第５章　視聴者関係業務の概況

１　広報及び理解促進・意向吸収活動等
(1) 広報活動
　広報活動の推進に当たっては、協会に対する視聴者の理解と支持を一層深め、放送番組の視聴を促進するため、各部門が連携して視聴者との総合的な回路の充実を図る“公開と参加”活動を中心に展開した。
　公共放送の役割及び存在意義、受信料制度への理解を一層深めるため、経営広報番組として、事業活動の現状や経営の方針などを伝えるテレマップ等を放送したほか、視聴者からの質問や要望に責任者が直接答える番組「土曜スタジオパーク−あなたの声に答えます−」等を放送するとともに、視聴者のさまざまなメッセージを紹介するスポット「みんなのメッセージ」等を通 じた公共放送キャンペーンを実施した。このほか、社団法人公共広告機構との共同キャンペーンとして、自然環境保護をテーマとするスポット等を放送した。
　視聴者との交流・ふれあいを図るため、放送センターにおいて、公開番組「スタジオパークからこんにちは」、家族で楽しめるイベント「ＮＨＫふれあい広場」等を実施したほか、松山局で公開番組「てれごじ。」を実施するなど、放送会館等において、公開番組や放送に関する展示等を実施した。さらに、会館ロビーを地域のサークル等の展示の場として開放した。全国の放送会館の来観者数は年間３２０万人（うち放送センターの「ＮＨＫスタジオパーク」の来観者数は８０万人）であった。また、小学生を対象に体験を通 じて放送への理解促進を図る展示車両「キッズＴＶ・ユメディア号」を首都圏各地で公開、運用した。
　衛星放送及びハイビジョン放送の普及と番組の視聴促進を図るため、放送による番組情報等の周知をはじめ、「おーい、ニッポン」等の視聴者参加の公開番組やイベントを実施するとともに、各種イベントに際しての広報印刷物の配布や屋外に設置された大画面 ディスプレイを活用した番組情報の提供を行うなど、周知活動を積極的に実施した。また、１２年１２月放送開始予定の衛星デジタル放送について、サービス内容等をわかりやすく紹介するスポット「ＢＳデジタルＱ＆Ａ」や特集番組により情報の提供に努めた。

(2) 理解促進・意向吸収活動
　会議等の場を通じて、視聴者の多様な意向の受け止めと相互理解の促進を図った。
　各分野から委嘱した委員による視聴者会議を全国５３か所で、それぞれ３回開催したほか、視聴者懇談会を全国で３３０回開催するなど、特に、若い世代や地域社会で活躍している視聴者の意向をきめ細かく把握するよう努めた。視聴者会議の実施状況については、放送を通 じて周知を図った。
　放送センター及び各放送局の視聴者ふれあいセンター・コーナー等に寄せられた視聴者の意見、要望、問い合わせ等に対しては、番組情報等をデータベース化した視聴者対応システムを活用するなど、迅速かつ適切な対応に努めた。
　視聴者から寄せられた意向は年間６０９万件であり、これらの意向については、業務への迅速、的確な反映に努めた。なお、視聴者意向の概要及び業務への反映事例を取りまとめ、公表した。

（視聴者意向件数の推移　資料２２）