日本放送協会 理事会議事録  (平成18年12月26日開催分)
平成19年 1月19日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成18年12月26日(火) 午前9時00分〜10時25分
<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。


付議事項

1 審議事項
(1)平成19年度収支予算案の一部調整について

2 報告事項
(1)全部局業務調査報告について
(2)監査結果報告
(3)今後の文書管理について
(4)地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について
(5)アムステルダム国立美術館所蔵「フェルメール《牛乳を注ぐ女》
   とオランダ風俗画展」の実施について
(6)平成18年11月のCS(お客さま満足)向上活動報告
(7)放送番組審議会議事録


議事経過

1 審議事項
(1)平成19年度収支予算案の一部調整について
(経理局)
 平成19年度収支予算案の一部調整について審議をお願いします。
 平成19年度収支予算案について、今年度11月末の営業業績等を踏まえ、一部調整したいと考えています。受信料収入を当初案に対して増額修正し、これに合わせて、国内放送費を増額し、“NHKだからできる”放送のいっそうの拡充を図り、その一方で、契約収納関係経費の削減などの事業支出の見直しを行い、19年度においては完全収支均衡予算を組みたいと考えています。
 なお、本日、了承されれば、経営委員会に諮りたいと思います。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることとします。


2 報告事項
(1)全部局業務調査報告について
(畠山理事)
 全部局業務調査について報告します。
 平成18年4月に当時の報道局スポーツ報道センター元職員による「カラ出張」問題発覚後、ただちに、当該関係部局の札幌放送局とスポーツ報道センターに対して、「緊急業務調査」を実施し、その調査結果を5月末に公表しています。
 今回の調査は、NHKが過去の不祥事から一刻も早く脱却し、視聴者のみなさまの信頼を得られる新生NHKを実現するため、全ての部局を対象に、このような不正がなかったか点検・調査することを目的として実施しました。また、この調査は、過去の不正の摘出だけにとどまらず、組織全体の公金意識とコンプライアンス意識のいっそうの定着や今後の不正根絶に向けた職員一人ひとりの意識改革を図るための取り組みとしても実施しました。
 調査対象は、NHKの全部局(札幌放送局とスポーツ報道センターを除く)の平成11年度〜17年度(7年間)の経費・業務管理全般です。
 調査体制と期間については、会長の統括の下、監査室、コンプライアンス室、編成局、視聴者総局、労務・人事室、技術局、経理局、総務局などからなる「全部局業務調査プロジェクト」を設置するとともに、各部局で編成した調査チームとあわせ、総勢408名の調査体制で実施しました。また、外部専門家である「あずさ監査法人」がプロジェクトに常駐し、調査手法・内容など調査全般にわたるアドバイスと協力をプロジェクトにいただきました。調査期間は、平成18年8月3日(木)〜12月19日(火)です。
 調査方法は、書面調査として、11年度〜17年度のすべての経理データ等(約3,000万件)を対象に分析・調査しました。調査にあたって、出張旅費、立替金、臨時前渡金、部外支払の経理データと証ひょう書類を照合・確認するとともに放送料、タクシー乗車券、金券類等の請求・管理状況について個別に確認しました。また、「名寄せシステム」を活用しながら関連する職員の勤務記録と照合するなど、多面的に経費管理および業務管理状況について調査・確認しました。このほか、物品の現物調査も併せて実施しました。さらに、経費支出および業務管理状況について、事実確認が必要な場合は、各部局の調査チームや「全部局業務調査プロジェクト」が、本人、上司や部外者などに直接ヒアリング等を行いました。
