風疹の最新ニュース

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風疹ワクチン無料接種 2024年度まで延長へ 先天性風疹症候群防ぐ 2021年12月28日

妊娠中に感染すると生まれてくる子に障害が出るおそれがある風疹のワクチン接種で新たな動きです。
厚生労働省は今年度中に190万人の男性にワクチン接種を終える計画ですが、コロナ禍で接種率が4割に届いていないことが分かり、無料で接種できる期間を2024年度まで延長する方針です。

先天性風疹症候群とは

風疹は妊娠20週ぐらいまでの女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんが目や耳、心臓などに障害が出る「先天性風疹症候群」になるおそれがあります。

日本では風疹が繰り返し流行し、2012年から13年にかけての大流行では、45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されました。

男性のワクチン接種39%

厚生労働省は、風疹の流行を防ぐため、ワクチンの定期接種を受けていない1962年4月2日から1979年4月1日までに生まれたおよそ1500万人の男性に対し、2019年6月以降抗体検査を無料で受けてもらえるようにしたうえで、抗体がない人にはワクチン接種も無料で行っています。

計画では、今年度中に190万人の男性に接種を終える目標でしたが、コロナ禍で受診控えや健康診断の延期が相次ぎ、接種を受けた人はことし10月末までに74万人余りと39%にとどまっています。

無料の抗体検査やワクチン接種 3年間延長

このため厚生労働省は無料で抗体検査や接種を受けられる期間を2024年度まで3年間延長することを決めました。
新たな対策として、抗体検査を受けていない対象者には検査を無料で受けられるクーポンを毎年、全員に郵送するということです。
また、新型コロナウイルスワクチンの接種会場でも、風疹の抗体検査やワクチン接種を呼びかけることにしています。

欧米ではワクチンで流行封じ込め

3年前までWHO=世界保健機関の医務官でワクチン行政に詳しい、秋田赤十字病院の遠田耕平医師は、次のように指摘しています。

遠田耕平 医師
「世界で見ると、アメリカ、ヨーロッパは風疹の流行をワクチンによって封じ込めることができた。日本ではこれまでに感染した妊婦が赤ちゃんを諦めたり、生まれた赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されたり、悲しい過去が繰り返されている。今こそ対象の男性にはしっかりワクチンを受けてほしい。
日本から風疹をなくすための最後のチャンスだと思う。先天性風疹症候群で悲しむ患者や家族をこれ以上だしてはいけない」