2019年08月01日
みなさんから寄せられたギモンに答える「就活のギモン」。リクルートキャリア就職みらい研究所所長の増本全さんが、3年生のギモンに答えます。
今回の質問は、多くの人が気になっているのではないでしょうか、「インターンシップは選考と関係あるの?」です。
土井:インターンシップは選考に関係あると聞きますが、本当ですか?
増本:それは、○と△かな。企業によって違うというのがポイントです。
増本:われわれの調査では、採用に直結した目的でインターンシップを実施する企業も12.6%ありました。そのように、インターンシップを採用選考として使っている会社はあります。
ただ、自分たちのことを理解してもらう場としてインターンシップを使っているケースもあるので、企業によって目的が異なります。
伊藤:そうなんですね。
増本:現在就職活動中の2020年卒の学生を対象に、ことしの4月と5月の内定率を調査したときに、インターンシップに行った人と行っていない人の内定率の差を調べました。
その結果、4月の調査ではインターンシップに行った人のほうが、たしかに内定率は高かったです。
ただし、その次の5月の調査ではほとんど変わらなかったのですよ。
去年も同様の調査をやっていますが、1年間通しての結果ですと、「インターンシップに行った人」と「行っていない人」で、最終的な内定率はあまり変わらなかったのですよ。
学生:えー!何でですか?
増本:インターンシップに行くと、その企業について説明を受けます。エントリーシートを出す場合もありますよね。要は、学生とその企業との相互理解が進みます。
一方で、インターンシップに行っていない人は説明会から始まって、エントリーシートを出して、適性検査を受けて・・・って、各プロセスで時間がかかりますよね。
インターンシップに行くと、この時間がショートカットされて、物理的に選考が早く進む。
これは、早く内定が出やすくなるというスピードの話です。
勘違いしがちなのですが、インターンシップに行った人のほうが受かりやすいのか?とは、また別の話ですね。
受かる人は受かる、落ちる人は落ちるということで、トータルすると結局、内定率はあまり変わらないと。
工藤:インターンシップに行って、早期選考に呼ばれたからって、確実に内定がもらえるわけではなくて、インターンシップに行ったのでプロセスがカットされて、内定もらうのが早くなったってことですね?
増本:なんとなくインターンシップに参加して、何の情報も得なかったら、参加してもしなくても変わらないです。
ただ、インターンシップの場で、その企業を見て、それと自分(の望む働き方)を比べたり目的意識を持って取り組んだ人は、企業に志望理由を聞かれたときに、答える中身の質がだいぶ上がると思いますよ。
増本さんのギモンのまとめ
・インターンシップを採用選考として使っている企業も、学生に知ってもらうために行っている企業もあり、企業によって目的は異なる
・インターンシップに参加したから内定がもらえるわけではない。参加した学生のほうが最初は内定が出るのが早いが、最終的には内定率に変わりはないという傾向
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