 調査の結果、4月に発覚した「カラ出張」など公金を詐取するようなものは発見されませんでした。5月の緊急業務調査と同様、出張旅費の精算・戻入処理を怠るなど業務管理や事務処理が不適切なものがありました。出張旅費の未精算、日当の誤請求・重複請求、タクシーの不適切な使用等、不適切な事務処理が判明したものは、469名、1,063件、1,137万19円です。その内訳は、当初の出張日程・路程等が変更になったにもかかわらず、出張終了後に精算・戻入の手続きを行わず未精算となっていたもの433件、922万4,300円、日帰り出張日当の支給区分の誤請求や、宿泊出張日当を請求していながら、日帰り出張日当を重複請求していたもの253件、94万2,360円、深夜・早朝での使用時間の逸脱など「タクシー使用要領」に適合していないものなど377件、120万3,359円となっています。放送料の事務処理ミスが57件、339万7,142円、備品等の台帳との不符合が29件ありました。これらのうち、精算・戻入が必要なものは、順次、手続きを行っています。
 今回の調査により、出張後の精算手続きが未了のものなど、不適切な事務処理が多く見受けられました。宿泊出張旅費は、事前に請求することとしており、期間短縮や経路変更などがあれば、出張終了後精算処理をしなければなりません。出張者が業務の繁忙等を理由に、出張後に速やかに実施すべき精算処理を失念していたことや、管理者による出張者の業務把握・確認が徹底されていなかったため、このような不適切な事務処理が発生したと考えられます。日当の誤請求・重複請求については、請求者の旅費規程等の理解不足や、管理者の勤務管理・業務管理が徹底されていなかった状況が判明しました。さらに、タクシーの使用、放送料の事務処理、物品の管理等についても、不適切なものが散見されました。これらは、日常的な業務管理や職員の公金意識が不十分であったことなどによるものです。現在進めている改善策、再発防止策を含め、業務改革、意識改革をいっそう進めていく必要があります。
 5月の緊急業務調査結果、今回の全部局業務調査結果を踏まえ、改善策として、以下のものを実施・検討していきます。
 5月の緊急業務調査結果等を踏まえ、すでに実施しているものとしては、(1)航空機利用時に搭乗済みの半券の提出の義務化(平成18年4月17日以降)、(2)特急乗車の使用済み券の出張報告書への添付の義務化(平成18年6月1日以降)、(3)出張報告書の見直しとして、日帰り出張(特急・航空機利用)の出張報告書の義務化(平成18年6月1日以降)、(4)管理者(出張旅費等の決定者)による業務管理の徹底として、「業務適正点検ツール(名寄せシステム)」を活用したコンプライアンス活動の徹底(平成18年8月1日以降)、(5)職員意識の改革に向けた施策の実施として、管理職教育の強化と役員と職員の対話活動の実施(平成18年度以降)、(6)放送料の重複支払いのチェックとして、放送料重複支払いチェックシステムの運用開始(平成18年4月分以降)があります。これらに加えて、(1)内部統制(COSOフレームワーク)の構築として、より有効な内部統制機能の早期構築、(2)業務管理・経費管理の徹底として、18年8月から運用を開始した「業務適正点検ツール(名寄せシステム)」等業務管理・経費管理の支援ツールを充実させ活用するなどして、毎月、“コンプライアンス月次点検”を実施し、管理者による業務管理・経費管理の徹底、(3)ミドルマネジメントの強化に向けた施策の実施として、管理職登用の厳格化、(4)「緊急個別監査」など新たな監査の実施として、「抜き打ち」で監査を実施するなど、監査の実効性を高めること、(5)臨時前渡金の廃止などキャッシュレス化の推進として、臨時前渡金の廃止やコーポレートカードの導入によるキャッシュレス化の具体化検討、(6)出張旅費の事後請求化として、出張旅費の未精算の再発防止のため、出張報告書に基づく出張旅費の事後請求化の具体化検討、(7)物品管理の厳格化として、備品、リース物件の管理手法の厳格化、を実施もしくは検討していきます。
 なお、この内容については、本日、経営委員会に報告した後、ただちに公表します。

