日本放送協会 理事会議事録  (平成19年4月17日開催分)
平成19年5月11日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成19年4月17日(火) 午前9時00分〜9時30分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、小野理事、衣奈理事、石村理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項
1 審議事項
(1)第1043回経営委員会付議事項について
(2)中央放送番組審議会委員の委嘱について
2 報告事項
(1)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(2)考査報告
(3)「NHK情報公開」の実施状況(平成18年度)
(4)個人情報保護の実施状況(平成18年度)

議事経過
1 審議事項
(1)第1043回経営委員会付議事項について
(秘書室)
 4月24日(火)に開催される第1043回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として、「中央放送番組審議会委員の委嘱について」です。また、報告事項として「地方放送番組審議会委員の委嘱について」、「平成18年度『コンプライアンス推進のアクションプラン』の実施結果報告について」、「『NHK情報公開』の実施状況(平成18年度)について」、「個人情報保護の実施状況(平成18年度)について」、「平成18年度営業活動結果について」そして「平成18年度決算の速報値について」です。
 そのほか、会長報告を予定しています。

(会 長)  原案どおり決定します。


(2)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(原田理事)
 中央放送番組審議会委員の委嘱について審議をお願いします。 
 塚田和夫氏((財)アジア農業協同組合振興機関常務理事)に平成19年5月1日付で再委嘱したいと思います。
 なお、この内容が了承されれば、第1043回経営委員会に諮ります。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることにします。


2 報告事項
(1)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(原田理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱について報告します。
 中国地方で岡田光正氏(広島大学理事・副学長)、九州地方で小山敬子氏(ピュア・サポートグループ代表)、北海道地方で山田英和氏((株)とかちアドベンチャークラブ代表取締役社長)を平成19年5月1日付で新規委嘱します。また、東北地方で大矢邦宣氏(平泉郷土館館長)を同日付で再委嘱します。
 なお、中国地方の前川功一氏(広島大学理事・副学長)、九州地方の木之内均氏((有) 木之内農園代表・日本ブランド農業事業協同組合常務理事)、北海道地方の折笠秀勝氏(叶ワ笠農場代表取締役)は任期満了により19年4月30日付で退任されます。


