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就活のギモン「人事の目線」⑶ 逆質問って何のため?面接の気になるギモン

2021年12月17日

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「自分がいかにうまく話せるか」ということに関心が向いてしまいがちな採用面接。

企業との「相互理解の場」と捉えることができれば、より有意義なものになるかもしれません。

面接官自身も、面接を「成長の場」と捉えている場合があるそうですよ。

(聞き手:梶原龍 白賀エチエンヌ)

 

面接官の裁量って?

学生(3年)
梶原

では、面接についての質問です。

〇×でお答えください。

〇と×で分かれました。唯一〇だった火ノ川さん、〇の理由を教えてください。

キリンホールディングスでは「熱意・誠意・多様性」を共通の価値観として、リーダーシップを発揮して成長、発展し続けられる人、を求める人材として掲げています。

キリンホールディングス
火ノ川さん

そういう人物を見極めるにあたって、一番チャレンジしたエピソード、一番頑張ったエピソードを教えてくださいという質問を、面接の入り口で聞いています。

ただ、それ以降の深堀りをするための質問の内容は、特段指定していません。

では、×と答えたみなさん、お願いします。

伊藤忠商事では、各ステップの面接で見る要素が決まっています。

伊藤忠商事
島村さん

人材要件などと呼ぶこともあるのですが、どういう人物を採用したいのかという要素をあらかじめいくつか定め、面接のステップに応じてそれぞれの要素を評価しています

ただ、その要素を見るための具体的な質問は指定していません。

例えば“リーダーシップ”という要素があったとして、それを見るための質問は、基本的には面接官に任せています。

これまで歩んできた人生を、学生とキャッチボールしながら、面接官それぞれの視点で質問しています。

サイバーエージェントでも、面接で必ず聞く質問は用意していません。

サイバーエージェント
松村さん

弊社には“一緒に働きたい人を採用する”という採用基準があります。

面接官を務める社員は会話する中で「一緒に働きたい人材かどうか」を判断しており、あえて決まった質問は用意していません。

三井住友銀行でも、面接でどういう部分を見ましょう、ということは面接官と共有しています。

三井住友銀行
持田さん

ただ、質問項目までは決めておらず、適宜面接官に自分で考えて質問してもらうという感じです。絶対聞く質問はないですね。

ありがとうございます。面接後の評価というのは、面接をされた方が個々に決めるんでしょうか?

答えとしてはイエスです。

伊藤忠商事では、面接ステップごとに面接官の人数を変えています。

22年度の採用では、オンラインで対応した1次面接は1対1で面接官1人が評価をし、2次面接、最終面接に関しては複数の面接官が対応しました。

面接の現場にいなかった人事の人間が最終的に合否を決めるとしたら、数字や定性的な(面接官からの)コメントでしか判断できません。

このため、信頼している面接官のみなさんに、全部、決めてもらっているんです。

面接官が決めるんですね!

学生(4年)
白賀

火ノ川さんに質問なのですが、さきほどおっしゃっていた「熱意・誠意・多様性」という共通の価値観はどうやって決められたものなのでしょうか?

採用にあたって決めたものではなく、弊社が創業以来ずっと大切にしてきたものなんです。

お客様の口に入るものをつくるので誠実さは大切ですし、誇りをもって商品をお届けするという意味で熱意も大事にしています。

多様性は2019年から新たに加わったのですが、イノベーションが生まれるよう、いろんな意見をぶつけあって高められる組織になれるようにという意味が込められています。

企業の価値観に合致する人というと少し曖昧にも感じるのですが、それが分かるような面接の仕方があるんですか?

学生のみなさんに、過去、どういった時に熱くなって、思いを持って行動されたのかを、面接の中で確認しています。

先ほど伊藤忠商事の島村さんがおっしゃっていたのと同様で、私たちの“求める人物像”をいくつかの項目の人材要件にブレイクダウンした上で、質問を深めていく形をとっています。

学生のエピソードを面接官が吟味し、企業の価値観と合致しているかを照らし合わせているということですか?