(2)監査結果報告
(監査室)
 本部の編成局の監査結果の概要について報告します。監査は11月に実施しました。
 編成局は、18年度の組織改正で、「編成センター」「ソフト開発センター」「デジタルサービス部」「計画管理部」の2センター2部体制へ、大幅に組織が変更されました。編成センターは、総合・教育・衛星各波に分かれていた編成業務を一元化した効果を生かし、各波の役割をより明確にしながら、波の特徴に応じた戦略的編成を進めています。たとえば、「吉田拓郎&かぐや姫 つま恋コンサート」は、衛星ハイビジョンでの生放送のほか、総集編を衛星第2で、また、舞台裏のドキュメンタリーを総合テレビで編成しました。17年12月から始まった「認知症キャンペーン」は、「ハイビジョン特集」に加え、「NHKスペシャル」や「ETVワイド」、「生活ほっとモーニング」などと連動させました。新設されたソフト開発センターは、各部局の開発機能を統合した組織の一体化に努めながら、波を越えた効果的なソフト展開や、多彩な外部制作ソフトの開発などに取り組んでいます。
 18年度番組改定では、幅広い視聴者層の獲得を目指し、総合テレビの夜間を中心に、ニュースや番組を大幅に刷新しました。「ニュースウオッチ9」は、17年度の「ニュース10」に比べて、全般的に視聴率も向上しています。平日夜の10時、11時台では、NHKスペシャル「ドキュメント 北朝鮮」(3夜連続)や「プラネットアース」(4夜連続)の集中編成を行い、「公共放送NHKでなくてはできない内容だ」との声が寄せられています。新番組では、「サラリーマンNEO」や「ゆるやかナビゲーション」は30代を中心に、「プロフェッショナル 仕事の流儀」は50代の女性を中心に反響が多く、新たな視聴者層をとらえつつあります。19年度は、幅広い年齢層がそれぞれ楽しめる新番組をスタートさせ、番組ゾーン全体の定着を図ることにしています。
 今年の7月、接触者率向上の抜本的施策を検討するため、「視聴者層拡大プロジェクト」を発足させ、検討会を10回開催し、視聴率・接触者率データの分析や、“NHKを見ない人たち”を対象としたグループインタビューの分析などを行っています。これらを踏まえ、今後、各年度の番組改定や重点特集提案に反映させていくことにしています。
 また、外部の優れた能力を活用して新しいソフトを開発するため、外部プロダクションへの直接委託方式による番組制作委託が、今年の7月から始まりました。第1回の募集では、95社から225の企画が寄せられ、その中から「ようこそ!魔性の食卓へ」など3つの番組を12月25日〜27日の総合夜11時台に放送しています。
 編成局は、全国の地上デジタル放送のデータ放送のコンテンツの開発や制作を、放送技術局などとともに支援してきました。各局が共通して利用できるシステムとして、地元出身力士を応援する「大相撲〜ふるさとの力士」を開発し、6月から青森局など7局が利用しています。また、オンラインでデータ提供された休日夜間診療情報を放送する広島局のコンテンツは、全国展開を見越して開発したものです。これまでは、編成局など本部がコンテンツを開発・制作し、各局はその運用を行ってきましたが、今後は、地域の視聴者の要望にきめ細かく対応できるよう、各局でコンテンツを制作できる要員の育成に取り組んでいくことにしています。また、今年4月に開始したワンセグサービスの総合で、ニュースや気象情報のほか、大河ドラマなどの番組情報にリンクする「ワンステーション」など独自のデータ放送を実施しています。11月に編成局が実施した利用者アンケートでは、満足と答えた人が60%を超えています。
 今年3月に「NHKオンライン」のトップページをリニューアルし、各テレビ波の現在の番組を紹介した“ただいま放送中”や、視聴者から問い合わせの多い“番組変更情報”を提供しています。“番組変更情報”は、トップページから簡単に見られるようになりました。そのほか、動画の掲載や、視聴者との結びつきを深めるブログの採用、個人のブログでも利用できる「NHK時計」の提供など、視聴者の意向を取り入れた制作を進めて、アクセス数は月平均2億5,500万ページビューで、在京民放キー局を含めたなかで、1位となっています。
 最後に、コンプライアンス活動・適正経理の取り組みについて報告します。
 証ひょう類の調査では、タクシー券の乗降車場所の記入漏れなど記載不備がありましたので、適正処理の徹底に努めるよう改善を要望しています。
(会 長) 本日、「全部局業務調査」の結果を公表します。改めて、役職員が一丸となって、不正根絶に向けて取り組んでいかなくてはなりません。監査室も、監査の際に、適正な経理処理などを徹底するように指導をより強化してください。

