ライドシェア 条件付き解禁へ どう変わるの?
「ライドシェア」ということばを最近、よく聞くという方も多いのではないでしょうか?一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ「ライドシェア」。政府は新たな制度を創設し、来年4月から一定の条件のもとで解禁する方針を決めました。制度の詳細は年明け以降の議論で決まります。国土交通省を担当する樽野章記者、今後の注目点などを教えて!
新しい制度ではタクシー会社の管理のもとで一般のドライバーが都市部や観光地などでも有料で人を運ぶことができるようになると聞きました。
なぜ、管理をタクシー会社に限定するの?
安全にサービスを提供することが最も重要なので、まずはノウハウのあるタクシー会社の管理のもとでスタートしてみようということです。
国土交通省によると、事故が起きた場合などの責任は最終的にはタクシー会社が負うことが大前提だということです。
そのため、必要な安全講習や、健康状態のチェックなども2種免許を持つタクシードライバーのように高い水準が求められることになりそうです。
一般のドライバーが自家用車を使うサービスは、いわゆる流しで乗ることはできるの?それとも配車アプリを通じて呼ぶ?値段はタクシーよりも安くなるの?
気になりますよね。
でも、そのあたりの詳細な制度設計はこれからだということです。
来年3月までに決める必要があるため、年明け以降の議論に注目です。
また、タクシー会社以外の事業者が参入できるかどうかは、来年6月までに結論を出す方針です。
まだ決まっていないことも多いんですね。今後のポイントは?
大きなポイントは2つです。
1つはアメリカなどと同じようにタクシー会社以外の事業者の参入を認めるかどうかです。
ドライバーの労働環境をめぐる議論も行われています。これについて、全国ハイヤー・タクシー連合会は、「過度な競争が生じることで、いわゆるギグワーカーが増え、結果的に低賃金で働く労働者が増えるのではないか」と主張しています。
一方で、内閣府の規制改革推進会議のメンバーで経営者などでつくる有志の会がまとめた提言では、稼働しても利用者が少ない時間帯も働くいまの形態のほうが、むしろ、低賃金で働くことにつながりかねないなどと指摘しています。
もう1つのポイントは?
一般のドライバーとタクシー会社の間の契約をどうするかです。
雇用契約を結んだほうが社会保険への加入なども含めて安心して働けるという指摘がある一方で、業務委託としないと、副業などで空いた時間に働く一般ドライバーには参入障壁が高いとか、ベビーシッターや介護など命を預かるほかの仕事では業務委託が認められており、同じように認めるべきだという指摘もあります。
まだ煮詰まってないことも多い気がしますね。
そうなんです。
ライドシェアをめぐっては、ことし秋から本格的な議論が始まり、来年度からの新たな制度の創設は決まりましたが詳しい制度設計はこれからですし、論点も多く残されています。
利用者目線で安全に移動できる手段となるのか、今後の議論に注目したいと思います。
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