2020年12月23日
情報があふれ、錯綜する中「何を信じればいいのかわからない」と迷う就活生もたくさんいらっしゃいますよね。
そんな、みなさんの悩みや、ギモンを解消したい・・・、就活応援ニュースゼミでは、就活系サービスを運営する4社に集まっていただき、2022卒の「就活のギモン」に答えてもらいました。
就活には、絶対の答えや法則はないですが、回答をヒントやきっかけに、みなさん自身で自分なりの答えを導きだしてもらえればと思っています。
聞き手:石川将也<3年> 勝島杏奈<4年> 司会:石井隆広NHKアナウンサー)
2020年12月2日 NHKプラスクロスSHIBUYAで取材、収録。
【4社にお答えいただいた「就活のギモン 2022卒」の内容は、動画版もあります!「就活ゼミ」→「就活ニュース」→「動画」からチェック。就活関連の動画は、NHK公式Youtubeなどでもごらんにいただけます!】
3年生の石川さんは、こういう心配ありますか?
あります・・・。
内定率が下がったというニュースを見て、自分が本当に内定が取れるのかどうか、すごく不安に感じています。
4年生の勝島さんは、就活は終えていますけど、どうですか?
そうですね。
やっぱりコロナは急な出来事だったので、まわりの後輩もこれからどうなっていくのだろうってとても心配しています。
なるほど。こうした声を受けて、4人の専門家の方に回答していただきましょう。
みなさん、全員「×」
「就職氷河期にはならない」という回答ですね。
では、理由をちょっとうかがっていきましょう。増本さん。
リクルートワークス研究所が出している大卒の求人倍率の数字があるのですが、売り手市場といわれていた2020年卒が1.83倍という数字でした。
2021卒は、どうだったかといいますと1.53倍という水準に下がりました。
下がってはいますね。
そうですね、コロナの影響で、下がっていますが、まだ、1.53倍あるともいえます。
就職氷河期と言われる時期で一番数字の低かった時が0.99倍(2000年卒)、そしてリーマンショックの時が1.23倍(2012年卒)という水準です。
まだそこまでにはなっていない状況かと思います。
0.9倍台というのは求人と求職が全部マッチングしたとしても、全員に一つ仕事がないということですね。
そうですね。過去に一度だけそういう時期がありました。
寺口さんも「×」(就職氷河期にはならない)ですね。
業界によって採用意欲が違うというのが理由です。
IT、WEB、ソフトウエアの関連企業は採用意欲はむしろ旺盛です。
過去の氷河期の時のように、一律に景気が下がっていて、企業業績が悪くなるというのとは今回は明らかに違うなと考えています。
就職氷河期ほどは悪くならないということで少し安心しました。
ただ、私たち就職氷河期っていうのを知らないんですけど、実際、氷河期ってどのくらい厳しかったんですか?
私は大学が2001年卒で、(過去最低だった)0.99倍の翌年に就職活動したんですよ。
それと比べると、今は全然違う状況ですね。
実際、私は就職できなくて、卒業して10か月間、いわゆるニートでした。
そのときに比べたら仕事はありますし、先ほど増本さんがおっしゃった1.53倍っていうのは2人の学生さんに対して3つ仕事があるという状況なので、全体的に見ると全然氷河期ではないと思いますね。
体感としても当時はかなり空気感が違いましたか?
仕事がほんとになくて、周りも選考にまず進めない。
そんな状況だったんで、私もほとんど就職活動せずに諦めていました。
そうだったんですね。
では、2022年卒の具体的な採用数はどうなる見通しでしょうか?高橋さん。
はい。マイナビでは、今年10月、企業に採用予定に関するアンケートを取りました。
結果を見ますと「今年と変わらない採用数」という企業が66.7%ありました。
前年と比べたら若干減るかもしれませんけど、みなさんが、おっしゃっていたように急激に落ち込んで就職氷河期の再来という状況ではないと思いますね。
就職氷河期の時は企業側も採用を減らして失敗したこともあるんですよ。
新卒採用を中止しましたから、その後の社員の年齢構成がいびつになってしまいました。
さらに、それを補うための中途採用でも苦戦をしたという教訓もあります。
だから、よっぽどでないと採用を大幅に減らさないと思いますね。
大学3年生の石川さん、今の話を聞いてどうですか?
少し安心しました。
ただ、例えば航空業界とか、採用は減るかなと思うんです。
志望業種や企業によって(今年度の採用が見合わせになった場合などは)就職浪人という選択肢もありでしょうか?
就職浪人という選択肢はどうでしょうか、増本さん。
私としては、安易な就職浪人はすすめられないですね。
翌年がどうなるかわからないですし、今できることを最大限やっているかがまず重要だと思います。
仮に、今、やるべきことを準備し尽くしていない中で、状況が悪いからという理由で浪人ってことは、次の機会も準備が整わない可能性もあるんじゃないかなと思いますね。
なるほど。
寺口さんはそのあたりどうですか?
そうですね、最終的には、どこまで自分の憧れにこだわるかっていうところとの兼ね合いかなと思っています。
ひとつ思うのは「なりたいもの」とか「やりたいこと」を絞りすぎて、その中で探してしまうと視野が狭くなりがちですよね。
「なりたい」「やりたい」「ありたい」この3つで、これに「なりたい」ってことは、どう「ありたい」んだっけ?と一度(考えを)変換してみると、他の仕事でもできることあるなっていうパターンが実は結構多いです。
だから、「なりたい」だけで就職浪人という意思決定を早めにしてしまうのはもったいないと思いますね。
中野さんは?
私も安易な就職浪人はおすすめしないですね。
実際コロナになってかなりの業界の状況が変わりましたし、生活のありかたが変わっていくと思います。
思っていた業界のイメージからその業界自体が変わっていく可能性が大いにある。
だから、大きな変化が起こっていく時、自分を固定的に見るのではなくて、変化にどう対応していくかっていう考え方の方がいいかなって思います。
なるほど。
世の中変わったのだから一回ゼロベースでまずは活動してみて、視野を広げてみて、それでもやっぱり行きたいと思うのだったら、就職浪人するのは「あり」だと思いますけど。
やっぱりまずは動いてみるのが良いかなと思います。
高橋さんのご意見は?
人生100年時代と言われていますし、定年が70歳と考えたら、皆さんは卒業されてから50年近く働くことになりますよね。
その50年を一つの企業で働き続けるという考え方って段々、今、減ってきています。
たしかに、新卒1社目の就職先企業は大事だと思いますが、就職してからまた転職するようなキャリアアップの考え方で、スキルを積んでから、大学時代に行きたかった企業・業界にまたチャレンジするっていうのも一つだと思います。
どうですか?聞いてみて。
そうですね、今やるべきことに時間をかけてやり尽くしてみようって思いました。
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