おっしゃる通りです。

では学生側からすると「共感しています!」というのを無理に押し出そうとしなくてもいいということですか?

そうですね。寄せに行くよりも、率直にご本人の話をしていただくほうがよいと思います。

就活って「企業に売り込みに行く」というようなイメージがあるかもしれないですけれども、学生さんにとっても企業を見極めるマッチングの場なんです。

自分と合う企業に行くほうが幸せだと思いますので、ご自身を発揮する場だと思って臨んでいただければと思います。

自分を発揮する場…。分かりました。ありがとうございます。

逆質問って何のため?

もう1つ、面接の終わり間際に「何か質問はありませんか」と聞かれる、いわゆる「逆質問」をされることがあると思います。

この逆質問にプレッシャーを感じるという学生も少なくないのですが、これにはどういう意図があるんでしょうか?

面接の目的の捉え方の問題かなって思います。

面接は我々が評価をする場でもある一方で、相互理解を深める場でもあると思うんです。

社員に直接会ってみて、聞きたいことがあれば、お答えしたいという気持ちからのもので、プレッシャーをかけようとはまったく思っていません

学生の率直な疑問をぶつければいいということですか?

おっしゃる通りです。分からないことや気になっていることを残したまま入社してほしくないな、というのが我々の思いです。

学生さんが考えているよりも、企業って「自分たちの会社のことを知ってもらいたい」という思いがめちゃくちゃ強いんだと思います。

会社のことでも、面接官個人のことでも、本当に何でもいいんです。

どんな考えの人が会社にいるのかは会った人の数が多いほどわかりますから、いろいろ知ってもらって、納得した上で決めてほしいんですよ。

どんな質問をしてくるかで学生さんをはかる、みたいなことはあんまり考えていないんじゃないかと思うので、気楽に聞いてみたらいいと思いますよ。

すると、逆質問の内容で通ったり落ちたりというのは決まらないと考えていいですか?

他の企業のことは分からないですけど、それはあんまりないと思います。

あらかじめ、企業分析などをしっかりしていると、これ以上何を質問しようかなって迷っちゃうこともあると思うんですが…。

たとえば、企業のホームページに書いてあることが本当かどうかを疑ってもいいんじゃないですか?

そういう質問でもいいんですか?

僕はいいと思いますよ。

面接官の個人的なお話を伺うというのも?

全く問題ないと思います。

確かに、何を聞いたらいいか分からないってことがあると思います。

見方を変えてみると、その面接官にしか聞けない質問をできるチャンスだと思うんです。

私が就活生の時は、なぜその会社に入ったのか、仕事を楽しんでいるのか、など目の前の面接官にフォーカスした質問をしていたことが多かったです。

今、逆の立場になって、社員1人1人について知ってもらえることは、すごくうれしいことだと感じています。

楽しみながらいろいろ聞いていただければいいと思います。

楽しみながら、ですね…。

面接官には、人事部の社員だけではなく、現場で働く社員もいます。

皆さんからの質問を通して、改めて自分の業務の棚卸しにつながったとか、自分を見つめ直す機会になったとかという声もあります。

実は、面接官自身も面接の場を自分の成長の場と捉えているんです。

面接官自身の成長の場…。考えたこともありませんでした。

ですから、率直に「やりがいはなんですか?」とか「つらいことはありますか?」などと聞いてもらって、相互理解の場にしていただけたらいいのかなと思います。

お互いのことをよく知るための場と捉えれば、逆質問もスムーズにできそうですね。

まさにおっしゃるとおりです。

とは言うものの、やっぱり緊張してしまいますよね。気楽に頑張りましょう。

ありがとうございました。

次回は、ズバリ気になる「面接で印象が残る優秀な学生」について聞きます。近日公開予定。

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