NEW2017年12月05日

有機EL 日本は巻き返せるの?

「有機ELパネル」って聞いた事ありますよね?

iPhoneの新型モデルや最新鋭のテレビに使われ始めた、液晶に代わる新しいパネルです。今は韓国メーカーのほぼ独占市場になっています。日本勢の巻き返しは可能なのでしょうか?

有機ELパネル。液晶パネルとそもそも何が違うんでしたっけ?

簡単に言うと、一般的な液晶パネルは、画面の後ろからバックライトで光を当てないと見えない。これに対して有機ELパネルは画面そのものが光るので、ライトはいらない。だから液晶よりも、軽くて、薄い画面を作ることができるんです。

今は韓国が圧倒的優位

今は韓国メーカーが圧倒的に優位に立っていると聞いているけど。

そうなんです。スマートフォン向けはサムスン、テレビ向けはLGがほぼ独占している状況です。韓国メーカーは大量の資金を投じて「蒸着式」という製造技術を確立。いち早く大規模な量産に乗り出して市場を押さえてしまったんです。

日本勢は?

日本勢も、ずっと研究を進めてきましたが、ここにきて新たな動きが出てきました!

日本企業が、製造コストが飛躍的に下がる新しい技術を使って、有機ELパネルを生産し、世界で初めて出荷したんです。

パネルを作ったのはJOLEDという会社で、医療用のモニターの画面として12月5日に出荷しました。JOLEDはパナソニックとソニーが、有機ELの研究開発部門を統合して、おととし設立した会社です。

日本は巻き返せるの?

新しい技術って?

韓国メーカーの「蒸着式」という製造技術。真空状態の中でパネルを作る必要があるため、大がかりな生産設備が必要で、製造コストがかかるんです。

これに対して、日本勢が採用したのは「印刷式」という製造技術。インクジェットプリンターの原理が応用され、量産化できればコストを飛躍的に下げることが可能だというんです。

JOLEDは、今後、大規模な製造ラインで安定生産できるよう開発を続け、2年後の量産開始を目指しています。

日本勢の巻き返しは可能なの?

新しい「印刷式」の量産化を軌道に乗せられるか。ディスプレーの市場で日本がもう1回、存在感を取り戻せるかどうかのカギを握っているのは間違いないです。今回の動きが、巻き返しの第1歩になるか、注目です。