日本放送協会 理事会議事録  (平成18年12月19日開催分)
平成19年1月12日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成18年12月19日(火) 午前9時00分〜11時00分
<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。


付議事項

1 審議事項
(1)第1034回経営委員会付議事項について
(2)平成19年度国内放送番組編成計画について
(3)平成19年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編成
   計画について

2 報告事項
(1)考査報告
(2)平成18年11月全国個人視聴率調査の結果について
(3)営業業績(平成18年11月末)
(4)財政の現況(平成18年11月末)


議事経過

1 審議事項
(1)第1034回経営委員会付議事項について
(秘書室)
 第1034回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、審議事項として「平成19年度収支予算案の一部調整について」です。また、報告事項として「地方放送番組審議会委員の委嘱と任期途中の退任について」、「営業業績(平成18年11月末)」、「財政の現況(平成18年11月末)」、そして「全部局業務調査報告について」です。
 そのほか、会長報告などを予定しています。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)平成19年度国内放送番組編成計画について
(編成局)
 平成19年度国内放送番組の編成計画について審議をお願いします。
 平成19年度国内放送番組の編成計画は、平成19年度国内放送番組編集の基本計画に基づき、各波の編成計画の要点や番組の概要、部門別放送時間および比率と地域放送時間などをまとめたものです。
 各波の編成計画の要点については、次のとおりです。
 総合テレビは、「平日夜間の番組ゾーン(10時〜11時台)の充実」、「ゆったり楽しめる土日夜間編成」、「地域を応援し活力を与える番組の編成」、「深夜時間帯のニュース番組の充実」など、教育テレビは、「“豊かな心”を育てる子ども向け番組の充実」、「『学校放送番組』の家庭での視聴を促進」、「次世代を担う青少年に向けた番組ゾーンの新設」、「“ともに生きる社会”の実現をめざす福祉番組の充実」、「“学びたいは終わらない”に応える生涯学習番組の充実」、「デジタル教育テレビの特徴を生かした定時マルチ編成」などを中心に番組を編成します。
 衛星放送では、デジタル衛星ハイビジョンは、「平日夜間編成の定着・充実」、「土日編成の充実」、衛星第1は、「ニュース・情報番組の充実・強化」、「土日夜間の刷新」など、衛星第2は、「若者向け番組ゾーンの充実・強化」、「アーカイブスを活用した“団塊の世代”向け番組の充実」、「夕方・夜間の編成の刷新」、「視聴者参加番組・公開番組の充実」などを中心に、番組を編成します。
 音声放送では、ラジオ第1は、「安心ラジオの役割強化」、「土日午前の充実・“団塊の世代”向け新番組」、「夜間時間帯の充実」、「スポーツ放送の充実」など、ラジオ第2は「英語番組の拡充」、「アジア系の語学講座番組の強化」、FMは「クラシック音楽番組の充実」、「大型特集番組の充実・強化」、「歌謡番組の充実」、「英語放送番組の新設」などを中心に、番組を編成していきたいと考えています。

(会 長)  原案どおり決定します。

(3)平成19年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編成
   計画について
(国際放送局)
 平成19年度国際放送の放送番組編成計画については、平成19年度国際放送の放送番組編集の基本計画に基づき、各波の編成計画の要点を定め、部門別定時放送時間および比率などをまとめたものです。
 編成計画の要点について説明します。
 テレビ国際放送(NHKワールドテレビ)については、「ニュース番組の強化」と「英語による情報発信の充実」を図ります。具体的には、「ニュース番組の強化」のため、英語ニュースを拡充・強化するとともに、将来の英語24時間化を見据え、「英語字幕ニュース」の放送枠を増やし、より多くの時間帯で最新のニュースを提供します。また、「英語による情報発信の充実」を図るため、国際放送局独自制作の英語番組を新設します。テレビ国際放送の英語化率(英語字幕・日英2ヶ国語放送を含む)は、19年度前期80.1%で20年度後期までに100%にすることにしています。
 ラジオ国際放送(NHKワールド・ラジオ日本)については、日本語のニュース・情報番組を充実します。また、英語放送では、政治・経済や時事・スポーツなど幅広いテーマをタイムリーかつ、コンパクトに分かりやすく伝える番組などを新設します。
 日本語・英語以外の言語では、日本国内のさまざまな分野の最新の動きやアジアを中心とする国際情勢について詳しく伝えていくとともに、緊急時には柔軟かつ機動的な対応で必要な情報を提供します。
 また、ラジオの放送時間(1日)については、前半期は22言語で、トータル65時間の放送ですが、後半期は、マレー語、ドイツ語、スウェーデン語、イタリア語を廃止し、18言語で49時間20分の放送になります。

