2021年11月15日
自分の強みより弱みに目がいってしまいませんか?
真面目な人ほど、弱みをなくそうと日々、悪戦苦闘し時間だけが過ぎ去っていく。
そんなことにならないために、身につけたいのが今回のポイントです。
『内定者への手紙』著者、北野唯我さんに話を聞きました。
(聞き手:白賀エチエンヌ 堤啓太)
まずこの3段成長の法則について、教えてください。
勉強ができる人や高学歴の人の方が自分の弱点を気にしてるってこと、見聞きしたことありませんか?
それ、言いますね。聞きます。
その気持ちはすごく分かるんですよ。
分かるのであえて提言するんですけど、強みを伸ばしてから、弱みを丸めるという順番で考えた方がいいですよ、と言っています。
それはなぜですか?
経営学者のドラッカーも「人は強みによってのみ評価される」と言っています。
スポーツで考えたら、確かに“完璧な選手”もいますよ。
でも、完璧な選手になれない人が大半ですから、監督やチームのマネージャーなどが、ある選手を起用したいと思うとしたら、何か1つでも突き抜けたもの、強みがある人なんです。
野球でいえば、守備がうまいとか、肩が強いとか、バントがうまいとか、1つでも何かあれば、仕事をお願いしたいと思います。
だからどんなことでも同じなんですが、まずは1個でもいいので強みを伸ばしきる。
そして、強みを伸ばしていくと、自ずと弱みも気になるようになるので、自然と弱みを丸められるようになっていきます。そういう順番で考えた方がいいですよと。
この「ルールを覚える」というのは何ですか?
野球をやるのであれば、その前段階で「3アウトでチェンジ」だとか、基本のルールは覚えておかないといけない。
ビジネスで言うと、例えば英語は話せる方がいいとか、覚えるべきルールがあって、その後に強みを伸ばしきる、そして弱みを丸めるんですよって、整理できますよね。
そもそも自分の特徴を強みとして認識するためにはどうすればいいんですか。
自己肯定感が低い人ほど、強みを認識できず、弱みにばかり目がいってしまうと思います。
それはもう、フィードバックしかないでしょうね。自分で気付くのは難しそうなので。
誰かから教えてもらうとか、誰かと仕事しながら気付いていくしかないと思います。
他人の力を借りてでも、強みをちゃんと見つけた方がいいってことですか?
そうですね。分かんないですもん、自分の強みなんて。
北野さんも初め分からなかったんですか?
昔、ワンキャリアにトイアンナさんっていうライターがいらっしゃったんですが、トイアンナさんが僕の隣で記事を書いていたんですね。
もう鬼のように文章を書くスピードが速いんですよ。
僕、それを見ていて、俺って文章書くの遅いんだな、って思っていたんですね。
だけどそれは、実はトイアンナさんが異常なくらい当時速かったっていうだけだったんですよ。得意なテーマでは特に。
その後、僕が一人で書くようになって、ある時編集者に原稿を出したら「北野さん、文章を書くの、びっくりするぐらい速いですね」と言われたんです。
へぇ。
それで、「ああ俺、文章書くの速いんだな」と気付いたんです。
自分があまりにもナチュラルにやっていて、他人から指摘されないとそれがすごいって思えない、あるいは他人から指摘されてもあまりすごいと思えないものにこそ、実は強みがあるってことなんです。
自分では分からないものなんですね。
100%分からないですね。
でも、息を吸うようにできることっていうのは、自分にとっては、インプットがすごく少なくて、アウトプットが大きいということで、生産性が高いってことなんです。
強みというのは、自分では当たり前だと思ってることの方が多いんですか?
そうですね。
就活のときに強みを見つけるために、他己分析をしてもらったんですけど、ビジネスにおいても就活で使ったような他己分析が通用するんですかね。
そうですね。やはりいろんな人とぶつかったり、仕事をしながらでないと見つからないと思いますね。
日本文化に例えると、今の日本の観光資産のほとんどって鎖国だった時に生まれてると思うんですね。
江戸文化とか京都の文化とかもそうだと思います。それが開国して初めて海外から人が日本に来た時に、「京都の庭園、すごくいい!」とか認識されたと思うんです。
鎖国の時に独自性が磨かれて、それが開国して他者と比較されることで強みなんだと認識される構造なんです。
それは個人のキャリアでも一緒です。もし、2人が自分の強みを認識できないとしたら、それは、いわばこれまでが鎖国の状態だったからです。
これから開国していろんな人とぶつかることで「強み」と認識されるんです。その繰り返しでしかないです。
ありがとうございました。
ぜひいいビジネスパーソンに育っていってください。応援しています。
頑張ります!
「入社までに身につけたい10のポイント」過去の記事は下記からご覧ください。
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