(2)考査報告
(考査室)
 平成19年3月から4月上旬に放送されたニュース・番組について、概要を報告します。
 まず、統一地方選挙(前半戦)についてです。
 総合テレビでは、開票速報を8日午後8時から9日午前1時まで放送しました。開票が始まったのを確認したうえで、開票所での取材、出口調査、事前の情勢取材をもとに、当確を迅速・的確に打ち出しました。当選したみなさんの勝因や政局への影響についてもきちんと分析して伝えていました。また、午後11時台の政党中継の1巡目以外は、各放送局が独自に開票速報を伝える柔軟な編成を実施し、地域の開票状況等をきめ細かく伝えました。たとえば、松江、鳥取、佐賀、盛岡、徳島の各放送局では、新知事をスタジオに招きインタビューを県域放送しました。
 また、衛星第1テレビでは、午後8時から午前1時までは総合テレビの内容をそのまま放送しましたが、その後、午前2時10分まで、知事選と政令市長選の結果を、解説委員の分析などを含めて丁寧に伝えました。
 ラジオ第1では、午後8時から約5時間、開票速報をラジオ独自で伝えました。午前0時台には地域拠点局を順につないで、各局の記者が道府県議選などを含めた各地の開票状況を紹介するなどネットワークを生かしてきめ細かく伝えました。
 そのほか、データ放送、インターネット、携帯などでも各メディアの特性を生かして伝えました。
 モニターのみなさんからは、「他局は字幕を中心とした速報だったが、NHKは時間をとって報道し良かった」などのご意見が寄せられました。
 次に、連続テレビ小説「どんど晴れ」についてです。
 この番組は、横浜育ちの主人公・夏美が、岩手県盛岡市の老舗(しにせ)旅館・加賀美屋に入り、若女将(おかみ)として成長していく姿を描いていきますが、4月2日からスタートし、7日までの第1週のうちに、将来の嫁ぎ先の人間関係、婚約破棄、それを覆そうとするヒロインの決意などが盛り込まれ見応えがありました。
 今回、特別モニターのみなさんに、第1週を続けてご覧いただき、ご意見や感想を寄せていただきました。全体的にたいへん好感されています。「夏美はそう快感があっていい」、「緑豊かな盛岡の風景が美しく、すがすがしい」などのご意見がありました。一方、「話の展開が予想でき、新しさや意外性に欠ける」というご意見もあり、今後の展開に期待したいと思います。
 続いて、NHKスペシャル「激流中国」(4月1日、2日放送)についてです。このシリーズは、改革開放を加速させて以来、経済大国に向かって疾走し続ける中国の課題を13回にわたって描きます。
 第1回「富人と農民工」は、急激な経済成長で噴出する社会の矛盾に迫り、富裕層はますます富み、貧しい農民は貧しいまま置き去りにされている厳しい格差の実態を徹底した密着取材で浮き彫りにしました。第2回「ある雑誌編集部 60日の攻防」は、共産党指導のもとで、報道の自由はどこまで許されるのか、広州市の雑誌「南風窓」の苦闘の日々を追いました。中国が抱える課題の真相に迫る取材を今後も大いに期待したいと思います。モニターのみなさんからは、「発展に伴い格差ができることは承知していたが、これほどとは思わず衝撃的だった。見終わった後、心がざわつくほど、見応えがあった」などの感想が寄せられています。
 それから、「にっぽん力検定」(衛星ハイビジョン 3月24日放送)についてです。
 “にっぽんを感じ、楽しむ力”を“にっぽん力(りょく)”と呼んでクイズで“検定”し、リモコンや携帯から参加できる双方向番組で、司会は地井武男さんと神田愛花アナウンサーです。クイズは、春の風物に関する“四月力”、現代社会の常識を問う“現代力”など5つのジャンルから出題されました。身近な事項のクイズには意外な発見あり、解答には必ず解説が加えられ、たとえば、「日本の国の借金は、国民1人当たりいくらか」の問いの答えをNHK解説委員が説明するなど、丁寧でわかりやすくする工夫がなされていました。リモコンなどの操作も簡単で全国から7,200人余りが参加しました。ただし、出題、解答、解説の繰り返しに“わくわくどきどき”する要素が加われば、なおよかったのではないかと思います。4月から定時番組として毎月1回放送になりますので、さらに工夫してほしいと思います。
 最後に、夢の古代文明紀行「謎の巨大遺跡」(衛星ハイビジョン 3月31日、4月1日放送)についてです。
 この番組は、世界の古代文明の代表的な50遺跡を、既存の映像に新たな取材映像を織り込んで構成し、その魅力や謎をスタジオのゲストとともに2夜連続で探ったものです。ゲストは立花 隆さんなど6人で、司会は俳優の金子貴俊さんと有働由美子アナウンサーが務めました。アフリカや中国の遺跡など今回新たに取材した遺跡は、最近の研究や調査が紹介され、改めて驚かされるものが多くありました。スタジオゲストの率直な疑問に答えるそれぞれの専門家の解説も興味深く、“古代遺跡の百科事典”として楽しい番組になっていました。モニターのみなさんからは、「現地を取材した映像は臨場感にあふれ、一緒に旅しているようで感動した」、「NHKならではの企画だった。古代人の卓越した技術に改めて驚くとともに、遺跡を保存していく重要さを再認識させられた」などのご意見をいただき、たいへん好評でした。