(会 長)  原案どおり決定します。


2 報告事項
(1)考査報告
(考査室)
 18年11月〜12月上旬に放送されたニュース・番組について、概要を報告します。
 まず、宮崎県知事が官製談合事件で逮捕されたニュースについてです。宮崎県の安藤忠恕前知事が12月8日(金)逮捕され、福島、和歌山に続き1か月半に3県の知事が官製談合事件で逮捕される異常事態になりました。捜査情報の取材に加え、「ニュースウオッチ9」では、NHKが全国の都道府県知事に行ったアンケート結果を紹介し、76%の知事が談合防止策に入札の改革をあげたと伝えました。モニターのみなさんからは「知事への緊急アンケートは良かった。談合を防ぐための各地での新しい入札制度の説明はグラフもあって分かりやすかった」などの意見が寄せられています。
 続いて、いじめによる子どもの自殺が相次ぐ中、政府の教育再生会議が緊急提言を発表したニュースについてです。11月29日(水)、政府の教育再生会議はいじめる側の子供に毅然と対応することを求める緊急提言を発表しました。「正午のニュース」で、提言は、指導や懲戒の基準を明確にしていじめる側の子どもに毅然と対応し、別教室での教育や社会奉仕活動を行うこと、いじめに関わったり、放置・助長したりした教員に懲戒処分を適用することなどを求めていると伝えました。また「ニュース7」では、教育再生会議の委員のインタビューやこの提言を受けた安倍首相の発言なども伝えました。さらに、「ニュースウオッチ9」では自分の息子がいじめで自殺した父親の話なども伝えました。モニターのみなさんからは「提言の項目に沿って教育再生会議の委員、いじめで自殺した子どもの親、教育評論家、教室での生徒などの声を広く取材し伝えたのはよかった。」などの意見が寄せられました。なお、いじめに関しては、「クローズアップ現代」なども含め、継続して伝えています。
 それから、中国残留孤児の訴訟で初めて国の責任を認めたというニュースについてです。日本に帰国した中国残留孤児が、生活支援など国の政策に誤りがあったと損害賠償を求めた裁判で、神戸地裁は12月1日(金)、国の責任を初めて認めました。同様の裁判は、全国15の裁判所に起こされ、原告は帰国した残留孤児の90%、約2200人に上っています。午前10時8分に、第一報をスーパーで速報した後、「正午ニュース」、「ニュース7」、「ニュースウオッチ9」でさまざまな角度から詳しく内容を伝えました。特に「ニュースウオッチ9」では、原告の1人で帰国後苦しい生活が続いていた71歳の女性の「うれしい、これでようやく“残留孤児”から解放されました」という声を伝えました。国は、神戸地裁の判決を不服として11日(月)に控訴しました。全体として、分かりやすく伝えていましたが、結論が異なった大阪地裁判決との違いも伝えて欲しかったと思いました。モニターのみなさんからは「原告女性の日常を取材して厳しい生活ぶりを紹介していたが、大規模な訴訟だけに、今後に及ぼす影響について解説がほしかった」などの感想が寄せられました。
 それから、北海道に津波警報などが出されたニュースについてです。11月15日(水)、千島列島でマグニチュード7.9の地震があり、北海道から東海にかけての沿岸に津波警報や注意報が出されました。午後8時30分、番組を中断して地上放送と衛星放送の全波で、千島列島で地震が発生し、気象庁が北海道太平洋沿岸東部とオホーツク海沿岸に津波警報、北海道から東海地方までの沿岸に津波注意報を出したと伝えました。予想される津波の到達時刻と高さを繰り返し読み上げ、住民に避難を呼びかけました。「ニュースウオッチ9」は、午後11時まで延長し津波警報を中心に伝えました。11時からの「特設ニュース」は、気象庁が津波警報を11時30分に注意報に切り替えたこと、「今回は第1波より後の津波の方が高い可能性がある」という東大地震研究所の都司嘉宣助教授のスタジオ解説を紹介しました。16日(木)の午前1時30分、「北海道〜関東・小笠原 津波注意報すべて解除」とスーパーで速報しました。16日の「ニュース7」では、伊豆諸島の三宅島で注意報解除後の午前4時9分、最大80センチの津波が観測されたことなどを伝えました。警報発表から分厚く対応し、公共放送としての存在を印象づけました。モニターのみなさんからは「キャスターが『津波は2回目、3回目が高くなることもある』『近所に声を掛け合って避難して下さい』とコメントしたのは具体的で良かった」などの意見が寄せられました。
 次にいくつかの番組について報告します。
 NHKスペシャル「もう医者にかかれない〜ゆきづまる国民健康保険〜」(12月3日放送)についてです。今年、全国で国民健康保険の保険料が大幅に引き上げられ、そのしわ寄せを主に受けたのは年金暮らしのお年寄りたちです。「保険料が高くて払えない」、「保険証が取り上げられて病院に行けない」など、「生活ほっとモーニング」などの生活情報番組に寄せられた600通余りの声をもとに、命の安全を脅かしかねない保険料値上げの波紋を追いました。番組では、年金による年収が約400万円のある老夫婦の2人分の保険料が42万円、去年より13万円も増え、生活費1か月分に相当する保険料になって衝撃を受けたケース、保険料が支払えなくなり、病院に行けなくなったケースなどを紹介しました。保険料の滞納が増えた背景には税制改正があり、老年者控除や公的年金の控除が廃止・縮小されたため、保険料以外の住民税や所得税、介護保険料がアップして、保険料が支払えなくなった事態に迫りました。所得格差にかかわらず、すべての人が必要な医療を受けられる国民健康保険の基盤が揺らいでいる現況を明かにしました。モニターのみなさんからは「視聴者の素朴な疑問から始まり、保険料が払えない人の実態や払わない人への対策など、さまざまな観点から問題を解決しようというスタイルが分かりやすく、堀尾アナウンサーの実直なリポートにも好感が持てた」などの感想が寄せられました。
