就活ニュース

IRを読んで企業に詳しくなろう!実践編(3)直前でも間に合うIRの読み方

2020年05月22日

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明日、面接があるのに企業研究しきれていない。そんな時に役立つ『短時間で重要なところが頭に入るIRの見方』ってありますか? ギリギリまで粘りたい人のためのIR活用法を学生リポーターが日本IR協議会の佐藤淑子専務理事に聞いてきました。
(聞き手:伊藤七海 田嶋あいか 高橋薫)
※新型コロナウイルス感染拡大前に取材しました

面接の直前に見るなら?

学生
高橋

学生の立場でIRを見た時に、すぐ役に立つ見方ってありますか。例えば、明日面接がありますとか、時間のない時に。

そうですね……今、企業って財務目標だけじゃなくて、非財務目標っていうのも重要視し始めているんですね。

佐藤さん

例えば、2015年にIR優良企業大賞を受賞している味の素は、統合報告書の中で事業活動が生み出す社会的価値を定量化した非財務目標を掲げています。

味の素・ウェブサイトより

右下に、働きがいを感じている従業員の割合を80%以上にしますとか、書いてあります。就活生も気になるところですよね?

気になります!

学生
田嶋

非財務目標をみるとその企業が目指しているところがわかるということですか。

そうそう。しかもこれは社会全体の動きと足並みをそろえています。

左側のマテリアリティ項目というのが、この企業が重要視していることです。

「製品の安心・安全の確保」とか「健康・栄養課題への貢献」とかっていう項目があって、そのために肉・野菜の摂取量をこれだけ増やしますというように具体的な目標を立てています。

これが達成されれば、企業も社会とともに成長できるということなんです。

これは役に立ちそうです。

もし統合報告書を作っていない企業だったら、CSR(企業の社会的責任)とかサステナビリティーとかそういうところを見てみると同様のことがわかります。

面接の前にちょこっと時間がある時に、パパッと見られるものではありますね。

実は味の素は、業績が絶好調というわけではないんです。でも「社長ご挨拶」にも書いてありますが、社長はそういう課題はちゃんとわかっていて、「事業構造改革を断行します」と言っている。

学生たち

はい。

トップが今、自分たちの企業や経営環境をどう見ていて、やるべきことをやっているのかというのが、こういうメッセージに現れるので、時間がない時でも常にまずチェックするといいと思いますね。

トップのメッセージは企業を知る上でとても大切だと語る日本IR協議会の佐藤淑子専務理事

メッセージなども含め、大きく見た方がいいんですね。

そう思います。とくに経営環境が大きく変化したり、課題が出たりするときは大切です。

今だと、新型コロナウイルス感染拡大の影響に対し、経営者がどう考えているのか、投資家は注目していると思います。

企業のリスクはどこで見るの?

学生
伊藤

企業説明会だと、企業の良い情報ばかり聞くんですけれど、リスクとか、信頼性みたいな情報ってどこかで見られますか?

定型的なところで言うと、有価証券報告書にあるんですよ、そういう項目が。試しにKDDIの有価証券報告書を見てみましょうか。

KDDI IRトップページ→「IRライブラリ」→「有価証券報告書/内部統制報告書」→「第35期有価証券報告書」

有価証券報告書は、四半期ごとに出てるんですけど、通期のものを見るといいですよ。

通期の方が情報が多いんですか?

そうですね。

有価証券報告書って、どういうことが載っているんですか?

会社の株式を金融商品として投資家が買っていいか判断するための情報だから、過去の財務情報とか、沿革とか、事業の特徴とか。IRでわかりやすく書いてあることの“ネタ本”みたいに思ってくれれば。

じゃあ、IRがない企業は、有価証券報告書を見ればいいということですね。

そうですね。

KDDIの有価証券報告書の20ページに「事業等のリスク」という項目があります。「当社グループの事業その他に関するリスクについて」、というのをここに挙げています。

KDDIの有価証券報告書より

企業がそれを記載するメリットって何なんですか?

法律で決まっているのと、メリットがあるとすれば、リスクを公表しないでいて、何か起きた時に「言ってなかったでしょ?」ってなるのを防ぐ。

わかってますよっていうアピールなんですね。

そう。認識していたのに事前に言わなかったら、特に海外では訴訟を起こされたりするんですよ。投資家っていうのは、不確かな将来に対してお金を出すので、あらかじめ言っておいてもらいたいわけです。

これは企業が独自に作るIRには載っているんですか?

載っている企業と載っていない企業があります。有価証券報告書には必ず載っているので、これは見ておいた方がいいです。

このリスク情報ってどう就活に活かしたらいいですか?

企業は採用サイトには良い面を強調する成長ストーリーを出しているかもしれませんが、それとリスク情報を照らし合わせると、難しい面もわかってきます。言っていることとやっていることが一致しているかもチェックしやすくなると思います。

こういう情報を使って、自分で確かめるのが結構大事なんですね。

例えば既存の商品で得た資金で新しい事業に行くという戦略を立てていて、2020年までにやりますと言っているのに、まだ全然実現されていないとかね。リスクがある中でも、説明と行動に一貫性があるのかをみるのもよいかもしれません。

信頼性を見るには、情報を批判的にも見なければいけないということですね。

データが揃っているのかとか、実例があるのかとか、結果として利益が出ているのかとか、客観的な情報も合わせてみるといいですね。

私たちもやっぱり志望企業に対してはいいところばかり探してしまうので、こういう見方をしたことがなかったです。

もちろん就職しようと思うんだから、前向きな気持ちを面接で出すのは大事だけれど、これから長くビジネスにたずさわろうという時に、ちょっと引いた位置で見ることを始めるというのも大切だと思います。

がんばります。

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