NEW2019年12月06日

スパイスカレーって知ってる?

ことし最も世相を反映した食を選ぶ「今年の一皿」に選ばれたのは、タピオカ。でも実は、ノミネートされながら「今年の一皿」に選ばれなかった食が3つあるんです。その1つが「スパイスカレー」。大阪を中心にブームになっているというのですが…どんなカレーだか知っていますか?大阪放送局で勤務していたことがある山下忠一郎記者、教えてください!

「スパイスカレー」って、最近よく聞きますけど、実際どういうカレーなんですか?

山下記者

「今年の一皿」を発表している「ぐるなび総研」は、スパイスカレーについてこう定義しています。「複数のスパイスを組み合わせ、一般的に小麦粉を使用しないカレーを指す」

「今年の一皿」にスパイスカレーをノミネートした理由については「近年のスパイスブーム」や「日本でも多種多様なスパイスが入手しやすくなり、飲食店は創意工夫を打ち出しやすく、消費者も自分好みのカレーを探す楽しみが増えた」などとしています。

カレー研究の第一人者とも言われる「カレー総合研究所」の井上岳久代表などによりますと、一般的に提供されるドロッとしたカレーは小麦粉が入っていて欧風カレーと言われますが、スパイスカレーは店主それぞれが選んだ複数のスパイスを自由に組み合わせて作るものだそうです。

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あるスパイスカレーの店の方は「スパイスカレーに具体的な定義はない。異なるスパイスとスパイスがぶつかり合うものだ」と話していました。市販のカレールウを使うのではなく、世界中の多種多様なスパイスを組み合わせて、その人その店でしか作れない味をつくり出すのがスパイスカレーの魅力のようです。

タピオカほどではないですが、静かなブームになっているようですね?

山下記者

2011年ごろに大阪で人気に火がついて次第に広がったようです。最近は大阪だけでも200軒ぐらい店があるのではないかと話しているカレー店の店長もいました。そしてここ数年は、東京でも店が増えているようです。

大阪の人気店が、おととし東京の1号店としてオープンさせた東京・下北沢の店を実際に訪ねてみました。平日のランチタイムでしたが、若い世代を中心に多くの男女が行列していました。

この店は、およそ30種類のスパイスを使っていて、月ごとに違ったスパイスカレーを提供しています。

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この日、私が選んだカレーにはターメリック、コリアンダー、カルダモン、カスリメティといったスパイスが使われていました。チーズやマヨネーズ、ほうれんそうといった食材も使われ、和風の甘辛仕立てという感じです。見た目も小ぎれいで、私も思わず写真を撮りました。

なるほど。新しいトレンドとして広がっていきそうですか?

山下記者

日本ではカレー好きな人が多いですし、多種多様なスパイスをインターネットや店頭でも手に入れやすくなっているので、興味を持つ人は増えていると思います。また、SNSを通じてスパイスカレーの画像や情報が拡散して、「変わったカレーを食べてみたい」という人たちの欲求を満たす環境もできています。

下北沢のカレー店の藤田一也マネージャーは、「スマートフォンやSNSの普及がスパイスカレーにとって追い風で、少なくとも数年の間は今後も広がっていくのではないか」と話していました。

私自身は外食でカレーというとチェーン店で食べる機会が多いのですが、スパイスカレーについて調べてみると、さらに知ってみたいと思うようになりました。こんなふうに、スパイスカレーのとりこになる人が増えていくかもしれませんね。