 また、クローズアップ現代「どうする若者の“日本語力”」(11月8日放送)についてです。若者の日本語の能力が低下し、職場でトラブルが起きるなど大きな社会問題になっています。ゲストに全国の教育現場を取材し多くの若者と接している芥川賞作家の藤原智美さんを招き、若者の日本語力の低下の実態と背景、そして対策を考えました。番組では、ある工場で、機械の注文書に「差異」ができた場合は上司に連絡するように書かれていたが、その担当者の若者は「差異」の意味を知らなかったため上司に報告せず、大量に不良品が作られ大きな損害が出た例を取り上げ、その対策として、昼休みに若手の社員を集め、小説などの文章を手書きで書き写す勉強会を始めたり、全社員に漢字能力検定を受けさせ、合格すれば人事面で評価しやる気を引き出していることを紹介しました。モニターのみなさんからは「これまで国語力といえば進学面だけで議論されてきたが、学校を出た後の職場に視点を置いて、問題を掘り下げたのはすばらしかった」などの意見が寄せられました。
 ETVワイド ともに生きる「とまらない自殺 私たちにできること」(11月25日 ETV 午後8:00〜10:00)についてです。日本の自殺者の数は8年連続で3万人を超えました。スタジオに遺族や自殺未遂した人を招き、その声に耳を傾け、何ができるか考えました。ゲストはジャーナリストの江川紹子さん、自殺対策基本法成立に携わったNPO代表の清水康之さん等です。清水さんは、責任感が強く、家族思いの人が自殺に追い込まれるケースが多く、正直者がバカを見ない社会を作っていくことが大切だと語りました。自殺者を減らすためには、相談する窓口があることや、治療する施設があることを知ってもらい、相談に訪れてもらうことが第一歩であることがよく分かる内容となっていました。モニターのみなさんからは「自殺によって大切な人を失った遺族、自殺を思いとどまった人、助かった人などの体験談に、時には涙が止まらなくなった」、「自分には縁のないことと否定的に見ていた自殺。番組を見て、人ごとではない、苦しんでいる人に何かできないかと考えた」などの意見が寄せられました。
 続いて、ハイビジョン特集「天空の旅人 紅葉列島を飛ぶ」(11月27日 BShi 午後9:00〜10:30)についてです。モーターパラグライダーを操って空から映像を撮影するカメラマンの多胡光純さんが、北海道から東北にかけ、大雪山系、知床、下北、十和田湖、そして最上川に至る5か所に紅葉前線を追った旅の記録です。モーターパラグライダーからの紅葉の映像はダイナミックで変化に富み、土地の人々や子どもたちとの触れ合いも率直に描かれ、各地の紅葉の旅が満喫できる番組でした。モニターのみなさんからは「飛ぶ鳥の視線で眺めるハイビジョンの紅葉はコントラストが鮮やかで本当にすばらしく、自分も空を飛んでいるような気分になった」「スピード感と迫力にあふれた映像は臨場感があり、とても感動した。紅葉にも地域や山によってそれぞれ異なる表情や味わいがあることも分かった」などの意見が寄せられました。
 次に、「街道てくてく旅〜中山道完全踏破 祝 達成!」(12月1日 BS2 午後7:45〜9:00)についてです。9月16日に京都三条大橋を出発した元スケート・ショートトラック・オリンピック代表の勅使川原郁恵さんは放送当日の朝、日本橋に着き、中山道530キロの旅を達成しました。CATV23社の協力を得て、毎日、地元のCATVのアナウンサーと一緒に伝え、55回放送した映像を見ながら旅を振り返る「てくてく旅」の特別生番組です。人々との出会いや寄り道にもゆったりと時間を取り、旅を味わい深いものにしていました。回を追うごとに沿道の人たちも増え、関心が高まっていく様子がこの番組からもうかがえました。モニターのみなさんからは「勅使川原さんのアスリートらしい明るさと、さわやかな笑顔がすばらしかった。毎日の写真と花の絵を交えた旅の日記が番組に彩りを添えていた」「放送では知ることのできなかった中継終了後の様子をはじめ、取材や編集をするスタッフの仕事ぶりが紹介され、新鮮な驚きと感動があった」などの感想が寄せられました。
(金田理事)  NHKのニュースや番組についていい話を聞くことが多いのですが、一方でまだまだというところをしっかりと捉えて考査報告をしてほしいと思います。たとえば、いじめ問題の報道では、民放連が、WHOがメディア向けに作った「自殺予防の手引き」を添付して、加盟各社に取り上げ方や表現に留意するよう要請しました。このような動きも視野に入れて、NHKのニュースや番組について考査してほしいと思います。
(考査室)  いじめや自殺などの報道についての議論は承知していますが、NHKの報道や番組は、全体として抑制して伝えています。いわゆるセンセーショナルには伝えていないと考査室では見ています。しかし今後は、必要に応じてメディアをめぐる議論も視野に入れて考査にあたりたいと思います。
(原田理事)  いじめや自殺に関しては、早い段階で番組審議会の場や視聴者の皆さまから、さまざまな意見が届いています。今日理事会で紹介された「ETVワイド」だけでなく、その他の番組やニュースの中のシリーズなどとして伝えていますが、NHKとしてはこの問題を直線的に捉えるのではなく、教育、家庭、社会的な視点などさまざまな角度から、十分な配慮をして取り組んでいます。
(会 長)  考査室には、「放送法」、「NHK国内番組基準」にのっとって、NHKが不偏不党の立場を守って豊かでよい放送を行い、公共放送として視聴者の声などに十分応えているか等をみていく役割がありますが、それらの点を考査報告の中にさらに反映させてもらいたいと思います。

