ゲストは白と色分けして、よりわかりやすく表示するよう改善しました。
 新潟放送局では、新潟県中越沖地震の発生の翌日に、すみやかに災害データ放送を立ち上げ、被災地の方々に役立つ情報をお伝えしています。避難所やライフラインに関する基本的な被災地向けの情報のほか、旅館等への避難・受付窓口、最寄りの診療所・夜間診療所、被災障害者の受け入れ施設などの情報が、24時間いつでも入手できるようにしています。
 最後に、全国54の放送局でそれぞれ地域や社会にきちんと貢献する活動「チャレンジ54」の取り組みについてです。
 高知放送局では、高知県が抱える少子高齢化、医師不足、自治体財政逼迫などの問題をテーマに、県内各地で行われているさまざまな取り組みを連日企画や中継で紹介し、地域の活性化を目指しています。県下35市町村の地区長にアンケートを実施し、「各地区が今どのような状態にあるのか」、「何に悩んでいるのか」など50項目以上について質問し、1300を超える回答を得ました。「とさ金」(6月8日放送)では、アンケートの実施結果を総括的に伝えながら地区長の訴えを紹介、さらに「とさ金スペシャル」(6月15日放送)では放送枠を拡大し、地域活性化の成功例を紹介するとともにスタジオに県内の6区長を招いて、活性化にむけたアイデアを話し合いました。今後も元気が出るための処方せんや応援メッセージを発信していく予定です。


(3)日本放送協会健康保険組合 平成18年度収入支出決算について
(八幡理事)
 日本放送協会健康保険組合の平成18年度の決算について、7月19日の組合会において、提案どおりに可決されましたので報告します。
 18年度の収入総額は92億円と予算に対しては6億円の減収でした。支出総額は91億24百万円で、保険給付費や保健事業費の支出の減少もあり、予算に対しては7億円の減少となりました。この結果、収支決算では76百万円の黒字となりました。
 主な施策については、被保険者・被扶養者の健康管理および健康の保持増進を推進しました。具体的には、職員の健康診断の100%受診を継続、本人ドックなどの受診勧奨を積極的に推進、電話・面接・Webによるメンタルヘルスカウンセリングなどを開始しました。
 また、直営保養所については、大山、定山渓を廃止しました。すでに廃止していた下呂については18年度に売却しました。


(4)放送番組審議会議事録(資料)
(編成局)
 編成局および国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会、全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州、東北、北海道、四国)の平成19年6月開催分の議事録についての報告。
(注1:放送番組審議会の内容)

注1:放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。


以上で付議事項を終了した。
  
  上記のとおり確認した。
      平成19年9月5日
                     会 長  橋 本 元 一   

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