平和賞

ことしの注目 アビー首相ってどんな人?

20年続いた戦争状態を わずか3か月で終わらせた

アフリカ東部・エチオピアの若き首相、アビー・アハメド・アリ氏が注目されています。去年4月に就任したばかりで、まだ43歳です。

彼が、どんなすごいことをしたのか。それは、20年に及んで対立状態が続いていた、隣の国 エリトリアとの関係を大きく改善したことです。

国境線をめぐる対立から、1998年に起きた武力衝突では数万人が命を落とし、その後20年間、人やモノの往来まで途絶えていました。

そうした中、アビー首相は、エリトリアとの冷え切った関係をよくしようと取り組みを始めて、就任からわずか3か月あまりで戦争終結の共同宣言に調印し、両国の国交正常化につなげました。

国どうしの争いを平和的に解決するお手本ね。

毎年ノーベル賞受賞者の予想をしている、オスロ国際平和研究所の所長は、ことしの受賞者の有力候補にアビー氏の名前をあげています。

アビー氏の活動は、アフリカのほかの国々が抱える紛争問題の解決につながる先行事例になると評価されています。

アビー氏が選ばれるなら、アフリカの課題にはアフリカみずから向き合い、解決しようとする努力を後押しするメッセージになると思います。

国際部 中東・アフリカ担当

スレイマン・アーデル

平成27年入局。
神戸局で事件・司法取材を経て、国際部で中東・アフリカ諸国を取材