風疹の最新ニュース

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風疹ワクチン 入手しにくい状況も 2013年06月25日

風疹の流行が続き、予防接種を受ける人が増えている影響で、一部の医療機関では風疹のワクチンが入手しにくい状況が起き、子どもの定期接種の予約の受け付けを一部で見合わせるなど影響が広がっています。

 

風疹とはしかの混合ワクチン、「MRワクチン」は法律に基づいて行われる子どもの定期接種として1歳と小学校入学前の合わせて2回、無料で受けることができます。
埼玉県川口市の「あかちゃんとこどものクリニック」では、毎月50人前後の子どもにMRワクチンを接種していますが、先週、卸売業者から「ワクチンが入手しにくい状況になっているため、月に数本しか納入できない可能性がある」と連絡があったということです。

 

クリニックでは24日の時点で在庫が10本余りしかなかったため、予約の受け付けを見合わせようとしたところ、25日になって急きょ20本が納入され、当面はしのぐことができるようになりました。
しかし、供給が不安定になっていることから、しばらくの間は1回も接種していない1歳児の接種を優先し、小学校入学前の子どもについては新たな予約の受け付けを見合わせています。

 

「あかちゃんとこどものクリニック」の田中秀朋院長は、「各地の小児科医からMRワクチンが入らなくなってきたという情報が日に日に増えている。2週間分は確保できたが、7月、8月がどうなるか、不安だ」と話しています。

 

在庫不足は青森でも
風疹が全国的に流行している影響で、青森県内では風疹とはしかを予防する混合ワクチンの在庫が足りなくなる病院が出ています。

 

妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに障害が出るおそれのある風疹は、ことし、すでに患者の数が全国で1万人を超え、去年1年間の4.5倍に上る大きな流行となっています。
青森県内では、患者の数は7人にとどまっているものの、予防接種を任意で受ける人が全国で急増した影響で風疹とはしかを予防する混合ワクチン、MRワクチンが不足する状況となっています。

このうち八戸市の市民病院では、先週以降、取引先の業者からMRワクチンが入らなくなり、大人を対象にした任意の接種で予約を一時中止しています。

 

病院でワクチン外来を担当している千葉大医師は「メーカーがワクチンの出荷を絞っている状況で、病院の在庫はかなり少ない。子どもの定期接種のワクチンの確保に、ぎりぎりな状態なので、流行している大人に提供するワクチンがない」と話しています。
そして、ワクチンは風疹を確実に予防する唯一の手段だとしたうえで、「国内のメーカーがワクチンの生産を増やしても供給には限界がある。海外から輸入して接種を希望する人に提供するのも1つの方法だと思う」と指摘しています。

 

この問題について青森県保健衛生課は、「妊婦の周辺にいる人や、妊娠を希望する人への接種を優先してほしいが、ワクチンそのものが不足するなかでは、人混みを避けたり、手洗いやうがいをしたりして、できる対策を取ってもらうしかない」と話しています。