ファミレスが年末年始に休業 どう思う?
何かとイベントの多い年末年始。家族や友人と外食する機会も多いのではないでしょうか?
でもファミリーレストランに足を運ぶ人は、この年末年始は少し減るかもしれません。
というのも、ファミレス大手の店舗が大みそかから元日にかけて休業したり、営業時間を短縮したりする動きが相次いでいるんです。
いったいなぜ? 経済部の嶋井健太記者、教えて!
すかいらーくホールディングスが、年末年始にかけて一斉に休業にするとニュースで見ました。 元日は「ガスト」や「バーミヤン」で食事するのを楽しみにしていたのですが、もう行けなくなってしまうということですか?
嶋井記者
行けないというわけではないのですが、大みそかの午後6時から元日の正午にかけて休業します。
休業は、ガストやバーミヤンなど、すかいらーくのグループのおよそ3200店舗のうち2694店。この規模で一斉に休業にするのは初めてだそうです。
初詣などで多くの人が訪れる寺や神社の近く、それに観光地では通常どおり営業する店舗もありますが、それでも全体の84%にあたる店が休業するので、「ファミレス好き」の人は残念ですね。
私も高校生のころ、友達どうしで深夜に初詣に繰り出す前にファミレスで楽しく食事をした思い出があるので、その気持ち、わかります。
売り上げも落ちそうですが、なぜ休業するのでしょう?
嶋井記者
働き方改革の一環だと会社は説明しています。というのも、これまで従業員から年末年始をゆっくり家族で過ごしたいという要望が強く寄せられていたそうなんです。
従業員が働きやすい環境を整えて、新年から仕事に集中してもらおうということですが、採用活動などで「働きやすい職場」だということをアピールするねらいもあるようですよ。
休業で、ほかのファミリーレストランに客が流れる心配はないのですか?
嶋井記者
実は、年末年始に休業する動きは、最近、外食産業で広がってきているんです。
ロイヤルホールディングスは、「ロイヤルホスト」と「カウボーイ家族」で、一部の店舗を除いて2018年から元日を丸一日休業していますが、ことし2019年は初めて大みそかも休業します。
ロイヤルホールディングスによりますと、もともと元日は「ふだんの週末より売り上げが多い」という書き入れ時で、初めて元日を休みにした2018年1月の売り上げが前の年より2.1%下がったそうです。
ただ、「心身が十分に休めたことで従業員の仕事に対するモチベーションも上がり、一定の効果があった」としています。
実際、元日に休んだことがすべての理由ではありませんが、結果として2018年、1年間の売り上げは前年より3.2%伸びているんです。
ほかにも、ラーメンチェーンを展開する幸楽苑ホールディングスは大みそかの午後2時から元日を休業。定食チェーンの大戸屋ホールディングスも大みそかと元日の休業を検討しています。
売り上げに影響しても、従業員の待遇を考えないといけない時代なんですね。
嶋井記者
そうですね。外食産業では慢性的な人手不足に悩まされています。
こうした中、働きやすい環境に改善することは、パートタイマーやアルバイトの従業員を集める上でも大切ですし、現在の従業員に、よりしっかりと働いてもらい生産性を上げることが企業の戦略にとっても無視できなくなっているということなんです。
私自身も、外食産業で働いているわけではありませんが、年末年始は家族とゆっくり過ごし、新たな年の英気を養いたいと思います。
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