2020年01月09日
学生の疑問に答える「就活のギモン」。今回は、2021年卒の就活を予測します。マイナビの「企業新卒内定状況調査」を担当したマイナビリサーチ&マーケティング部の東郷こずえさんに、学生リポーターがずばり、聞いてきました。
学生
工藤
これはみんな関心があると思うんですが、21年卒の採用数は増える傾向ですか?
たぶんですね、あんまり変わらないと思います。この図を見てもらうといいかな。
東郷さん
前年比で、全体では19年卒入社実績よりも19.0%増で募集人数を設定したことが分かる。だが、19年卒入社実績数と20年卒内定者数を比較すると、ほぼ同程度となっており、”前年の入社実績程度は採用ができている”とみることもできる。
企業にとって、学生の採用目標人数というのは毎年あるんです。でも、ここ数年は、達成できていないんですね。
そうなんですか?
例えば100人採用したいなと思っていても、大体8、9割しか取れていない状況です。ということは、募集人数は多めに設定されるっていう感じですね。
そう考えると、学生にとっては厳しくないってことですか?
人気企業は倍率が高いですが、働くところがないって状況ではないですよね。
学生
勝島
採用手法については変化はありそうですか?
ウェブセミナーとかウェブ面接とか、オンラインで実施する企業が少しずつ増えるかなと思います。
今後も増えそうですか?
増えていくと思いますね。都内にお住まいだとあまり感じないかもしれないですけど、地方の学生さんは東京に来るだけで金銭的な負担がすごく大きいんですね。
平等に機会を与えるという意味でオンラインはすごく有効だなと思います。
採用手法の調査で、いくつか気になった点があったんですが…。
次年度重点を置く採用手法としては「合同企業セミナー」(63.8%)が最も多く、その他「個人面談」(50.5%)、「学校訪問」(50.2%)など直接接触が可能な施策を重視する企業が増えている。
私、合同の企業セミナーに参加していないんですよ。あまり意味がないっていう話を先輩から聞いていたので・・・。でも、合同企業セミナーが63.8%で1位って、企業側はこんなに重視しているんですか?
これはね、学生と直接会えるからだと思います。で、今から企業の気持ちを代弁しようかなと思うんですが(笑)
お願いします(笑)
マイナビでも2万社くらい掲載されているんですけど、その中から企業を探す時って、最初はよく知っている大手企業から探すのは否めないと思うんですね。
ああ。
検索していて、偶然、企業と出会うってことはほぼないと思うんですよ。志望していない業種は検索しないし、行く気のない地域の企業って検索しないですよね。
確かに…。
ただ、合同企業セミナーの場合、会場を歩いているとついつい出会っちゃう企業ってあるじゃないですか。
わかるような気がします。
社風とか企業の雰囲気って実際はなかなか分かんないですよね。メジャーな業種じゃないけど、すごく人が魅力的とかって、話せばわかるのになって思うわけですよ。
そういう企業との偶然の出会いが創出されるのが合同企業セミナー。
じゃあ合同企業セミナーを大事にしているのは、中小企業なんですか?
大企業も重視していますよ。
ただ、中小企業にお聞きすると、“ブースで学生に話を聞いてもらうチャンスがあるのはすごく大事”とおっしゃいますね。
ほかに新しく増えそうな採用手法があれば教えてください。
通年採用って聞いたことありますかね?
1年を通じて採用するってことですよね?
そうです。現行の就活ルールは3月スタートでおおむね6月まで。短い3カ月には学生さんの負担を減らしたいという狙いがあるので、それはいいところでもあると思うんです。
一方で、就活のために留学とか学生時代にしかできない貴重な経験をあきらめるのはすごくもったいないという話もあって、応募期間を限定しないで、門戸は開けておくというやり方もあるんじゃないかと。
なるほど。
3月1日の0時にみんなが一斉にサイト上で応募を押す就活狂詩曲みたいなのは、何これ??って思っちゃいますよね。
ああ!ありました、それ。みんなライブのチケットをゲットする時みたいに必死になって、ちょっと怖いですよね。
実際、全然0時じゃなくてもいいと思うんですけど、何かこのタイミングでなければ・・・みたいな考え方は疑問だ!という見方はこれから増えてくるだろうし、もう少し議論が進むんじゃないかな。
通年採用の背景ってそういうことがあったんですね。
でも、単純に長くなると、学生にとっては勉強もあるし、単位もあるのにって思っちゃいますよね。
そうなんでしょうね。企業側からみても、決して長期化も早期化もしたいわけではないんです。
そうなんですか?
就職氷河期世代の支援をしましょうっていう政府の方針があったんですけどね。
自分が就活するその1年がたまたま不景気ですごく求人数が少なくて就活がうまくいかなかった場合に、その後何年もその影響を受け続けなきゃいけないってすごくフェアじゃないと思うんです。
そういうアンフェアさを改善しなきゃいけないっていう問題提起の一つでもあるかなと思います。
通年採用で、これまでの短期間の就活がなくなるわけではなくて、両方あってそれぞれの学生に合わせた就活の手法が増えていっていると捉えれば良いんですよね?
おっしゃる通りだと思います。一方で自由にしていいよって言われたら困っちゃいますよね。
そうなんです。自分はどっちがいいんだろうとか、どういう風に就活するのが自分にベストなんだろうってわからない子もいると思うんですよ。
基本的には両方が並立した状態がしばらく続くけれど、今のところスケジュール確定型が多数を占めているので、徐々に本当の意味で両方が並走するような形になるといいと思います。
どうなる、2021年卒就活(1)「インターンシップ参加学生数だけ増えたわけは?」はこちらから、
どうなる、2021年卒就活(2)「内定の基準は変わった?」はこちらからご覧ください。
次回は、2021年卒のインターンシップ事情について、東郷さんに解説していただきます。
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