NHK INFORMATION
業務報告書


 


第6章 放送設備の建設改修及び運用の概況


1 放送設備の建設改修

 (1) 放送衛星等の整備
 4月29日に打ち上げられた放送衛星BSAT−1bについては、機能確認を経て、8月1日、株式会社放送衛星システムから静止衛星軌道上で引き取り、BSAT−1の整備を完了した。なお、BSAT−1をバックアップする放送衛星BS−3Nの管制設備の補完整備を行った。
 また、平成12年打上げ予定の放送衛星BSAT−2について、株式会社放送衛星システムによる運用に備え、対応する衛星デジタル放送用地上設備の整備に向けた諸準備を取り進めた。なお、株式会社放送衛星システムに対しては、同社からの委託により、放送衛星関連技術の支援を行った。

 (2) 地上放送網の整備
 ア テレビジョン
 補完的な置局として、外国電波混信等による難視に対処するため、総合放送及び教育放送において、小矢部局(富山)及び足利局(栃木)を開設した。
視聴者の受信の便宜を図るため、総合放送において、米子局(鳥取)を島根県枕木山に増力移転した。

 イ ラジオ
 第1放送において、外国電波混信の増加に伴う夜間の聴取状況の悪化に対処するため、二ツ井局(秋田)を開設した。
 FM放送において、地形による難聴に対処するため、陸中川井局(岩手)を開設した。
 年度末で、放送区域は、第1放送が全国世帯の99.9%、第2放送が99.4%、FM放送が96%であった。

 ウ テレビジョン文字多重放送
 テレビジョン放送局の開設に伴い、総合放送の局に併設するテレビジョン文字多重放送局2局を開設した。

 (3) 放送設備の整備
 良質な放送を確保するため、放送設備の改善及び老朽設備の更新整備を進めた。
 報道取材設備及び番組制作・送出設備については、緊急報道時等における取材・中継機能の機動性向上、地域放送の充実等に資するため、通信衛星を利用するデジタル映像伝送ネットワークの構築を進め、放送センター、長野、新潟等18局で車載型の送信設備を更新整備するとともに、京都、神戸、金沢等29局に固定型の受信設備を整備した。また、ハイビジョン放送の充実に資するため、放送センター及び地域拠点局全7局にVTR一体型カメラを整備するとともに、放送センターのスタジオ及び編集設備の整備を行ったほか、地域拠点局全7局に編集設備を整備した。このほか、放送センターにおいて、教育放送での字幕放送開始に対応する設備整備を行うとともに、テレビジョン国際放送の放送時間延長に向けた設備整備を進めた。また、大分等3局で運行装置及びニュース送出設備等の更新を行った。
 テレビジョン放送所設備については、広島の放送装置の更新整備を進めたほか、災害時における電波の安定確保を図るため、彦根(滋賀)の給電線の整備を行った。
 ラジオ放送所設備については、熊本の大電力中波放送装置の更新整備を完了するとともに、秋田の大電力中波放送装置の更新整備を進めたほか、長野のFM放送装置の更新を行った。

 (4) 放送会館等の整備
 長野放送会館及び大分放送会館を完成したほか、大阪放送会館の建築工事を取り進めるとともに、放送技術研究所の建築工事に着手した。

2 放送設備の運用
 (1) 国内放送
年度末において、地上放送関係では、テレビジョンは、総合放送3,476局、教育放送3,403局、ラジオは、第1放送211局、第2放送140局、FM放送518局を運用した。テレビジョン文字多重放送については、総合放送系統の3,476局を運用した。また、FM文字多重放送51局を運用した。 (放送局の概要及び運用局数の推移 資料23〜26)
 このほか、地方自治体等が整備し所有する施設により、テレビジョンで、総合放送9局、教育放送10局、テレビジョン都市受信障害対策用SHF放送局として、総合放送、教育放送各2局、これら総合放送の局に併設するテレビジョン文字多重放送局11局を運用した。
 衛星放送関係では、放送衛星局として、衛星第1テレビジョン放送及び衛星第2テレビジョン放送各1局を、衛星放送の地上再送信局として、父島、母島、南大東各2局を運用した。また、ハイビジョン放送について、高精細度テレビジョン放送実用化試験局1局を運用した。
 このほか、固定局403局、基地局154局、携帯基地局143局、陸上移動局7,457局、携帯局2,106局、地球局21局、人工衛星局3局を運用し、取材、連絡、番組中継等に活用した。

 (2) ラジオ国際放送
 年度末において、KDD株式会社八俣送信所の送信機300kW7台、100kW4台、計11台を専用した。
 送信出力は、一般向け放送については300kW及び100kW、地域向け放送については、欧州向け、中東向け、アフリカ向け、極東ロシア向けが300kW、中米・北米・ ハワイ向け、アジア大陸向け、東南アジア向け、豪州・ニュージーランド向けが300kW及び100kW、南米向けが100kWであった。
 カナダ放送協会の委託による中継国際放送の送信出力は300kW及び100kW、ラジオ・フランス・アンテルナシオナル及びイギリス放送協会の委託による中継国際放送の送信出力は300kWであった。

3 放送技術審議会
 会長の諮問機関である放送技術審議会において、放送技術の大綱について審議を行った。 (委員名 資料27)


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