就活ニュース

「就活、もう疲れた・・・」23年卒は今どうすれば? 本音でお悩み相談(1)

2022年05月20日

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5月の大型連休も明け、内定が出た友人もちらほら。でも、なかなか内定が得られず「何がいけないの!」と募るモヤモヤも。誰かに聞いてほしいけど、話しづらい悩み。SNSやポッドキャストで就活生に答え続けてきたコピーライターの阿部広太郎さんに、深夜のラジオのようにそっと優しく受け止めてもらいました。

(聞き手:梶原龍 佐藤巴南)

内定ゼロ、気持ちの持っていきようがないんです

学生
佐藤

就活が思いどおりにはいかず「内定が0」という学生もいます。

「お祈りメール」もたくさん見て「疲れた」という気持ちになると思うのですが、どうすればいいでしょうか。

佐藤さん、よろしくお願いします。

阿部広太郎さん

そういう学生の気持ち、教えてくれてありがとうございます。

ちなみになんですが“疲れる”ってどういう状態ですか?

人格否定されたような気分になってしまって。

内定が出ないとしんどくて、投げ出したいし、こんなに無理してでもやらないといけないのかなって学生は思ってしまいます。

学生
梶原

一社一社、ESを書いて企業研究したのに、それで面接してダメってなるとまた1からやっていくのはつらいですね。

正解がないぶん、「あれでよかったのかな…」とずっと考えてしまうのが疲れるところです。

まずですね、頑張って企業のことを調べたり面接に行ったりしている時点で、自分自身のことを「ちゃんとやってる」って認めてあげていいのかなと思うんです。

阿部広太郎さん
電通に入社後、人事に配属。社内試験を経てコピーライターに。「今でしょ!」のフレーズで知られる東進ハイスクールのCM「生徒への檄文」篇の制作に携わる。自身の経験をいかして、SNSやポッドキャストの番組「#好きに就活 好きに進もう羅針盤ラジオ」で就活生に寄り添ったアドバイスを届けている。

「内定」という手応えが得られないから“疲れ”を感じるのかなと思っています。

もちろん「内定のある・なし」は分かりやすい指標に見えますよね。

だからこそ振り回されてしまう。

そうなんです。

目に見えなくて苦しいかもしれないですけど、今、就活を通してこれから先の20代、30代に繋がる大事な経験をしていることは間違いないです。

トライしていることは絶対無駄にならない、自分自身の世界を広げていく大切な時間です。

まずは自分で自分を「よくやってる」って褒めてあげてほしいです。

ちょっと、泣きそうです…。

ダメだとわかっているけど、周りと比べてしまいます

ただ、自分よりあとから就活を始めた子が先に内定が決まったりすると、どうしても周りと比べてしまうんですよ。

親に言っても気にするなと言われるし、友達には相談できないし、どうやって自分を支えればいいですか。

よく「人と比較しなくていい」と言われると思うんですけど、僕は逆です。

人と比較したり、誰かと比べたりするのは、自分と向き合い始めている証拠だと思っているんですよね。

えっ、そうなんですか?

自分の外見は鏡を見ればわかりますが、自分がどんな人間なのか、その特性は誰かと向き合うことで見えてくると思います。

「あの人はいいところがあって羨ましいなぁ」って思うこと、ありますよね。僕はあります(笑)

そんなふうに人の様子が気になるのは、自分を知ろうとし始めているんだと僕は思います。

ないものねだりはこの先も永遠に続くと思うんです。

誰かと比較することで、羨ましいの先に目を向けて、逆に自分がどういう切り札を持っているのかを少しずつ浮き彫りにしていけばいいと思います。

比較して自分がダメだと思うのではなく、プラスに切り替えていくことが重要だということですか?

比較をヒントにしちゃいませんか?

焦りや嫉妬という感情を通じて、自分を知るためのピースが手に入ったと考えてみてもらえたらなと思います。

今からでも、志望理由やES、見直すべき?

内定がないということは、自分は企業が欲しい人材ではなかったからではと感じてしまうのですが、今のまま就活を続けていいのでしょうか。

例えばES、面接の内容とか、変えるべきことはありますか?

