就活ニュース

新卒採用は内定者の"ツテ"で

2020年12月08日

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就活生のみなさんは「リファラル採用」って知ってますか?社員が大学の後輩など知り合いに声を掛けて、選考を受けてもらう採用のしかたです。実は今、新卒採用の場面でも広がっています。新型コロナの影響で加速するかもしれません。

【インターンに来ていたのは・・・】

12月1日、花の販売や冠婚葬祭の装飾などを行う日比谷花壇が、都内で開いたインターンシップを取材しました。

参加したのは2022年卒の学生21人。会社の説明や結婚式での花の装飾を想定したワークショップなどが行われました。

この中に少し違う経緯でこの場に参加した学生たちがいました。実は彼女たちは、この企業の内定者から誘われて参加したといいます。

【リファラル採用とは】

英語のリファラル(referral)には、「紹介」という意味があります。自社の社員などに人材を紹介してもらい、選考を受けてもらう採用形態は「リファラル採用」と呼ばれています。

就職情報サイトのマイナビが、今年1月に企業の中途採用の担当者1148人を対象に行った調査では、2019年中に62.9%がリファラル採用を導入したと回答しています。

これまで中途採用で大きく注目を集め浸透していたリファラル採用ですが今、新卒採用にも広がってきています。

日比谷花壇が使っているのは「マイリファー」というサービス。企業が内定者をリクルーターとして登録し、専用のアプリを使ってもらいます。

このアプリ上で企業についてのニュースや社員の紹介などを発信し、内定者に理解を深めてもらいます。そのうえで次の世代の就活生を説明会やインターンなどに誘うよう呼びかけます。

運営企業によると新卒採用で利用する企業は年々増えていて、これまでに90社以上が導入しているということです。

【内定者が後輩に声かけ】

日比谷花壇は2021年卒の採用からリファラル採用を導入しました。前年の内定者をリクルーターにして、大学の後輩や幼なじみなど内定者自身が「一緒に働きたい」と感じる人を誘ってもらいます

導入の動機は今まで出会えなかった人材に会うことでした。「お花屋さん」のイメージからか応募する学生の9割が女性です。さらに、事業領域を広げる中で、新たな層の学生とも出会いたいと考えていました。

インターンシップには男子学生の姿も

これまではナビサイトと大学での説明会が中心でしたが、リファラル採用の導入を決定し、研修の一環として2020年卒の内定者をリクルーターに任命。

5~6人ずつチーム分けし、就活生を誘って説明会などに参加してもらうたびにポイントを与える仕組みにしました。21年卒の採用では、内定者リクルーターに誘われて選考を受けた学生は150人に上りました。

内定者からの口コミをきっかけに、多くの学生が集まったのです。

この会社では内定者をグループ分けしてポイント制に

結果、この年の内定者は全部で46人でしたが、そのうち11人、実に4分の1近くがリファラル経由でした。今後も、一定割合はこのやり方で採用することにしています。

日比谷花壇 人事部 向江正智 副部長
「内定者が就活生と近い目線で企業のことを説明してくれるので、そもそも会社への理解度が高いです。リクルーターをする中で、内定者も会社への理解が進んでいます。導入してみてまずは成功しています。次の22年卒ではさらにリファラル採用の割合をさらに高めたいと考えています」

【友だちになりたい人を誘う】

とはいえ、内定者自身が学生を誘うというのは戸惑いはないのでしょうか。

実際に今リクルーターとして活動している内定者の大学4年生に聞いてみました。

内定者リクルーター 三井彩椰さん
「内定して研修の時にリクルーターの説明を受けて、率直にびっくりしました。学生がそんなことをやれるんだって思いました。責任も感じます」

三井さん自身が実はもともとは花に興味があったわけでなく、就活をする中でこの企業への興味が湧いたというタイプ。なので、就活生を誘う時に一番大事にしているのが、「友だちになりたいか。一緒に働きたいか」です。

サークルの後輩や昔から通っているテニススクールの仲間など、リクルーター「任命」から1か月ほどですでに9人に声をかけ、このうち6人が何らかのイベントに参加しています。

リファラル経由でインターンシップに参加した学生

さらに気にしているのが、新型コロナの影響です。

内定者リクルーター 三井彩椰さん
「私もそうでしたが、新型コロナの影響で就活がウェブばかりになってしまって、今の3年生は困っています。じかに企業の人に会えないという就活生に情報を伝えたり会う機会を作ったりすることで、動き出すきっかけにもしてほしいと声をかけています」

【コロナだからこそ】

まさに新型コロナの影響が続いている22年卒の就活生。インターンシップには三井さんが声をかけた就活生が4人参加しました。

実は日比谷花壇のことをよく知らなかったという4人ですが、三井さんの誘いだからと参加しました。新型コロナの影響もあり、リファラル経由の就活には魅力を感じているといいます。

「リファラル」でインターン参加の学生
「リアルで会える機会が少なくて、最初は不安しかありませんでした。けど、そんな状況だからこそ企業の情報を信頼できる人から知れるのはありがたいです」
「夏のインターンシップの競争率が上がったのか、10社応募しましたがすべて落ちました。今回のようなインターンシップに参加する機会がもらえて、学生にとってはチャンスだと感じます」
「もしも三井さんからの誘いではなく、新型コロナの流行もなかったら、リファラルと言われても、『怪しくないのかな?』と少し身構えてしまったのではないかと思います」

【広がるか ナビサイトに頼らない就活】

さらに、4人に共通していたのはナビサイトばかりを頼らない就活をしていたことです。

4人のうち3人は求人の案内やエントリーシートの添削などをしてくれる、「就活エージェント」に登録。もう1人は長期インターンシップに参加して企業で働く経験を積んでいます。

「ナビサイト経由でインターンなどに申し込んでも大学名で落とされるのではないか・・・」そんな不安もあって、できるかぎり直接自分を見てもらえる機会を探しています

サービスを運営するマイリファーは、就活において企業と学生の力関係が変化していると指摘します。

マイリファー 鈴木貴史社長
「学生の売り手市場といわれる時期が続き、さらにSNSの利用が当たり前になったことで、学生個人のパワーが増しています学生の企業を見る目は厳しく、重要なのは知り合いからの口コミです。内定者を経由して学生と企業のつながりを強める方法には、可能性があると考えています」

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