NEW2023年03月10日

最近よく聞く「代替卵」って何?

スーパーの店頭に並ぶ卵パックの価格、本当に高くなりましたよね。ファミリーレストランでは卵を使ったメニューがなくなる事態にもなっています。そうしたなか、「代替卵」というものをよく聞くようになりました。いったいどんなものなの?取材にあたった西潟茜子記者教えて!

代替卵って卵じゃないけど卵のような食べ物?

代替卵は卵の代用品で、豆乳などの植物性原料を使って卵の風味や食感などを再現した食品なんです。

液卵に似せた形で加工品の原材料に使ったり、オムレツに似せた完成品のような食品もあります。

西潟記者
西潟記者

じゃあ、いま高騰したり供給不足になったりしている卵の代わりになるのかな?

一概にはいえないんですよ。

卵は物価の優等生と言われるほど低価格、安定供給を実現してきたから、それと比べると代替卵はもともと卵よりも価格が割高なんです。

これまでは食物アレルギーのある人や、食事制限をしている人、動物性食品を避けるビーガンなどの人たち向けに作られてきました。

西潟記者
西潟記者

でも、卵の価格が高すぎたり、手に入りにくくなったりすれば、代替卵はもっと広がるのかな?

そうなるかもしれませんね。

代替卵を手がけている東京のベンチャー企業の代表に取材すると、こんなことを話していました。

UMAMI UNITED JAPAN 山崎寛斗社長
「これまではアレルギーやビーガンの人たち向けでしたが、今年に入ってからは99%が卵の価格高騰や供給不足に悩む食品関連企業や飲食店からの問い合わせや相談になっています」

西潟記者
西潟記者

レストランで卵料理のメニューがなくなるのは、たしかに避けたいよね。

ただ、代替卵への注目は、これだけでないんですよ。

先日、大手食品メーカーのキユーピーが卵などの動物性原材料を使わない植物由来の食品事業を大幅に強化すると発表したんです。

この会社、マヨネーズの原料などに使う卵の量は、国内生産量の1割にのぼっているんですよ。

西潟記者
西潟記者

すごいね!卵をたくさん使う会社がどうして卵を使わない食品事業を強化するの?

それは、消費者の意識の変化があるんです。

「エシカル消費」と呼ばれている消費行動で、環境問題や社会問題に配慮した商品をあえて選んで買うという消費者が増えてきているんです。

西潟記者
西潟記者

僕も脱プラスチックのために、紙のストローを使うカフェを利用するようにしているよ。

それもエシカル消費だね。

そうですね。

代替卵や代替肉のような植物由来の食品を選ぶことは、将来の食料危機やアニマルウエルフェア(動物福祉)を考慮したエシカル消費になるんです。

ほかにも、毛皮や皮革ではなく、フェークファーや人工皮革を使ったファッションを選んだり、フェアトレードと呼ばれる途上国を先進国が搾取しない取引によって調達したコーヒー豆を使うのもエシカル消費なんですよ。

西潟記者
西潟記者

エシカル消費は、その商品を作る企業の取り組みにも注目しているんだね。

エシカル消費は、社会貢献の取り組みと、実際に商品を購入する経済の側面が組み合わさっています。

消費者の行動が企業の取り組みを促し、企業の価値も向上していく。

経済を回していく1つの手段とも言えますね。

西潟記者
西潟記者