NEW2018年09月08日

マグロをもっと取りたい!日本の提案に各国は

すしや刺身に欠かせない魚の代表格が、「本マグロ」とも呼ばれるクロマグロ。このうち日本近海などの太平洋にいる「太平洋クロマグロ」を取れる量は、いま、厳しく制限されています。この漁獲量の制限を緩めるかどうかを話し合う国際会議が7日まで福岡で開かれました。日本が行った提案に、参加国の反応は?

本マグロ、僕も大好きですが、高いのであまり食べられません。でも、漁獲量が制限されているなんて知りませんでした。どうしてなんですか?

量が少なくなってしまったからなの。

太平洋クロマグロは60年近く前からどんどん減っていって、8年前の2010年にはピークの時の1割程度にまで落ち込んでしまった。

太平洋クロマグロの親魚資源量の回復予測

原因はいろんな説があるけれど、その1つは取りすぎだと言われている。

クロマグロを食べるのは、ほとんどが日本人なので、海外から「日本の責任だ!」と批判を浴びることになった。

それで日本やアメリカ、韓国などが参加する国際会議で、クロマグロを取り尽くさないようにきちんと管理する方法を話し合った結果、3年前から取る量を制限しようということになった。

つまり、マグロ漁を行う国や地域ごとに、漁獲量の上限(漁獲枠)を設けたわけ。

福岡で開かれていた国際会議では、日本は、その制限を緩めてほしいと提案したんですよね。

そうなの。クロマグロの量を調べている機関によると、2010年に最低レベルに落ち込んだ後、少しずつ増えているんだって。

日本は、これまで取るのを我慢してきて、回復したんだから、これまでの規制を少し緩めて、漁獲量の上限を来年から15%増やしたいと提案したわけ。

今までの厳しい制限で、北海道などでは漁ができなくなった漁師さんたちもいて、「このままでは生計が成り立たなくなる」という切実な声も出てきていたからね。

日本の訴えは、認められたんですか?

それがね、日本の提案に賛成したのは韓国と台湾だけだったの。

アメリカやクック諸島などのメンバー国は、クロマグロの資源が回復している途中の段階だから、漁獲量を増やすのは、今はまだ早いとして日本の提案に反対したの。結局、今回の会議では、漁獲量を増やすことは認められなかった。

その代わり、来年の会議で、クロマグロの資源量が回復していることが最新のデータで確認されれば、漁獲量を増やすことを、もう一度話し合いましょうという提案が議長から出され、日本以外は賛成したの。

日本は、これに直ちに賛成はしなかったんだけど、一度持ち帰って漁師さんたちに説明したうえで、合意したいとしている。

もうちょっと我慢が必要だということですね?

そうね。厳しい制限がまた続くことになるわね。

来年に向けては、クロマグロの量がしっかりと回復していることが必要になってくるから、今後もクロマグロを取る量を守っていかないといけないということね。

クロマグロの量が順調に回復していくといいですね。