就活ってどうしても企業側が選び、学生側が選ばれるという構図に見えてしまうと思うのですが、あくまでマッチングですよね。

マッチングがすれ違えば、悲しい気持ちもあると思うのですが、たまたま両思いにはならなかっただけで、合う相手はきっといるはずだという目線でいてほしいんです。

はい。

そのうえでやるべきことは、自分のことを「伝わる」ように話すことだなと。

面接でかけられたことばやフィードバックのことばから、自分のどういうところが伝わっていないのかを振り返って、少しずつ修正して、磨き上げていくことだと思うんです。

ちなみに、志望理由はどう話していますか?

志望理由が一番難しいなと思っていて。

その会社ならではの特徴をホームページや説明会に行って探すのが最初に言った“疲れる”っていうところにつながってくるのかなと…。

志望度が高いと楽に書けるんですけど、そうじゃない企業だといざ300字、400字書けってなった時に手間取っちゃいます。

わかります、時間も手間もかかりますよね。

そういう時、僕は弓矢をイメージするようにしてるんです。

弓を引く力にあたるのが自分の中にあるモチベーションや、そもそもなんで自分は働きたいのかという理由です。

そのうえで、心ひかれる企業ごとの的を見つけて、照準を合わせればいいと思うんです。

なるほど。

そして、これまで自分が経験してきたことを「自分の土俵」と捉えると、自分のことばでちゃんとならしておくことが非常に重要だなと思います。

実は僕、就職活動してる時、同じことしか言ってなかったんですよ。

えっ、そうなんですか!

何かと言うと、10代の前半にすごく孤独を感じて誰かとつながりたいという一心でアメフトというスポーツをやっていたんです。

そこで気持ちのつながりや一体感を感じられる喜びがあったという根本的な部分をどこでも話していました。

高校生のころの阿部さん

テレビなら「映像を通じてみんなで一体感を」と言って、広告なら「さまざまなメディアを通じて一体感を作れる」と言いかえていました。

枝葉が少し違うけれどもどれもうそじゃなくて、本当の気持ちでした。

自分の原体験、強いマグマを皆さん何かしら持っていると思うんです。

「自分の心の火はここにあります」とことばで示すことさえできれば、企業のことを語ろう語ろうとしすぎなくていいんじゃないかと。

そうなんですか?

もちろん概要を把握しておくことは大切ですよ。

ただ、企業研究も大事ですが、研究しても絶対の正解はでないから、自分はこういう人間ですと1秒でも長く自己紹介できるようにしておけばいいのかなと思います。

相手の土俵ではなく、自分の土俵に誘い込みましょう。

今から企業を調べて対策するというより、自分がどういう人間か分かっているほうが大事ということですか?

企業の方たちからすると、この人のエネルギー源は何だろうというのはすごく気になると思います。

一緒に働くうえでも、何を喜びに感じるのかを気にするというか。

なので、自分がモチベーションを感じられるところ、喜びを感じるところを伝えるのに重きを置いてもいいのかなと。

きっと、やりたい職種に対して強い動機があるのだと思うのですが、それがまだ伝わり切ってないだけじゃないかなと思いますね。

すると、今からまるっきり就活の対策を変える必要は?

全部を変える必要はなくて、すでに大切なことは話していると思うんです。

強調するべきなのは「自分がなぜそう思ったのか?」の部分ですね。

その意識で、一発一発の発言が、パンチのように重みを帯びてくると思うんです。

面接って動機を確認する場所であり、面接官の納得を引き出す場でもあります。

納得を引き出す、ですか。

そうです。「どうして今ここにいるのか」「どうしてこの先に行きたいのか」を話す。

そのために自分自身に取材するつもりで問いかけたり、友達に「今から私が話をするんだけどなんで?って聞き返してくれない?」とお願いしたり。

「なるほど!」となったらゴールです。

「なんで?」「どうして?」と問いかけてもらうと、もうこの先は行けないという底力にたどり着くと思うんです。

自分の根っこの部分、凝縮された気持ちですね。

ありがとうございました。

※記事中の「お悩み」は聞き手の学生の経験や、ツイッターなどの投稿をもとに編集部が設定しました。

次回の相談は「内定が決まったけど、実は意中の会社じゃなくて・・・」。近日、公開します。

編集:秋元宏美 撮影:小野口愛梨

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