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4人に1人が経験・・・“就活セクハラ”にあったらどうする?

2021年06月18日

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「彼氏いるの?」と聞かれた。不必要に体に触られた。

こうした“就活セクハラ”、就活生の約4人に1人が経験しているという調査結果を厚生労働省が公表しました。

もし、“就活セクハラ”にあったら、どうしたらいいの?

【就活セクハラ WEB面接でも】
今年3月、YouTubeに就活セクハラに関するある動画が公開されました。

その名も「就活ハラスメントとは?就活セクハラ防止講習会」

動画では学生と面接官との間で行われた実際のやりとりが紹介されています。

「彼氏はいるの?」

「○○さんはスタイルがいいからモテるでしょ。椅子から立って全身見せてよ。後ろ姿もみたいな」

コロナ渦で当たり前となったWEB面接では、こんなやりとりも。

「WEBカメラを動かして部屋の奥を見せてもらえますか?」

「部屋が広いけど、彼氏と住んでるの?どれくらいの頻度で彼氏は家に来るの?」

「○○さんの違う雰囲気も見てみたいので、次の面接はスーツではなく部屋着姿で参加していただけますか?」

この動画を作ったのは、名古屋市にある金城学院大学の女子学生。

制作した理由を聞いてみました。

動画を制作した女子学生
「就活中にハラスメントの被害を受ける人がいるという話を聞いて、同じ女子大生という立場の私だからこそ、なにか発信すべきだと感じました」

動画では、就活を行った大学の卒業生や日本ハラスメント協会に聞き取った具体的なやりとりに加え、対処法も紹介しています。

Q.容姿や恋愛に関する質問をされたときは?
A.「選考や今回応募させていただいた業務に直接関係する質問でお願いします」と答える。

Q.「食事をしながら、あなたのことをもっと詳しく知りたい」と言われたときは?
A.「正式な採用の場でお話ししたい」と伝える。

動画を制作した女子学生
「調査を通じて、そもそもなにがハラスメントだと自覚していない学生や、泣き寝入りしてしまう学生が多いのではないかと感じました。動画を見て正しい対処法や知識を知ってもらいたいです」

【また・・・相次ぐトラブル】

就活中のトラブルは、今年も報告されています。

大阪に本社がある近鉄グループホールディングスの採用担当の男性社員が、就職活動中の女子大生に「エントリーシートを添削してあげる」などと個別に連絡を取っていたことが明らかに。

この社員は女子大生を食事に誘ったり、ホテルに連れ出したりするなど不適切な行為をしたとして、6月、懲戒解雇処分になりました。

この会社では、面談を複数で行うことや外部の研修を採り入れることなどを盛り込んだ対策を発表。

再発防止に努めるとしています。

<会社の対策>
・採用活動に関する面談は、オンラインも含めて複数担当者で行うこと
・管理職に対して面談予定の申告・面談後の活動報告の徹底
・採用活動に関わる社員への専門の外部講師による継続的な研修を実施
・就職活動におけるハラスメントなどの専用相談窓口の設置

【4人に1人が経験 厚労省が初調査】

「約4人に1人が就活セクハラを受けた経験がある」

就職活動のハラスメントについて、初めての調査結果がまとまりました。

厚生労働省が4月に発表したこの調査、就職活動やインターンシップでセクハラを受けた経験があるかを聞いたものです。

実は、被害にあっているのは女性ばかりではないんです。

男女別で見ると、男性の方が女性より割合が高いという結果に。

セクハラの内容は「性的な冗談やからかい」が40.4%「食事やデートへの執拗な誘い」が27.5%などとなっています。

さらに、就活セクハラを受けたと回答した学生にその後の対応を尋ねたところ、「何もしなかった」という回答が約24%と最多に。

「何をしても解決にならないと思ったから」と答えた学生が半数近くに上りました。

【これはセクハラ?気軽に相談を】

「そうは言ってもこの質問に答えなかったら空気が読めないと思われちゃう」

「この提案を受け入れないと選考が不利にならないかな」

悩んだ末、望まない要求に応えてしまうこともあるかもしれません。そんな時、どうしたらいいのでしょう。

職場のハラスメント問題に詳しい新村響子弁護士に話を聞きました。

弁護士 新村響子さん
「採用してもらう立場だから何でも我慢しなきゃいけない、なんてことはありません。まずはどのような言動がハラスメントにあたるのかしっかりと知ることが大事です。それでもその場で『セクハラですよ!』と指摘するのは難しいことですが、1人1人が問題意識を持つことから始めてほしいです。
そして、トラブルがあったら大学のキャリアセンターなど信頼できる大人に相談してください。

被害にあったら、大学のキャリアセンターや家族に話すなど、自分で抱え込まないようにしてください。

また、職場でのトラブルなどを扱う日本労働弁護団では、専用のホットラインを設けて就職活動中のハラスメントの相談を受け付けています。
■日本労働弁護団 相談窓口 TEL03-3251-5363 (月)(火)(木)15時~17時/(土)13時~15時

編集:高杉北斗

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