(3)「NHK情報公開」の実施状況(平成18年度)
(視聴者サービス局、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会事務局)
 18年度の「NHK情報公開」の実施状況について報告します。
 全国の放送局・支局・営業センター等の窓口に備え置いて視聴者のみなさんに閲覧していただく「備え置き公開文書」は18年度末現在、60文書です。このうち18年度から新たに備え置くことにしたものは、「理事会議事録」、「役員の報酬支給基準」、「職員給与支給基準」「デジタル時代のNHK懇談会報告書」、「NHK“約束”評価報告書」、「NHK視聴者サービス報告書2005」の6文書です。また、NHKのインターネットホームページによる情報の提供も積極的に推進しています。情報公開ホームページへのアクセス数は、1年間で約46.9万ページビューで、前年度に比べ、11.9万ページビュー増えました。   
 18年度、文書そのものの開示の求めは、本部と全国の放送局で直接受け付けた分と郵送分を合わせて132件でした。
 開示の求めの検討結果は、情報の開示をしたものが84件(一部開示の17件を含む)、不開示が31件、開示対象外が21件、検討中が3件で、開示率は73%です。
 このうち、不開示の理由は、そもそも文書自体が存在しないことやNHKの活動に支障を及ぼすおそれがあるものや個人のプライバシーを侵害するおそれがあるものなどとなっています。また、開示対象外の理由は、放送番組の企画、取材、収録等について記録した文書その他放送番組の編集に関する情報を記録したものにあたるためです。いずれも、NHK情報公開基準に則った判断をしています。
 次にNHK情報公開・個人情報保護審議委員会の実施状況について報告します。
 NHK情報公開・個人情報保護審議委員会は、視聴者から、NHKが行った一部開示または不開示の判断に対して「再検討の求め」が出された場合に、中立的・客観的な立場からNHKの判断をチェックする第三者機関です。委員は5人で、会長が経営委員会の同意を得て、部外の有識者の中から委嘱します。任期は2年で、再任可能です。18年度は20回開催されました。
 「再検討の求め」は、前年度からの継続案件も含め36件あり、これらを審議し、25件について答申をいただきました。
 審議状況は、25件のうち、22件はNHKの当初の判断が妥当であり、残る3件は不開示というNHKの判断に対し、開示すべきであるあるいは部分開示の範囲を広げるべきであるという判断でしたが、NHKはすべて答申どおりの措置を取りました。


(4)個人情報保護の実施状況(平成18年度)
(視聴者サービス局)
 平成18年度の個人情報保護の実施状況について報告します。
 まず、個人情報保護に関する部内周知の状況について報告します。18年12月から19年1月にかけて、地域拠点局単位に、個人情報の適切な取扱いと情報セキュリティについての研修を行うなど、研修、講習会、勉強会等を積極的に実施し、個人情報保護の周知徹底を図りました。
 18年度に、個人情報の漏えい(漏えいの可能性のあるものを含む)は13件発生しました。たとえば、自宅で使用している私用パソコンに職場のみで扱うべきデータをコピーしたためファイル交換ソフトによって、受信料契約者の関連情報がインターネット上に流出した事例などがあります。また、個人情報の漏洩に至らなかった営業用携帯端末の紛失・盗難が3件ありました。
 個人情報の開示の求めは4件ですべて開示しました。そのほかに、個人情報の訂正の求めが1件、個人情報の利用停止、消去の求めがそれぞれ1件ずつありました。個人情報に関する再検討の求めは1件で、その内容は個人情報の消去の求めでしたが、NHK情報公開・個人情報保護審議委員会は、求めには応じられないとするNHKの判断を妥当としました。
 今後の個人情報保護については、あらためて個人情報の取り扱いに細心の注意を払うことを周知徹底していきます。特に、業務データの持ち出しを原則として禁止し、また、ファイル交換ソフトは業務用はすでに禁止していますが私用についても使用禁止にすることを徹底したいと思います。また、業務の委託先から個人情報の紛失や漏えいが起こらないように業務管理を徹底していくことも重要だと考えています。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成19年 5月 8日
                     会 長  橋 本 元 一   

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