風疹の最新ニュース

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母親らが風疹の予防接種など対策強化を要望 2019年08月22日

ことし風疹の患者が増加し全国で2000人を超える中、妊娠中に感染し子どもに障害が出た母親らのグループが22日、厚生労働省を訪れ、ワクチンの接種を促すなど対策の強化を求める要望書を提出しました。

国立感染症研究所によりますと、今月11日までに全国の医療機関から報告されたことしの風疹の患者数は2079人に上り、この時期までに2000人を超えるのは、大きな流行になった平成25年以来です。

こうした中、かつて妊娠中に風疹に感染し、子どもが、目や耳などに障害が出る「先天性風疹症候群」となった母親らのグループが22日、厚生労働省を訪れ、対策の強化を求める要望書を提出しました。

ことし、流行の中心となっているのは、子どものころにワクチンの定期接種の機会がなかった40歳から57歳の男性で、厚生労働省はワクチンを原則無料で接種できるクーポンを配布していますが、利用者はまだ一部にとどまっています。

要望書では、厚生労働省が3年かけてクーポンを配布する計画なのに対し、早急にすべての人に渡すことや、企業が健康診断の際に風疹の抗体検査を行うよう国が促していくことなどを求めています。

妊娠中に風疹に感染し子どもが難聴となった大畑茂子さんは「私は妊娠初期に風疹にかかり、出産にも反対されて命の選択も迫られた。風疹は防ぐことができる病気なので、ひと事とは思わず、ワクチンを接種してもらいたい」と話しています。

「風疹の予防接種や抗体検査のクーポン」利用伸びず

風疹は妊婦が感染すると赤ちゃんに障害が出るおそれのある感染症で、ことし、流行の中心となっているのは子どもの頃にワクチンの定期接種の機会がなかった40歳から57歳の男性です。

厚生労働省は、こうした人たちに対しことしからおよそ3年間掛けて、抗体検査やワクチン接種が原則無料で受けられるクーポン券を順次配布しています。

一度に希望者が殺到しないよう年齢に応じて段階的にクーポンを配布していて、1年目のことしは、昭和47年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性が対象となっています。

厚生労働省は、クーポンの配布によって、ことし、抗体検査はおよそ330万人、予防接種はおよそ70万人が受けると見込んでいますが、ことし4月と5月にクーポン券を利用して抗体検査を受けたのは12万5859人、予防接種を受けたのは1万6672人にそれぞれとどまっています。

これについて厚生労働省は、抗体検査や予防接種の必要性がまだ十分に浸透していない可能性があるとして、医療機関や企業などの協力も得ながらワクチン接種を強く呼びかけていきたいとしています。