(2)平成18年11月全国個人視聴率調査の結果について
(放送文化研究所)
 11月の全国個人視聴率調査の結果について報告します。
 調査は11月13日(月)から19日(日)までの1週間、全国7歳以上の5,400人を対象に、配付回収法による24時間時刻目盛り日記式(個人単位)で実施し、有効数は3,524人、有効率は65.3%でした。なお、この調査による1%あたりの視聴者数は118万人です。
 この調査対象週には、15日(水)に千島列島沖でM8.1の地震が発生し、NHK全13波で臨時ニュースを放送していますので、この日は、通常の定時番組編成とは異なる編成になっています。
 まず、テレビ視聴の概況について説明します。
 NHKと民放を合わせた1日のテレビ視聴時間は、3時間58分でした。内訳は、NHKが1時間4分、民放は2時間54分となっています。視聴時間の傾向は10年前からほとんど変化していません。ただし、男女年層別にみると、NHKは男性60代の視聴時間が前年に比べ減少しています。
 平日の総合テレビの30分ごとの平均視聴率を見ると、前年に比べて、朝7時台後半と午後10時台が減少しています。
 次に、1週間に少しでもそのチャンネルを見た人の割合である週間接触者率についてです。総合テレビの週間接触者率は62.6%で前年と同程度でした。また、ハイビジョンは3.7%、ラジオ第2は3.8%で、それぞれ前年の2.3%、2.5%に比べて高くなりました。そのほかの波は前年とほぼ同様でした。NHKのテレビ全体では71.2%、ラジオを入れたNHKの8波全体では73.9%でした。
 また、総合テレビの週間接触者率は、2004年から2005年にかけてのような急激な減少の動きは止まりましたが、長期推移を見ると漸減傾向にあります。
 総合テレビの男女年層別の週間接触者率については、各層とも前年と変わりません。ただし、前々年と比べると男性の7〜12歳、40代以上、女性の20代、40代では減少しています。
 続いて、主な番組について報告します。
 総合テレビでよく見られている番組は、大河ドラマ「功名が辻」が15.8%、「NHKニュース7」(11月13日)が13.8%、連続テレビ小説「芋たこなんきん」(11月14日)が13.4%などでした。
 平日の「NHKニュースおはよう日本」6時台前半は5.0%、6時台後半は7.1%、7時台が9.2%で、前年に比べ7時台が減少しています。また、男女年層別視聴率を見ると、全体に比べ、男性60代以上、女性60代によく見られており、6時台後半と7時台は女性70歳以上にもよく見られています。
 総合テレビの午前5時から9時までの朝の5分ごとの視聴率を見ると、6時30分から6時50分と7時20分から8時の時間帯で、前年に比べ減少しています。
 朝の連続テレビ小説「芋たこなんきん」の視聴率は、12.8%で、前年と同程度です。よく見ているのは女性50、60代と女性70歳以上です。なお、衛星第2では、前年に比べ女性50代の視聴率が上昇しました。
 夜の主なニュースの視聴率については、「NHKニュース7」が12.2%、「ニュースウオッチ9」(津波警報に関する臨時ニュースを含む)が5.8%で、前年と同程度でした。男性女性とも60代以上でよく見られました。参考として、前年の「ニュース10」は4.5%でしたので、これに比べると「ニュースウオッチ9」の視聴率は高くなりました。午後の11時台の「スポーツ&ニュース」は前年の同時間帯の視聴率とほぼ同じです。
 続いて、平日午後8時台の視聴率についてです。火曜の「NHK歌謡コンサート」が12.5%と最もよく見られ、月曜の「鶴瓶の家族に乾杯」が11.1%、水曜の「ためしてガッテン」(津波警報に関する臨時ニュースのため午後8時30分まで)が11.0%と続いてよく見られ、この3番組は前年同時間帯よりも視聴率が高くなりました。
 木曜の「慶次郎縁側日記」は5.2%、金曜の「迷宮美術館」等(北海道、甲府、中部、近畿、九州沖縄は別番組)は4.0%でいずれも前年同時間帯の視聴率より低くなっています。
