今の大学3年生の就職活動のスケジュールは、企業による学生への説明会の開始が3月1日以降、採用面接の開始が6月1日以降、正式な内定日が10月1日以降となっています。経団連による「採用選考に関する指針」に変わって、政府が決めたスケジュールに沿って行われます。
ただ、このルールに罰則はなく、多くの企業がインターンシップやセミナーなどの形で、3月より前に学生との接触を始めているのが実態です。
就職情報会社「ディスコ」が企業の採用活動の状況を調べるため、ことし1月下旬から2月初めにかけて、全国の企業、1300社余りから回答をえたインターネットによる調査では、3月より前に説明会やセミナーを行うと答えた企業は合わせて36%で、去年の実績を7.8ポイント上回りました。
また、採用面接を始める時期を尋ねたところ、「3月中旬」を予定している企業が17%と最も多くなっています。
去年の同じ時期の調査では「3月下旬」が最も多く、開始のピークが10日ほど早まる形となっています。
このように、政府が決めたスケジュールと早期化が進む実際の採用活動との間にはずれがあるのが実情です。
さらにことしは東京オリンピックとパラリンピックより前に、採用活動を終わらせたいと考える企業も増えています。
こうした中で新型コロナウイルスの感染拡大で、3月からの企業説明会が相次いで中止や延期となり、学生にとっては先の読みにくい就職活動が続くことになりそうです。