災害列島 命を守る情報サイト

私たちは誰もが災害の危険と隣り合わせで生活していると言っても過言ではありません。防災情報の基礎知識や「いざ!避難」という時にとるべき対応を分かりやすく解説しています。

火山 知識

火山噴火 その時どうする?対策は?

突然の噴火が発生した時。噴火発生を知らせる「噴火速報」や、噴火が予想されるとして「噴火警報」が発表された時。「噴石」「火砕流」「火山灰」「土石流」「溶岩流」から、どうすれば身の安全が守れるのか。知っておきたいポイントです。

噴火関連ニュースや解説で放送された内容をまとめた記事です

目次

    噴石

    火口の近くにいる場合、まず怖いのが噴石です。大小さまざまありますが、高速で落下してくる噴石が直撃すれば、命が危険にさらされます。

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    (2014年 御嶽山)

    ✅近くにシェルターがあれば、直ちに避難を
    ✅山小屋は噴石貫通のおそれがあるも、外にいるよりは安全度は上がる
    ✅避難場所がない時は大きな岩や斜面などの陰に避難を
    ✅ヘルメットをかぶって身を小さく
    ✅ヘルメットがない場合は、リュックなどで頭を守る

    火砕流

    高温で高速の火砕流に巻き込まれると命の保証はありません。火口周辺に近づかないことが最も重要です。

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    (1991年 雲仙普賢岳)

    ✅流れ下る様子が見えたら、立ち止まらずに反対方向へ
    ✅谷筋からも離れたほうが安全度は上がる
    ✅直撃を免れなくなった場合、コンクリートで出来た頑丈な建物などの中に入り、口をタオルでふさぐなど少しでも助かる可能性のある対応を

    火山灰

    量によって異なりますが、人体や交通、ライフライン、建物への影響が心配されます。

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    (2011年 新燃岳噴火による降灰)

    <人体>
    火山灰を吸い込むと、ぜんそく患者など肺に疾患がある人は症状が悪化するおそれがあります。健康な人でも長時間火山灰にさらされると目や鼻に異常を感じ、深い呼吸をすると
    のどや気管支などに影響が出るおそれがあります。

    ✅室内で過ごす
    ✅外出の場合はマスクやゴーグルなどを着用

    <車>
    車が出せる速度は1ミリ以上の灰が積もった場合は30キロ程度、10センチ以上で通行できなくなるとされています。火山灰が降っている際には視界も悪くなります。タイヤがスリップして交通事故の危険性も高まります。

    ✅不要不急の運転は避ける
    ✅運転の場合は速度を落とし慎重なハンドル操作を

    <ライフライン>
    2ミリ以上の灰が積もると、浄水場が利用できなくなったり、下水道が詰まってしまったりするおそれもあります。3ミリ以上積もると、送電設備がショートして停電するおそれもあります。

    ✅水や食料を備蓄
    ✅懐中電灯やラジオなどを準備

    <建物>
    7センチから8センチの灰が積もると、体育館のような屋根の大きな建物で損傷したり倒壊したりするおそれがあります。また、少量の灰でも雨が降ると重くなり雨どいなどがこわれることもあります。

    ✅大量の場合はコンクリートで出来た建物などに避難
    ✅少量で降灰が止まった場合、雨どいや排水溝などの掃除を

    土石流

    大量の火山灰や噴石が雨水や川の水に押し流され、土石流が発生することがあります。冬の間は山から離れていても、火口周辺の雪が一気にとけて「融雪型火山泥流」が発生し、ふもとの街に甚大な被害が出るおそれがあります。

    (1991年 雲仙普賢岳噴火による土石流)

    ✅川や谷筋から離れた場所への早めの避難を
    ✅川や谷筋の様子を見に行かない

    溶岩流

    火山から流れ出る溶岩は、比較的速度が遅いため、逃げる時間はあります。ただ、溶岩は1000度にも達する高温で、近づくと大変危険です。家屋や植物も破壊し、燃やしてしまいます。

    (1986年 伊豆大島)

    ✅溶岩流が迫っているときは近づかない
    ✅表面は固まって見えても内部は高温 噴火活動が終わった後も近づかない

    いざという時の備えを!


    それぞれの火山でどのような災害が発生するのか、具体的な危険性は、地元の自治体などが公表しているハザードマップで知ることが出来ます。
    火山の近くで住んでいる人だけでなく、観光や登山の目的で火山に近づく人も、必ず目を通し、いざというときの心構えをしておくことが大切です。


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