 平日午後10時台の各番組の視聴率は、前年同時間帯(「ニュース10」など)と比べて減少しています。この時間帯は、新年度で改定されるところですので、効果が期待されます。
 平日午後11時台の視聴率では、前年同時間帯とほぼ同様ですが、火曜「ドキュメント72時間」が1.3%で、前年に比べ少し下がっています。
 土曜・日曜の主な番組の視聴率については、「宮廷女官チャングムの誓い」が7.7%、「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」が6.2%などとなっています。大河ドラマ「功名が辻」は15.8%で、前年の「義経」とほぼ同程度ですが、男性50代以上、女性60代以上に特によく見られました。そのなかでも男性50代は26%で、「利家とまつ」以来の20%台の高い視聴率となりました。
 教育テレビでよく見られた番組は「アニメ忍たま乱太郎」、「味楽る!ミミカ」、「アニメ・メジャー」、「天才ビットくん」、「天才てれびくんMAX」などとなっています。
 衛星放送を受信できない人も含めた全員を分母とした衛星放送の週間接触者率は16.5%でした。ハイビジョンは3.7%で、前年は2.3%でしたので、高くなりました。
 衛星第1でよく見られた番組は、津波警報関連ニュース、サッカー、衛星第2では、朝の連続テレビ小説「芋たこなんきん」、「男はつらいよ寅次郎物語」、「BS日本のうた」、ハイビジョンでは「功名が辻」、「芋たこなんきん」、「大相撲九州場所」などとなっています。
 最後にラジオについてですが、ラジオ第1でよく聞かれた番組は「ラジオ体操」や早朝のニュースなどとなっています。
(中川理事)  ハイビジョンの週間接触者率が相当上がっていますが、この要因は何でしょうか。
(放送文化研究所)  BSデジタルの受信機が2,000万台を超えたこともありますし、個々の番組についても視聴率が着実に上がっているものもあります。また、大河ドラマ「功名が辻」を日曜午後6時に放送するなど総合テレビとは違った時間に編成していることなども視聴率の底上げにつながっているのではないかと考えています。
(中川理事)  総合テレビの週間接触者率が、長期的に見ると漸減傾向にあるということですが、これに歯止めをかけ、NHKをより多く見ていただけるようにしていかなくてはならないと思います。放送番組をより多くご覧いただき、そして同時に公共放送NHKを支持していただくという関係が重要だと思います。
(小野理事)  NHKを普段全くご覧いただいていない方々に視聴していただくことが必要だと思います。視聴率調査のなかで、接触者率を高めていくための方策を提言できるような分析をしてもらいたいと思います。
(放送文化研究所)  接触者率の向上については、編成局を中心に視聴者総局も含め対策を講じています。放送文化研究所としても、視聴率調査などのデータをもとに番組改定の提言をしていますので、これからも充実させていきたいと思います。
(小林理事)  視聴率調査のなかで、番組を視聴している理由を調べることはできないのですか。
(放送文化研究所)  この調査は、視聴量を把握することを主眼としたものです。これとは別に視聴者意向についてグループインタビューの手法などを用いて調査を行っています。また、一定期間、編成局が中心となって、番組を見た、あるいは見ない理由についての調査をしていますが、この視聴率調査の中で番組視聴の理由を聞き、精緻に分析することはなかなか難しいと考えています。
(小林理事)  難しいことはわかりますが、番組を視聴するしないの理由を総合的に分析しないことには数字だけの世界で対策を立てにくいと思います。
(放送文化研究所)  ご指摘の重要性は十分認識していますので、いろいろな方法を使って多角的に分析するようにしていきたいと思います。
(会 長)  接触者率の向上は、大きな課題ですから、その実現のために現場だけでなくわれわれも含めて全力で取り組んでいく必要があります。具体的な活動につなげるようあらゆる努力をしてほしいと思います。

