NEW2018年04月10日

なぜ手を組む?ケータイ3社

いつもは激しい競争を繰り広げている「NTTドコモ」、au=「KDDI」、そして「ソフトバンク」の携帯電話3社。その大手3社が手を組み、SMS=ショートメールの機能を拡充させた新たなサービスを5月からスタートさせます。なぜ、いまライバルどうしが手を組むのか。背景には、あのアプリへの対抗心がありそうです。

メールよりお手軽 LINEよりフォーマル?

携帯電話大手3社が共同で新しいサービスを始めるって聞いたんですけど、どんなサービスなんですかね?

「+メッセージ」という、今のSMS=ショートメールの機能を刷新させたものよ。これまでのSMSでは、1通あたり3円から30円の料金がかかっていたんだけど、これが大手3社のユーザーの間では、無料になるそう。それに、SMSは送信できる文字数が少なかったりスタンプが送れなかったりしたんだけど、新しいサービスでは文字数の制限はほぼなくなり、動画やスタンプも送ることができるようになる。さらに、複数のユーザーでメッセージを共有することもできるようになるそうで、5月9日からサービスが開始される予定よ。

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なんだか、LINEみたいですね。

まさに、そこが大手3社の狙いかも。機能としては、かなりLINEの使い勝手のよさを意識しているわね。

携帯大手3社にとっては、LINEのアプリをユーザーに使ってもらえば、その分、自社のデータ通信を使ってもらえるわけで、いわばお得意さんのはず。どうしてLINEに対抗するようなサービスを始めるのかな?

LINEは通信アプリからスタートしたけど、そこを入り口にして、いまやスマホによる決済や音楽配信、情報サービス、AIなども展開するようになっている。一方、携帯大手3社もインフラを提供するだけではなく、みずからさまざまなサービスを提供しているでしょ。このサービスの部分では、LINEと携帯3社は競争相手になっているの。携帯3社側としては、みすみすお客さんを持っていかれないよう、囲い込んでおきたいという狙いがあるようね。それには、1社だけでやるよりも3社で組んた方が、より効果的というわけ。

でもLINEって、すでに多くの人が使っているから、巻き返しは難しいのでは?

携帯3社の新サービスでLINEと大きく違うのは、携帯電話番号がわかればメッセージをやりとりできるということ。新たにアカウントをつくったりする必要はないの。だから、名刺交換なんかで日頃から電話番号を伝えているビジネス向けに相性が良いサービスだとしている。仕事で使う電子メールは使い勝手が良くないなと感じている人は多いと思うけど、LINEを仕事につかうのはちょっとという人も多いはず。そこで、電子メールより手軽、LINEよりフォーマルって感じを狙っているようね。

なるほど。試しに使ってみようかな。手持ちのスマホでも大丈夫なんですか?

サービスは、携帯大手3社のスマートフォンやタブレットで利用できる。KDDIとソフトバンクの端末ではサービス開始以降、ソフトの更新ですぐに利用できるようになるはず。NTTドコモの端末では、アプリをダウンロードすれば使えるそうよ。そのほかの格安スマホも、事業者側から要請があれば検討するとしている。携帯大手3社の目論見どおり、ビジネス向けのユーザーを囲い込めるか注目ね。