ノーベル経済学賞

ノーベル経済学賞とは

ノーベル経済学賞は、ほかの5つの賞とは異なり、アルフレッド・ノーベルの死後70年以上たった1969年に、スウェーデン国立銀行の提案で始まった賞で、正式な名称は「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」といいます。

選考は物理学賞と化学賞と同じ、スウェーデン王立科学アカデミーが行います。

歴代受賞者は欧米がほとんど

数式を用いた解析や実証研究で、実際の経済に貢献した経済学者の受賞が多く、これまでに近代経済学の第一人者といわれたアメリカのポール・サミュエルソン氏や、「ゲーム理論」で知られるアメリカの数学者、ジョン・ナッシュ氏などが受賞しています。

歴代の受賞者のほとんどはアメリカとヨーロッパの研究者で日本人はおらず、アジアでも1998年に受賞したインドの経済学者、アマルティア・セン氏だけです。

これまでの受賞の対象は自由な市場経済をいかに発展させていくかを研究した「近代経済学」が多く、受賞者は欧米の研究者がほとんどを占めています。

なかでもアメリカの研究者は70%以上にのぼります。

なぜ日本人の受賞者いない?

経済大国と呼ばれてきた日本でなぜこれまで受賞者がいないのか。
学習院大学の宮川努教授は「日本の大学では戦後30年近くにわたって欧米で標準的な近代経済学ではなく、マルクス経済学の講義が多数を占め、東京大学や京都大学などの国立大学を中心に多くの研究が行われていた。このことが、近代経済学などの欧米の標準的な研究分野が評価の対象とされてきたノーベル経済学賞の受賞が難しい時代が続いてきた一因ともいえる」と分析しています。

その後、近代経済学の研究も盛んになりましたが、90年代にバブルが崩壊して日本経済が失速し、長期的な不況に陥ったことから日本の強みである日本経済に関する研究が評価されにくくなっているという見方もあるということです。

また、日本は欧米と比べて、経済学の研究成果が政策にあまり応用されて来なかったという指摘もあります。

大阪大学大学院の安田洋祐准教授は「欧米では競争政策の運営や金融危機への対応などが経済学の知見に基づいて行われるなど実学として根づいている。日本では経済学者が国の政策に携わる機会は増えているものの、欧米のような環境が醸成されておらず、実際の政策を左右できる立場にないことが多い」と指摘しています。

日本人が受賞すれば初めてとなるノーベル経済学賞。取材した経済学者たちは国際的に評価されている日本人研究者の業績もあることから、いずれその時が来ると期待をしていました。