ことし、風疹と診断された患者は、今月21日までに2000人を超え、引き続き、増加しています。流行の中心は免疫が十分にない一部の年代の男性で、専門家は、原則無料で受けられるワクチンを接種するよう呼びかけています。
国立感染症研究所によりますと、今月21日までの1週間に、全国の医療機関から報告された風疹の患者は22人で増加の伸びは鈍っているものの、ことしの患者数は2004人となっています。
この時期までに2000人を超えるのは、大きな流行になった平成25年以来で、去年夏から続く流行による患者数は5000人近くに上っています。
都道府県別のことしの患者数は、東京都が736人、神奈川県が246人、千葉県が176人、埼玉県が173人、大阪府が120人などと、首都圏が中心となっています。
風疹は、発熱や発疹などの症状が出るウイルス性の感染症で、妊娠中の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんの目や耳、それに心臓などに障害が起きる「先天性風疹症候群」になるおそれがあり、ことしに入ってからも全国で合わせて3人が、先天性風疹症候群と診断されています。
流行の中心となっているのは免疫が十分にない40歳から57歳の男性で、こうした人たちは原則無料で、免疫があるかどうか調べる検査やワクチンを受けることができます。
感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、「風疹は症状が出ないうちにもまわりに感染を広げるおそれがある。妊娠する可能性がある女性だけでなく、男性も無料の制度を活用するなどして積極的にワクチンを接種してほしい」と呼びかけています。