(3)今後の文書管理について
(総務局)
 今後の文書管理について報告します。
 NHKの文書管理については、情報公開の視点に加え、内部統制の視点に立って、できるだけ文書化する意識と系統だった管理が必要であるということも含めて、今後の文書管理のあり方を整理しました。
 まず、目的です。NHK情報公開規程においては、文書とは、NHK役職員が業務上共有するものとして保有している文書(電磁的に記録されたものを含む)となっています。今回の考え方は、このうち、内部統制上必要な文書を明確にしようということです。
 内部統制上必要な文書は、新たに「文書一覧表」で明示します。「文書一覧表」への掲載は、大別すると、事業上の意思決定を記録した決裁文書、事業の実施結果を記した報告文書の2種類とします。決裁文書は、経営委員会付議事項、理事会審議事項への提出資料、「規程集職務権限事項編」に掲載されている決裁事項のうち、内部統制の視点から作成される重要な文書およびそれに付随する不可欠な資料とします。また、報告文書は、協会業務の重要な報告書として、経営委員会、理事会への報告資料、官庁への主要な報告書とします。
 職務権限事項に関わる決裁事項文書については、現在の職務権限に定められている決裁事項すべてを文書で残すということではなく、文書で残すべき重要なものを選定するということにします。本部各部局が、拠点局、地域放送局分も含めて選定し、総務局が調整し、最終的に「文書一覧表」を作成します。作成された「文書一覧表」は、総務局が管理をし、毎年、見直します。各部局においては、作成された「文書一覧表」に記載された項目について、今後は必ず文書を作成し、保管をすることとします。
 なお、情報公開規程では、「文書ファイル目録」を作成し、各局に備え付けることになっています。今回の「文書一覧表」のうち、文書名と保存年限については、「文書ファイル目録」へ掲載します。

(4)地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について
(原田理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について報告します。
 近畿地方で齊藤十内氏(日本スピンドル製造椛纒\取締役社長)、野崎勝義氏(轄辮_タイガース取締役連盟担当)、原田廣人氏(潟Wェイコム関西代表取締役社長)を平成19年1月1日付で新規委嘱します。また、中部地方で水野耕太郎氏(東邦ガス椛纒\取締役社長)、九州地方で田口信教氏(鹿屋体育大学教授・学長補佐)を同日付で新規委嘱します。
 中国地方の田中征二郎氏(李白酒造(有)代表取締役社長)は、本人の申し出により、任期途中で退任されるので、18年12月31日付で委嘱を解くこととしました。
 なお、近畿地方の伊東文生氏(連合大阪会長)、西川伸一氏(理化学研究所発生・再生科学総合研究センター副センター長)、平尾誠二氏(神戸製鋼ラグビー部ゼネラルマネージャー)、中部地方の数納幸子(活繩w生物学研究所代表取締役会長)、安井義博氏(ブラザー工業椛纒\取締役会長)、九州地方の大西儀朋氏(鹿児島海陸運送椛纒\取締役社長)、脇田安大氏(ながさき地域政策研究所理事長)は任期満了により18年12月31日付で退任されます。

(5)アムステルダム国立美術館所蔵「フェルメール《牛乳を注ぐ女》
   とオランダ風俗画展」の実施について
(視聴者サービス局)
 アムステルダム国立美術館所蔵「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」を来年9月26日から12月17日まで、国立新美術館で実施します。
 フェルメールは、現存する作品が世界に三十数点しかにないとされています。この展覧会では、アムステルダム国立美術館所蔵で、フェルメール作品のなかでも屈指の名作とされている《牛乳を注ぐ女》とヤン・ステーンなど同館が誇るオランダ絵画コレクション、油彩40点、水彩9点、版画51点の合計100点を展示するほか、当時の食器、家具、調度品を併せて展示し、17世紀から19世紀に多彩な展開をみせたオランダ風俗画の世界を再現します。
 なお、この展覧会の模様は、「新日曜美術館」などで放送する予定です。

