日本放送協会 理事会議事録  (平成19年5月22日開催分)
平成19年 6月 8日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成19年5月22日(火) 午前9時00分〜9時15分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田専務理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、石村理事、西山理事、日向理事、溝口理事、八幡理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項
1 審議事項
(1)第1045回経営委員会付議事項について
(2)内部統制の構築について
(3)ラジオ国際放送の交換中継協定の変更および廃止について

議事経過
1 審議事項
(1)第1045回経営委員会付議事項について
(秘書室)
 5月29日(火)に開催される第1045回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として、「退任役員の退職金について」、「日本放送協会平成18年度業務報告書および総務大臣への提出(監事の意見書を添付)について」、「日本放送協会平成18年度貸借対照表等およびこれらの総務大臣への提出(監事の意見書を添付)」、そして「ラジオ国際放送の交換中継協定の変更および廃止について」です。また、報告事項として「18年度“約束”の評価を受けて」、「内部統制の構築について」です。
 また、監事から「日本放送協会平成18年度業務報告書に添付する監事の意見書について」、「日本放送協会平成18年度貸借対照表等に添付する監事の意見書について」の説明があります。
 そのほか、会長報告などを予定しています。

(会 長) 原案どおり決定します。


(2)内部統制の構築について
(総合企画室)
 内部統制の構築について、審議をお願いします。
 内部統制の構築は、単に不正の根絶、コンプライアンス推進、また、放送法改正への対応のためというだけでなく、今後、NHKが外部からの干渉を排し、自主自立を確保するために、必要不可欠なものと認識しています。
 現場では、経理適正化を進める中で、事務処理が煩雑化しているとか、業務実態と適合し難い厳しすぎるものといった声もあります。経営委員会からもコンプライアンス活動についてご指摘をいただいています。こうしたことを踏まえ、これまでのコンプライアンス施策をあらためてNHKのマネジメント全体でとらえ直し、コンプライアンス推進を包含する形で、内部統制の構築を進めていく必要があると考えています。
 内部統制の構築にあたっては、単に管理強化を目的とするのではなく、業務全体を見渡し、妥当性を明らかにして、より効果的に経営資源の投下を行う、いわば、“業務革新”運動だとの認識をもつことが重要だと考えています。
 こうした考えから、「実行計画書」をとりまとめました。
 具体的には、5つの柱を立て、取り組んでいきたいと考えています。
  1. 全社統制の枠組み作り
  2. リスクマネジメント体制構築
  3. モニタリングや内部監査の強化
  4. 内部統制の周知定着
  5. 業務プロセス統制

  1. については、放送法改正に向けたガバナンス体制整備、経営戦略プロセスやそれに伴う経営意志決定プロセスの検討や職務権限の明確化、視聴者の声を反映する仕組みの構築などを図っていきます。
  2. については、狭い意味でのコンプライアンスにとどまらず、リスクの定義・識別・評価を実施し、リスクマネジメント監査体制を構築します。
  3. については、放送法改正にも十分対応できるように、早急に内部監査の品質評価を実施し、年度後半にはあるべき内部統制監査体制を再構築し、19年度内に各施策の監査(モニタリング)のレベルアップを図ります。
  4. については、職員一人ひとりが、内部統制の目的などを理解することが実行計画を進めていくうえで極めて重要だと考えており、実行計画活動内容の周知に力をいれます。
  5. については、導入した経理適正化のための仕組みの検証を行うだけでなく、業務全体を見渡し、業務プロセスの“見える化”を行い妥当性を明らかにして、より効果的に経営資源の投下を行う、いわば業務革新運動として進めていきます。

 スケジュールについては、NHKグループ全体を含めて、今後3年間で内部統制の構築を完了させる予定です。19年度は、内部統制構築に向けた体制や諸規程の整備を中心に行います。20年度は、その着実な運用を図るとともに、全国の各放送局まで浸透させます。21年度はNHKグループ全体へ対象を拡大します。
 これらの施策については、たとえ放送法が改正されない場合であっても、着実に実施していきたいと考えています。
 なお、この内容が決定されれば、経営委員会に報告したいと思います。

(会 長)  原案どおり決定します。


(3)ラジオ国際放送の交換中継協定の変更および廃止について
(国際放送局)
 ラジオ国際放送の交換中継協定の変更および廃止について審議をお願いします。
 放送局同士が互いの送信施設を同等時間使用しあうラジオ国際放送の交換中継は、現在、カナダのCBC、イギリスのBBCとの間で実施しています。平成19年度「国際放送の放送番組編集の基本計画」に基づき、今年10月1日以降、ラジオ国際放送の放送時間や送信地域などの見直しに加えて、KDDI八俣送信所の送信設備の規模の縮小を行うことから、CBCとの協定を変更するとともに、BBCとの協定を廃止したいと考えています。
 CBCとの協定については、現在、CBCの番組を八俣送信所から1日6時間送信し、これに対応して、CBCがNHKの番組をカナダ中継局から同時間送信しています。この協定を、10月1日から交換中継時間を2時間に変更し、送信地域についても現在の北米東部・西部向けから中米向けに変更します。
 また、BBCとの協定については、現在、BBCの番組を八俣送信所から1日10時間送信し、BBCは、NHKの番組をシンガポール中継局およびアセンション中継局(英領アセンション島)から合計で10時間送信しています。この協定を10月28日(世界的な短波放送の周波数改訂時期であるA07期末)をもって廃止します。この1日10時間の放送そのものはすべてなくすのではなく、このうちの7時間は、送信施設を借り上げる借用中継に切り替えて引き続き放送します。
 なお、この内容が了承されれば、経営委員会に諮りたいと思います。同委員会で決定されれば、6月の電波監理審議会の諮問・答申を受ける予定です。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることにします。

以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成19年6月5日
                     会 長  橋 本 元 一   

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