NEW2019年01月30日

自動車世界一は? 日産・ルノーはどうなった

世界の自動車メーカーの去年1年間の販売台数が発表されました。前年の2017年に世界2位に浮上した日産自動車、フランスのルノー、三菱自動車の3社連合が、トップに上り詰めるのか、トヨタ自動車が伸びたのか…。

結局、トップの座はどうなったんですか。

ドイツのフォルクスワーゲンは、アウディやポルシェなどを含めたグループ全体の世界での販売台数が1083万4000台(前年比0.9%増)となってトップ。

2位は、日産・ルノー・三菱の3社連合。1075万6875台と、前年よりも1.4%増えたけど、フォルクスワーゲンを抜くことはできなかった。

そしてトヨタは、ダイハツ工業と日野自動車をあわせて1059万4000台で(2%増)、3位だった。

3グループとも過去最高の販売台数を記録し、順位は変わらなかったけど、日産とトヨタはともに、トップとの差を少しだけ縮めた。

日産・ルノー・三菱の3社連合は、カルロス・ゴーン前会長が逮捕された事件の影響は出なかったのでしょうか。

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ゴーン前会長が逮捕されたのは11月19日だったし、それが直接、販売に大きな影響を及ぼしたということはないんだけど、日産自体の販売台数は、世界で565万台余と前年よりも約3%減った。

北米市場で販売が振るわなかったのが原因なんだって。その分、ルノーがアメリカ、ロシアなどで、三菱自動車がインドネシア、ロシアなどでそれぞれ販売を伸ばし、2位を維持した形なの。

フォルクスワーゲンは、3年連続のトップ。強いですね。

そうね。世界最大の自動車市場の中国でのシェアが約15%と、トップに立っているのが大きい。その中国での販売は、去年、米中の貿易摩擦などを背景に0.5%の増加にとどまったんだけど、南米とロシアで大きく販売を伸ばしたことも貢献している。

この上位3社の争い、ことしも激しくなりそうですね。

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世界の自動車市場は、アメリカ市場が頭打ちになっているし、中国でも去年1年間の新車販売が28年ぶりに前の年を下回るなど、減速傾向が出ている。

こうした中で、日産のグループは、2022年に世界で1400万台以上販売するという目標を掲げている。ゴーン前会長が退いたあとの、3社連合の経営体制が不透明ななか、ことし、どこまで伸ばせるか注目される。

一方、かつて世界トップに君臨し続けてきた4位のGM=ゼネラル・モーターズは、ひたすら販売台数を追う戦略から脱皮しようとしている。インドやヨーロッパ市場からの撤退に加えて、最近、アメリカの5工場の閉鎖も決めた。その分の経営資源をライドシェアや自動運転の開発にあてる戦略で、この先のメーカーのあり方を示していると一部では言われ始めてる。

各メーカーの販売にとどまらない新しい戦略にも注目していきたい。