NEW2018年10月16日

衝撃の時短! ユニクロ “本気”の自動倉庫とは?

ユニクロで世界一の衣料品チェーンを目指す「ファーストリテイリング」。ネット通販の強化に向けて、“本気”の自動倉庫を作りました。ポイントは、注文を受けてから発送までわずか15分、従来より最大95%超の時短を実現したという徹底した効率化。ネット通販事業拡大の切り札として、世界に展開させる計画です。

ユニクロの新しい倉庫って、すごい自動化が進んでるって聞きました。

ファーストリテイリングが、東京・江東区に整備した倉庫のことね。ユニクロのヒートテックやエアリズムなどネット通販で扱うすべての種類の商品を保管し、客先へ発送する拠点なの。

ほとんどの工程が自動化されていて、注目されているのがその効率性。注文を受けてから商品を発送するまでにかかる作業時間は最短で15分。以前は8時間から16時間かかっていたと言うから、率にして最大95%以上も作業時間を短縮できたことになる。

ニュース画像

95%以上も効率化したって、どうやって達成したんですか?

この倉庫、2年前からネット通販の物流拠点として稼働していたんだけど、効率化がうまくいかなくて、延べ床面積は東京ドームより広いのに、ほとんどの工程を従業員による手作業で行っていた。

今回は、大阪の物流システムの専門会社と提携し、注文を受けてから発送するまでの工程をほぼ一貫して自動的に行えるようにしたの。従業員の数は以前の1割で済むようになったそうよ。実は、私も現場を見る機会があったんだけど、とっても広い倉庫なのに、ほとんど従業員の姿を見なかったわ。

ニュース画像

ヒトの手や目じゃないと対応できないような工程もあるような気もするけど、どうやってクリアしたのかな?

例えば、商品が入った段ボールを発送先の地域ごとに仕分ける作業では、以前は従業員が段ボールのラベルに書かれた住所を目で確認して仕分けていたんだけど、新たに発送先の地域を読み取る機械を導入して、自動的に段ボールを仕分けてくれるようになったの。

このほかにも、注文された商品の量をセンサーで計測する機械もあって、内容量にあわせて自動で最適な大きさの段ボールを用意してくれるわ。こうした作業の自動化を全体で進めて、注文から発送までの時間を大幅に短縮した結果、全国のほとんどの地域で注文の翌日に受け取りが可能になったとしている。

ネット通販を強化するためとはいえ、設備投資は巨額になりそうですね。そこまでやらないといけないのですか?

アパレルのネット通販では、国内では「アマゾン」や「ZOZOTOWN」というライバルがいて、当日配送や翌日配送などをうたいスピードを競っている。ファーストリテイリングとしてはシェアを伸ばすためには、配送のスピードアップを含めたサービス向上がポイントだとしている。そのためには効率的な物流システムの整備が欠かせないということ。倉庫の自動化にかかる費用は、1か所でおよそ10億円から100億円。会社では総額1000億円を投じる考えを示している。

ニュース画像

とすると、海外事業の強化を打ち出してるユニクロだけに、やっぱり自動倉庫も海外展開するのかな?

ユニクロは世界一のアパレルチェーンを目指している。衣料品のネット通販は世界的にも拡大しているから、世界一になるためにはこの分野を攻略することは不可欠。自動倉庫は、その切り札というわけ。柳井社長も「商品をいち早く届けるため、最短の時間で世界中に『自動倉庫』を作りたい。できれば2年から3年のうちに成し遂げたい」と話していて、スピーディに世界展開する考えを強調して、本気度を示しているわ。