NEW2018年06月12日

ノンアルコールビールまで 透明な飲み物増加 なぜ?

登場から10年余りで急速な成長を遂げてきた、いわゆる「ノンアルコールビール」。ただ、ここ数年は需要が頭打ち気味。そんな状況を打開しようと、ビールメーカーが「ペットボトル入り」や「色が透明」といった、ちょっと変わった商品を相次いで売り出しています。それは、どうしてでしょう。

店で売っているビールって、基本的に瓶か缶ですよね。ペットボトルだと、一度飲んでもキャップを閉めることができるから確かに便利そうだけど、そういえば、どうして今まではなかったんでしょう?。

ペットボトル入りのノンアルコールビールは、サントリーが6月に、アサヒが7月に相次いで販売を始める。ビールは日光にあたると品質が落ちてしまうので、光を通しにくい瓶や缶が使われてきたの。

それに、ビールはやっぱり冷えているうちに飲みたいものよね。開けたらすぐにその場で飲みきることを前提にしているから、ペットボトルのようなフタも必要なかった。ノンアルコールビールも、もともと車の運転を控えてビールを飲めない場合などを念頭に、あくまでビールの代わりとして楽しめるよう開発されたこともあり、ビールと同じように瓶や缶入りだった。

でも、販売の伸びが頭打ちになったことをきっかけに、ペットボトル入りを出すことにしたの。今回、メーカーでは日光に当たっても品質に影響が出にくい原料を使ったり、容器に工夫を加えたりして、商品化にこぎつけたそうよ。

持ち運びに便利なペットボトルにすることで、いままでのビール代わりとしてだけでなく、いろんな人に、いろんな場面でも飲んでもらおうという狙いね。キャップを開け閉めするので、炭酸を強めにしているそうで、スポーツやアウトドア、それに仕事中のオフィスでも飲んでもらうことを狙っているわ。

アルコールが入ってないといっても、やっぱりオフィスでは飲みにくいですよ。色もビールそっくりだから、仕事中に飲んでいるように見られてしまいそうだし。

そうよね。そこで、登場するのが「色のない透明なノンアルビール」というわけ。原料の麦芽の量を減らすことで、特有の色を抜きつつ、ホップのエキスを使ってビールのような味わいにしているそうよ。

いまは、いわゆる強炭酸のドリンクが流行ってるわよね。仕事中にデスクの上にペットボトルを置くスタイルも定着してる。そこにノンアルコールビールも割って入ろうというわけね。

メーカーでは、すでにオフィス向けの営業活動に乗り出していて、けっこう手応えを感じているみたい。

透明なノンアルコールビールって、もう何の飲み物か分からない感じもするけど…。それにしても、いま透明な飲み物って増えてません?。透明なコーラとか、透明なカフェラテとか。

それだけじゃなく、透明な紅茶や透明なヨーグルト飲料もあるわね。

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「透明な○○」が増えた理由としては、まずメーカーが意外性で話題になることを狙ったから。例えば、コーラ。コーラと言えば、誰もがあの黒いシュワシュワを思い浮かべるけど、それが透明になると、「それって、ただサイダーじゃん!」とか「あの味はどうなる?」とか、いろいろ気になって話題になる。

SNSで画像や情報が拡散されるから、話題が広がりやすくもある。それをきっかけに実際に商品を手にとってもらうことを狙っているわけ。

もちろん、話題性だけでなく、メーカーでは透明なコーラを開発するため、特有の黒っぽい色の元になるカラメル色素を使わず、50回以上の試作を繰り返したそうよ。

もう1つは、「健康志向」と「スタイリッシュ」がキーワードになるかしら。

このところの健康志向の高まりに対応して、コーラやカフェラテは、見た目を透明にするだけでなく、カロリーやカフェインを抑えていることもアピールポイントにしている。

それに、飲み物そのものが透明で色がついていないと、職場からプライベートまで場所を選ばず、どんなファッションにも合わせられる。メーカー風にいうと飲むシーンを広げることができるということね。

さらに、カフェラテや紅茶の場合は「白い歯」への配慮もあるわね。最近は、歯のホワイトニングをしている人も多く、コーヒーや紅茶が好きでも歯に色がついてしまうことを気にするケースも。透明ならば、それの心配もなく飲めるというわけね。若い女性を中心に受けているみたいよ。