生成AI「ChatGPT」登場から1年
生成AI「ChatGPT」の登場から1年がたち、試しに使ってみたという方もいるのではないでしょうか。仕事の効率化につながるとも言われていますよね。実際のところ普及はどうなっているのか?その課題は?経済担当の小坂隆治デスク、教えて!
公開から瞬く間に急拡大してきたという印象があるけれど、実際のところ利用は広がっているの?
こんな調査があります。
企業を対象にしたものですが、利用していると答えた割合は日本は7%となっています。
一方、アメリカでは51%。利用する目的では、文章の作成など「いまの業務の効率化」が大半を占めていて、あとは「新規事業での活用」や「教育・研修の高度化」などがあります。
それにしても日本とアメリカでけっこう大きな差がある。どうして?
日本では「経営層の関心が低い」「利用に抵抗感がある」こうしたことが背景にあるとしています。さらに、業務で使えるようにするカスタマイズができるIT人材がいないことも理由として挙げられます。
安全性などへのリスクの懸念もありそう。
規制やルールは当然、必要です。日本でも国が準備を進めています。
ただ、大事なのはそのスピードで、新たな動きも出てきました。
生成AIの安全性や正確性などにお墨付きを与える認証制度を作ろうというもので、大手企業など20数社が集まって具体的な基準などを検討します。来年4月のスタートを目指し、完成した認証制度を広く多くの企業が使うことを想定しています。
企業が主体となっているんだね。
そこが大きなポイントです。企業が主体となって動き出すことで生成AIの活用を加速させるねらいがあります。
一方で、企業がみずから安全性などへの責任を負うという動きでもあるんです。
かつての蒸気機関が登場した産業革命や、馬車にかわる自動車の登場のような歴史の転換点は、あとになってから分かるものです。
もし、いまの生成AIが同じだとすれば、このまま日本が取り残されることは考えたくないですよね。
日本は、少子高齢化や深刻な労働力不足という社会課題を抱えるわけですから、その解決の手段の1つとして、安全性や信頼性の対策のスピードをあげながら、国と企業が一体となって取り組んでいくことを期待したいところです。
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