なぜ上限額を設定?ポイント還元

消費税率が10%引き上げられるのに合わせて、政府が導入するキャッシュレス決済のポイント還元制度。ことし10月から9か月間、中小の店舗で商品を買うと、購入額に応じて原則5%ポイントで還元する仕組みです。政府は、この制度で還元するポイントに上限を設けることになりました。

なぜ、ポイントに上限を設ける必要があるんですか?

実は当初は「クレジットカードなどの利用限度額までなら、いくらでもOK」という方針だったそうよ。でも、新年度予算でこのポイント還元制度に充てられる予定なのは、約2800億円。カードの利用限度額は、カード会社の審査で決まるけど、中には200万円とか300万円を超えるケースもあるから、多くの人が高額の買い物をすれば、予算がなくなってしまうおそれがある。

だから、政府は決済事業者に対し、還元するポイントに1人当たりの上限額を設けるよう求めることなったというわけ。

なぜ、政府が統一した上限額を決めないんですか?

ポイント還元の対象となるキャッシュレス決済は、クレジットカードや電子マネー、QRコードなどさまざまな手段があり、それぞれ利用限度額が違うので、政府が一律に上限額を決めるのは難しいということになったんだって。

ただ、上限額を決めても「複数の会社で使い分ければ、相当な額のポイントを得ることができるのではないか」という指摘が新たに出ている。

高額の買い物をする高所得者がポイントを独占してしまうことも心配されますよね。

政府は、この制度は低所得者への支援ではなく、あくまで消費増税による売り上げの落ち込みが懸念される中小企業への支援策だと説明している。低所得者に対してはこれとは別にプレミアム商品券などで支援したいとしているの。ただ、特定の人がポイントを独占するのはよくないから、カード会社が設定する上限額が高すぎる場合は、修正を求めることもあるんだって。

そもそも、どういうものにポイントがつくんですか?

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基本的には、中小の店舗で売られる幅広い商品やサービスにつく。対象外になるのは、換金性の高い商品券や切手、保険が適用される医療・介護サービス。ほかに支援策が実施される新築住宅や自動車も除外される。

一方で、たばこは、法律で定価での販売が義務づけられているため、還元によって事実上の値下げになるとの指摘も出ていたけど、問題ないと判断され、対象に入れることになったんだって。

対象の店舗の条件や商品・サービスの詳細は、4月上旬には公表される予定。複雑な制度なので、わかりやすく説明してほしいよね。