まもなくレジ袋有料義務化 対象は?値段は?
来月1日から、全国の小売店でプラスチック製のレジ袋の有料化が義務づけられます。小売店といっても、具体的にどんな店が対象になるのでしょうか。そして気になる値段は?小売業界を担当している嶋井健太記者・仲沢啓記者、教えてください。
全国の小売店で義務化されるとのことですが、例えば、どんなお店が対象になるの?
嶋井記者
コンビニ、スーパー、衣料品店、本屋、商業施設など、プラスチック製の買い物袋を扱うすべての小売業が対象になります。小売業でなくても、美容サロンで美容品を販売する場合や、飲食店のテイクアウトでも、有料化の対象になることがあります。
有料化によってマイバッグなどの利用を促し、プラスチックごみの削減につなげようというねらいです。
すべてのレジ袋が有料になるんですか?
仲沢記者
すべてのレジ袋が対象になるわけではありません。対象となるかどうか判断する際の主なポイントは、「素材」、「持ち手の有無」、「商品を入れるか」です。
まず素材ですが、石油などの化石資源からできたプラスチック製のものが対象です。植物を原料にした素材が25%以上含まれているものは、対象外です。
また「持ち手」のついていないものも対象外です。
さらに、袋の中身が景品や試供品など、商品以外の場合も対象にはなりません。厚さが0.05ミリ以上あって、繰り返し使えるものも対象外です。
けっこう複雑ですね。
嶋井記者
今のところ、スーパーやコンビニの多くでは、有料となる見通しです。
ただ、外食チェーンでは、素材の違いなどから持ち帰り用のレジ袋が有料になるところと、無料になるところが出てきそうです。例えば、マクドナルドや吉野家は、植物を原料にした素材が25%以上のレジ袋を使うため、7月1日以降も持ち帰り用のレジ袋は無料とする方針です。
気になる値段なんですが、一枚いくらくらいになるの。
仲沢記者
値段は店側が自由に決める事ができますが、スーパーやコンビニなどでは普通のサイズでおおむね3円前後とするところが多いようです。
このうち大手コンビニでは、植物を原料にした素材が25%以上のレジ袋に順次切り替える予定ですが、「プラスチックごみの廃棄量削減のため」に有料化し、一部を除いて3円とする方針を決めています。
有料化で本当にプラスチックごみの削減につながるのですか?
仲沢記者
一定の効果はあると思います。
全国のスーパーが加盟する日本チェーンストア協会によりますと、2019年3月時点で、全体の4分の1にあたる2615店舗がレジ袋を有料化しています。これに伴い、レジ袋を利用しない人の割合=辞退率はことし3月時点で57.21%と、10年前の25.02%に比べ倍以上になっています。
ただ、6年前に辞退率が50%を超えてからは頭打ちの傾向が見られるということです。その理由について、日本チェーンストア協会の井上淳専務理事は、次のように話しています。
「今まではレジ袋を有料化するとサービスが悪いと客から嫌われ、無料の店に客が流れることもあった。一部の店舗での取り組みでは限界もあっただけに、7月1日からの有料義務化は“レジ袋は無料で使い放題”という意識を変え、削減がさらに広がるきっかけになると期待している」
7月1日を待たずに有料化しているところも多いようですが、課題もあるようですね。
仲沢記者
その理由の一つが、新型コロナウイルスの感染拡大です。ミニストップでは、感染拡大を防ぐため、マイバッグを持参した客に対しては要望がなければ自分で袋詰めをしてもらうことにしています。
このため、お昼どきなど利用客が集中する時間帯は、レジで袋詰めをする客などで混雑することもあるそうです。
とはいえスーパーのように袋詰めをするスペースを作るのは難しいということで、セルフレジの導入を進めるなどしてレジ袋の削減と、感染防止対策の両立を図りたいとしています。
レジ袋の有料化は財布に負担ですが、プラスチックごみが地球にかける負担は深刻です。レジ袋の年間の消費量は、国内で1年間に出るプラスチックごみの量の3~4%程度と試算されていますが、有料化はこれまでの生活スタイルを見直すきっかけになるかもしれません。
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