(6)平成18年11月のCS(お客さま満足)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 平成18年11月のCS向上活動について報告します。
 まず、コールセンターで受け付けたご意見・お問い合わせは、102,351件でした。
 また、11月の再放送希望は、特に「ハイビジョン特集」や「ためしてガッテン」、「NHKスペシャル」などへのリクエストが多くありました。特にハイビジョン特集「千の風になって」(11月6日放送)には、スポットの影響もありますが、放送する前から「他の波で放送してほしい」との声が多く寄せられました。11月15日放送の「デスパレートな妻たち2」(衛星第2、第7話)については、津波関連情報が画面に表示され続けたため、「画面が見づらい」、「毎回録画しているので、ぜひ再放送してほしい」などのご要望がありました。そこで、翌週の11月22日の午後10時のからの定時枠で、第7話を再放送し、引き続き、午後10時43分から第8話を放送しましたが、この2話連続の特別編成について、「第8話が録画できなかった」、「もっと事前に告知してほしい」といったご意見が寄せられました。
 次に、特に好評な意見が集中した番組です。NHKスペシャル「ラストメッセージ 第1集〜3集」(11月5、6、7日放送)、「分かっちゃいるけどやせられない〜内臓脂肪と闘う〜」(11月19日放送)、生活ほっとモーニング「切らずに治す!・放射線治療最前線」(11月15日放送)、ETVワイド「ともに生きる〜いじめを考えよう 特集・金曜かきこみTV」(11月4日放送)、ETV特集「いいもんだよ、生きるって 〜夜回り先生・水谷修のメッセージ」(11月4日再放送)、ハイビジョン特集「千の風になって」(11月6日放送)、「世界一美しい村に住む人々〜イギリス コッツウォルズ〜」(11月21日放送)、ためしてガッテン「激増中!大腸がん緊急対策術」(11月22日放送)などに多くの反響をいただきました。なかでも、生活ほっとモーニング「切らずに治す!・放射線治療最前線」に対しては、好評なご意見がほとんどで、18年4月以降、同番組中最高の反響数となりました。
 続いて、視聴者のみなさまの声などを生かして改善を行った改善件数は、本部1件、各局57件、合計58件でした。
 おもな改善実施事例を報告します。
 11月15日の全13波臨時ニュース「北海道太平洋沿岸東部・オホーツク海沿岸 津波警報」は、午後8時30分から通常の番組を中断・休止して伝えましたが、その後10時からの「その時歴史が動いた」の放送の有無についてのお問い合わせや「津波情報を伝えるのはいいが、通常の番組を中止するなら中止とテロップで知らせるのが視聴者に対するサービスではないか」といったご意見・ご要望を全国であわせて約7,000件いただきました。今回のケースは、津波関連の情報が画面上で常にスーパーされている状態で、その合間に番組変更に関する情報を表示するスペースがなく、結局、お知らせできなかったものです。視聴者のみなさまからの反響を受け、CS向上委員会で議論を行い、さらに編成局や報道局が中心となって具体的な改善策を検討しました。その結果、緊急報道に影響を与えずに番組変更情報をスーパーできる場所を画面上に特定することで、随時、告知することができるように改善を行いました。
 奈良放送局では、「吉野地区は桜だけでなく紅葉もきれいなので、吉野地区の紅葉情報をニュースで放送してほしい」との要望を受け、気象協会にお願いして、これまでのJR沿線の紅葉情報に、吉野地区の紅葉情報を追加してもらうことにしました。ご要望をいただいた2日後から、この紅葉情報をお伝えすることができました。
 広島放送局では、データ放送で、国政選挙や知事、自治体首長選挙の開票速報だけでなく、県内23市町の議会議員選挙の開票結果についても伝えることとし、視聴者のみなさまにきめ細かいサービスを行うよう改善しました。
 次に、各放送局の「満足度向上」への取り組み事例について報告します。
 衛星ハイビジョンで午前8時から放送していた「街道てくてく旅・中山道完全踏破」では、10月16日から約1か月間、長野県内の旧宿場をめぐりました。長野放送局では、衛星放送を見られない視聴者のみなさまのために、「街道てくてく旅・中山道完全踏破」を再編集して、夕方の6時台の地域情報番組のなかで放送しました。たいへん好評で、このダイジェスト版も木曽路編と信濃路編に分けて制作し放送しました。
 アナウンス室では、スタジオパークで、月数回、来場者に対して、番組アナウンサーによるアナウンス体験・指導をしています。あわせてNHKに対するご意見、ご要望もうかがい、参加いただいたみなさまにたいへんご好評をいただいております。
 最後に、ふれあいミーティングの実施状況です。
 11月は、全国で225回開催し、参加者は5,688人でした。
 本部では、「BSファン倶楽部」の会員のみなさまとふれあいミーティングを実施しました。「BSファン倶楽部」では、3年前から衛星放送番組と連動し、出演者のトークショーなどさまざまなイベントを実施していますが、今回初めて、会員のみなさまとふれあいミーティングを実施しました。ミーティングでは、NHKのデジタルサービスへの理解を深めていただくと同時に、衛星放送やNHK全般に関するご意見をうかがいました。また、データ放送や、NHK携帯サイトを実際の操作を含めて体験していただいたほか、双方向のBS番組「にっぽんのマジョリティー」のリハーサルをスタジオ内で見学していただきました。

(7)放送番組審議会議事録
 編成局および国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会、全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州、東北、北海道、四国)の平成18年11月開催分の議事録についての報告。
(注1:放送番組審議会の内容)

以上で付議事項を終了した。
注1: 放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。
上記のとおり確認した。
      平成19年1月16日
                     会 長  橋 本 元 一   

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