(3)営業業績(平成18年11月末)
(営業局)
 18年11月末の営業業績について報告します。まず、放送受信契約の総数についてです。第4期(10月・11月)は、新規契約の拡大や地域スタッフの活動量が増えたことなどから2.0万件増加しました。
 また、衛星契約は、ケーブルテレビ事業者との連携強化などさまざまな取り組みを行い、6.5万件の増加となりました。
 次に、第4期における支払い拒否・保留数は、新たな発生数が1.9万件、一方、支払い再開数は8.8万件でした。また、転居先の不明により1.4万件が減少したことを含めて、差引マイナス8.3万件、累計では103.8万件となりました。
 口座振替から訪問集金への変更件数は、第4期は1.7万件でした。当年度収納額は第4期1,019億円で、前年度同期より21.4億円の増収となりました。年度累計では、4,005億円となり、前年度と比べると32.3億円の増収となっています。

(4)財政の現況(平成18年11月末)
(経理局)
 18年11月末の財政の現況について報告します。
 収支の施行状況について、事業収入は、4,226億円で施行予定額に対して81億円の増加となりました。また、昨年同月比では、受信料収入と関連団体からの配当収入等により36億円の増加となっています。事業収入の大半を占める受信料については、4,035億円の施行予定額に対し75億円の増加、昨年同月比で32億円の増加となりました。この受信料増加は、契約総数が伸び悩んだものの、収納状況が改善していることによるものです。一方、事業支出は4,057億円で、営業業績回復により契約収納費が増加しているものの、国内放送費等の減により、施行予定額に対し87億円減少しました。
 主な設備契約(2億円以上)については、10月、11月は6件です。そのうち、1件は随意契約で、放送局の地上デジタル放送携帯端末向けサービス対応の送出設備の改修に関するものです。随意契約である理由は、もともと地上デジタル放送の送出設備の契約時に競争契約を行い、業者を決定しましたが、今回はその送出設備を携帯端末向けサービス対応用に部分的に改修するためです。

以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成19年1月9日
                     会 長  橋 本 元 一   

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